ドイツ語の「分離動詞」って一体なに?基本の使い方をマスターしよう!

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ドイツ語の勉強頑張ってるんだけどね、急に難しい言葉が出てきて…

なになに?

「分離動詞」っていうみたいなんだけど、どうやって使うのかよくわからないんだ。

なるほど!じゃあ、使い方を一緒に見ていこう!

分離動詞とは、文中で「分離前つづり」と「基礎動詞」が分離して使われる動詞のことを指します。

どのように使われる動詞なのか、一緒に確認していきましょう!

分離動詞とは?

分離動詞とは、次のような動詞です。

例:aufmachen(開ける)

この動詞は、実際の文では次のように使われます。

Max macht die Tür auf.(マックスはドアを開ける。)

aufmachen という一つの単語が、auf と macht(machen の三人称単数現在形)とに分かれていますね。

このように、文のメインの動詞として使われるときに、二つに分離する動詞を、「分離動詞」と呼びます。

そして、二つに分離して、文の最後に置かれる部分を「分離前つづり」動詞として活用する部分を「基礎動詞」と呼びます。

aufmachen だったら、auf が「分離前つづり」、machen が「基礎動詞」ってこと?

Ganz genau! (その通り!)

なお本記事では、いくつかの辞書にならって分離動詞の不定形(=辞書に載っている元々の動詞の形)を「auf | machen」のように縦線を入れて表記しています。

パッと見て分離動詞だとわかりやすいですね◎

【ちょっと深掘り】

ズバリ!分離動詞はなぜ分離するの?

⇒最初から一つの動詞として使われていたわけではないからです。

先ほどの例文:Max macht die Tür auf. (マックスはドアを開ける。)で言うと、元々は macht…auf(~する+開いている)の二語で「開いているようにする」、つまり「開ける」という一つの概念を表していました。

次第に、machen と auf の二つの要素がまとめて「一つの動詞」として認識されるようになり、その結果、auf | machen という「分離動詞」となったのです。

はじめから前つづりと基礎動詞がくっついていて、それを分離させていたわけではない、ということです。

分離動詞の基本の使い方

ここからは例文を見ながら、分離動詞の使い方を覚えていきましょう!

平叙文

平叙文とは、疑問文や命令文などではない、通常の文章のことです。

おさえよう!基本ルール
語順:主語+基礎動詞+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり

ポイント

①基礎動詞は2番目

②どんなに文が長くなっても、分離前つづりは文末へ!

①の「動詞は2番目」は、これまでに習った動詞の基本と同じだ!

そうそう、気を付けるのは②だね

前つづりは後ろに、なんだね!なんだかあべこべだけど、覚えやすいかも!

例:

Ich mache das Licht an.
(私は電気を点ける。)
※an | machen (スイッチを入れる)

Morgen steht meine Mutter ausnahmsweise um halb sechs auf.
(明日、私の母はいつもと違って5時半に起きる。)
※auf | stehen (起床する)
※ausnahmsweise (例外的に)

決定疑問文

決定疑問文とは、Ja か Nein で答えられる疑問文のことです。

おさえよう!基本ルール
語順:基礎動詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり+?

ポイント

①基礎動詞は1番目

②分離前つづりは文末へ!

①の「動詞は1番目」は、普通の動詞を使った疑問文と同じだよ

これもまた前つづりは後ろに、なんだね!

例:

Machst du bitte das Licht an?
(電気を点けてくれる?)

Steht ihr morgen um halb sechs auf?
(君たちは明日、5時半に起きるの?)

補足疑問文

補足疑問文とは、warum や wann といった、疑問詞で始まる疑問文のことです。

おさえよう!基本ルール
語順:疑問詞+基礎動詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり+?

ポイント

①疑問詞、動詞、主語の語順は、通常の補足疑問文と同じ

②分離前つづりはやっぱり文末へ!

例:

Warum machst du schon das Licht an?
(なんでもう電気を点けるの?)

Wann stehst du morgen auf?
(明日何時に起きるの?)

分離前つづりって、もしかして必ず一番最後に置くの?

ここまでは必ず文末に置いてきたね。ここからはちょっと違う例を見ていくよ~

話法の助動詞と一緒に用いる場合

話法の助動詞とは、können や müssen などのことです。

話法の助動詞を含む平叙文で分離動詞を使う場合、次のような語順になります。

おさえよう!基本ルール
語順:主語+話法の助動詞+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり×基礎動詞

ポイント

前つづり基礎動詞の不定形(=辞書に載っている元々の形)とをくっつけて文末に置く

例:

Ich muss morgen früh aufstehen.
(私は明日、早起きしないといけない。)

話法の助動詞と一緒に使う時は、分離動詞は分離しないで、辞書に載っている形のまま使われるんだね

そういうこと!

例:

Kannst du das Licht anmachen?
(電気を点けてくれる?)

Warum musst du morgen früh aufstehen?
(どうして君は明日、早起きしないといけないの?)

上記のように、話法の助動詞と分離動詞を含む文が決定疑問文や補足疑問文になった時も、分離動詞は分離せず、辞書に載っている形のまま文末に置かれます。

副文内で用いる場合

おさえよう!基本ルール
語順:主文+接続詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり×基礎動詞

ポイント

前つづり人称変化させた基礎動詞とをくっつけて副文の文末に置く

副文について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください◎

ドイツ語「副文」とは?語順の仕組みを分かりやすく解説

 

例:

Ich warte darauf, dass er das Licht anmacht.
(彼が電気を点けるのを待ってるの。)

※元の文:Ich warte darauf. / Er macht das Licht an.

Deine Mutter sagt, dass du morgen um halb sechs aufstehst.
(お母さんは、君が明日5時半に起きるって言ってるよ。)

※元の文:Deine Mutter sagt. / Du stehst morgen um halb sechs auf.

副文の文末に置くときは分離しないけど、基礎動詞部分は、主語に合わせて形を変えるのを忘れないでね!

接続詞で繋げる前の元の文と、基礎動詞の形は変わらないんだね

そこがポイントだね!

【レベルアップ】

分離動詞を「zu 不定詞」として使う場合には、

分離前つづり+ zu +基礎動詞の形になります。

例:

Dem kleinen Kind war es nicht möglich, das Licht anzumachen.
(その小さな子どもには、電気を点けることはできなかった。)
※möglich (可能な)

 

Es ist mir unvorstellbar, um halb sechs aufzustehen!
(5時半に起きるのなんて、私には考えられない!)
※unvorstellbar (想像できない、考えられない)

 

zu不定詞の詳しい使い方については、ぜひこちらをチェックしてください^^

使えるドイツ語文法!zu不定詞まとめ(練習問題付き)

分離動詞の人称変化

分離動詞は特別だから、やっぱり人称変化も特別なの……?

これは実は、シンプルなんだ!

おさえよう!基本ルール
基礎動詞部分を、普通の動詞と同じように変化させればOK!

「los | fahren(出発する)」の例

基礎動詞部分に注目してみましょう。

比較してみると、不規則動詞「fahren(乗り物で行く)」と全く同じ変化になっています。

過去分詞の作り方

ドイツ語で過去のことを話すときは、基本的には現在完了形を使うことが多いですが、そのときに使うのが過去分詞です。

分離動詞の過去分詞は、次のように作ります。

おさえよう!基本ルール
分離前つづり×基礎動詞の過去分詞

例:

Der Zug ist vor 5 Minuten abgefahren.
(その電車は、5分前に出発した。)

これを、「fahren」の場合と比較してみましょう。

Du bist mit der Bahn gefahren.
(君は電車で行った。)

abgefahren は分離動詞の過去分詞なので、分離前つづり ab が gefahren に結合していますが、基礎動詞部分の gefahren は fahren の過去分詞と同じ形であることがわかります。

基本の分離動詞一覧

使い方が理解できてきたら、日常会話でよく使われる他の分離動詞も覚えていきましょう!

アルファベット順です。

分離動詞意味
ab | fahren出発する
ab | holen迎えに行く
an | fangenスタートする
an | kommen到着する
an | machenスイッチを入れる
an | rufen電話をかける
an | ziehen服を着る
auf | machen開ける
auf | räumen片付ける
auf | stehen起きる
aus | machenスイッチを切る
aus | schaltenスイッチを切る
aus | sehen〜のように見える
aus | steigen降りる
aus | ziehen服を脱ぐ
ein | kaufen買い物をする
ein | laden招待する
ein | schaltenスイッチを入れる
ein | schlafen眠り込む、寝落ちする
ein | steigen乗る
fern | sehenTVを見る
los | fahren出発する
mit | bringen持ってくる
mit | kommen一緒に行く
mit | nehmen持っていく、連れて行く
um | steigen乗り換える
um | ziehen引っ越す
vor | bereiten準備する
weg | werfenゴミを捨てる
zu | bereiten(料理の)準備をする
zu | machen閉める
zurück | geben返却する
zurück | gehen帰って行く
zurück | kommen帰ってくる

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まとめ

今回は、使い方が独特な「分離動詞」の基本を解説しました。

分離動詞は日常生活で、とても頻繁に使われます。実際の文にたくさん触れて、使い方に慣れていきましょう^^

覚えよう!

基礎動詞の位置は、普通の動詞を使うときと同じ!

ㅤ平叙文:第2位

ㅤ決定疑問文(Ja/Nein 疑問文):文頭

ㅤ補足疑問文(疑問詞のある疑問文):第2位

②上記のいずれの場合も、分離前つづりは文末!

③話法の助動詞を含む文では、分離動詞は分離せずに文末へ。このとき、基礎動詞は不定形を使う!

④副文の中では、副文のルール通り基礎動詞は文末。このとき、前つづりと基礎動詞はくっつけて書く!

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この記事を書いた人

 めい

Vollmondドイツ語講師兼ライター。

ドイツの大学で言語学を専攻。卒業後はメーカーの海外窓口業務を経て、翻訳会社にて日英・独日翻訳及び校正を担当。2018年9月よりオンラインドイツ語講師として活動中。

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編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)
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