ドイツ語関係代名詞をわかりやすく解説|例文・練習問題付き

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ねえねえ、関係代名詞ってどういう時に使うの?
2つの文を1つにすることができるから、すっきりした文章が作れるんだ!一から詳しく解説していくね!

 

関係代名詞を扱えるようになると、自分の伝えたい事がより詳しく伝えられるようになります。今回は関係文・関係代名詞を詳しく解説していきます。

一見複雑そうですが、ポイントをしっかり掴んでマスターしていきましょう^^

そもそも関係文・関係代名詞とは

初めに、関係文とは何か・関係代名詞とは何か、をご説明します。

 

関係文(Relativsätze)とは、主文の名詞を修飾する一つの副文です(主文・副文についてはこの後ご説明します)。

例として、以下の2つの文を見てみましょう。

① Ich habe einen deutschen Freund.
私にはドイツ人の友人がいる。

② Er spricht fließend Japanisch.
彼は日本語を流暢に話す。

こちらの②の文章は、①の「ドイツ人の友人」について、詳しく説明をしています。

この2つの文を1つの文にする時に使われるのが、関係代名詞(Relativpronomen)と呼ばれるものです。

 

実際に関係代名詞を使って2つの文を1つにしてみると:

Ich habe einen deutschen Freund, der fließend Japanisch spricht.
私には、日本語を流暢に話せるドイツ人の友人がいる。

 

この時の「ドイツ人の友人」(einen deutschen Freund)は、先行詞(Bezugswort)となります。

先行詞である「ドイツ人の友人」に、「日本語を流暢に話せる(友人)」という詳しい情報を、関係文で付け加えているんですね!

 

また、上記例文では「Ich habe einen deutschen Freund」までが主文(メインの文)、「der fließend Japanisch spricht.」が主文にくっつく副文(主文なしでは成り立たない、サブの文)となります。

主文の名詞(einen deutschen Freund)を、副文(der fließend Japanisch spricht.)が修飾しています。

 

関係文を作る際のポイントを見てみましょう!

ポイント
  • 関係代名詞は、先行詞と、関係文中での使われ方に応じて形が変わる
  • 原則として関係代名詞は、先行詞のすぐ後ろに置く+コンマも)
  • 関係文は副文となるので、動詞は副文中の文末に置く

この後詳しく解説していきます◎

 

副文では、動詞は副文中の文末に置きます。では、分離動詞や現在完了形の場合、語順はどうなるのでしょうか?

副文中の語順に自信がない方・再確認しておきたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ドイツ語「副文」とは?語順の仕組みを分かりやすく解説

 

覚えよう!関係代名詞の格変化表

先ほども述べたように、関係代名詞は先行詞と、関係文中での使われ方に応じてその形が変わります。

まずは関係代名詞の変化表を見てみましょう。

格変化は、それぞれの2格と複数3格以外は定冠詞の変化(der, die, dasの格変化)と同じになります。なので灰色で囲ってある部分は必ず忘れないようにしてくださいね。

2格と複数3格の時は、定冠詞の形に「-en」または「-sen」を足すと考えると、覚えやすいね!

 

では、先ほどの例文に戻ってみましょう。

Ich habe einen deutschen Freund, der fließend Japanisch spricht.

この der は上の表の内、どの形が使われているのかを分析していきましょう。

 

先行詞となる einen deutschen Freund は「ドイツ人の友人」、Freund は男性名詞ですね。

後半の関係文は、その友人の説明です。
「彼は日本語を流暢に話す。」はドイツ語では Er spricht fließend Japanisch. となり、「彼」は主格(1格)となっています。

よって、この関係文で使われている関係代名詞は、男性1格の der になります。

 

覚えよう!
  • 先行詞に応じて、関係代名詞の性(男性・中性・女性)と数(単数 or 複数)が決まる
  • 関係文中での使われ方に応じて、関係代名詞の格(1・2・3・4格)が決まる

 

慣れるまでは、どの形が使われているのか・どの形を使えば良いか混乱してしまうかもしれませんが、この文法をマスターすることによって表現力がグッと上がります!

初めは関係文をたくさん読んで、どの形なのかすぐ判断できるまで慣れてしまいましょう^^

 

関係文の作り方

では実際に関係文を作ってみましょう。

次の日本語を関係代名詞を使って書いてみてください!

ベンチに座っているその男の子は僕の友達だよ。

 

この日本語をパッと見て、何が先行詞になるかすぐに分かるでしょうか?

 

いきなり関係代名詞を使って文章を作るのは難しいと感じる方は、初めに2つ文章を作ってから、次に関係代名詞を使って1つにまとめても大丈夫です。

 

この文章の先行詞は「その男の子」ですね。「ベンチに座っている」が「その男の子」に関する説明、すなわち関係文にすることができる文章です。

  • Der Junge ist ein Freund von mir.(その男の子は僕の友達だ。)
  • Er sitzt auf der Bank.(彼はベンチに座っている。)

この der Junge と er は同じ人物を表しています。この2つの文章を参考にして、関係代名詞を使って1つの文にまとめると、次のようになります。

 

Der Junge, der auf der Bank sitzt, ist ein Freund von mir.

文章を書く際は、何が先行詞になるか、を意識してください。

関係代名詞の位置

もう一つ注意して欲しいのが、関係代名詞の位置です。
関係代名詞の位置は、基本的に先行詞のすぐ後ろでしたよね。

 

ただし例外があります。

Kannst du mir das Buch ausleihen, das wir lesen sollen?
僕たちが読むべき本を貸してくれるかい?
(*aus|leihen: 〜を貸す)

この文章の関係代名詞 das は das Buch を先行詞としていますが、das Buch の直接後ろに関係代名詞が来ていませんね。

 

直接後ろに置くと、

Kannst du mir das Buch, das wir lesen sollen, ausleihen?

となります。この文章は文法も正しく、しっかり意味も伝わります。しかし関係文の後ろに ausleihen の単語1つだけがある状態ですよね。

 

このように、関係文の後ろに単語が1つだけ残ってしまう場合、先行詞の直接後ろに関係代名詞がなくても大丈夫です。先行詞のすぐ後ろに関係代名詞がないからといって焦らずに、先行詞は何かをじっくり分析しましょう。

練習問題

各問題の関係代名詞が、どの性・数・格の関係代名詞か説明しよう!日本語にも訳してみよう!

  1. Das Buch, das dort liegt, muss ich lesen.
  2. Der Kugelschreiber, den du mir geschenkt hast, war sehr teuer.
  3. Es gibt viele Menschen, denen man helfen muss.
  4. Sind Sie der Mann, dessen Auto vor meiner Garage steht?
解答を見る
  1. Das Buch, das dort liegt, muss ich lesen.(中性、1格)
    あそこにある本は私が読まないとないけないものだ。
  2. Der Kugelschreiber, den du mir geschenkt hast, war sehr teuer.(男性、4格)
    君が私に贈ってくれたボールペンはとても高かった。
  3. Es gibt viele Menschen, denen man helfen muss.(複数、3格)
    助けねばならない人々がたくさんいる。
  4. Sind Sie der Mann, dessen Auto vor meiner Garage steht?(男性、2格)
    あなたが私の車庫の前にご自身の車を置いている男性ですか?

 

関係代名詞と前置詞

次の日本語を、関係代名詞を使ってドイツ語に訳してみてください。

①私がいつも座っている椅子はそんなに快適ではない
②君が長い間話していた男の人は誰だったの?

 

このような文は今まで説明した関係文と少しだけ異なる形になります。詳しく見てみましょう!

 

例文①

①の先行詞は「椅子」ですね。

「私はいつもこの椅子に座っている。」
→Ich sitze immer auf dem Stuhl.

「この椅子はそんなに快適ではない」
→Der Stuhl ist nicht so bequem.

 

この2つの文章を関係代名詞を使ってまとめてみましょう。

 

ポイントは、Ich sitze immer auf dem Stuhl. の文章が関係文となるわけですが、先行詞である「椅子」に auf という前置詞が付いているということです。

この前置詞は用いられている動詞(sitzen)に必要不可欠なので、関係文になるからといって勝手に取り除いてはいけません。

したがって、前置詞+関係代名詞の形で関係文を作ります。

 

①の文はドイツ語で、次のようになります。

①Der Stuhl, auf dem ich immer sitze, ist nicht so bequem.

 

例文②

②の文章を見ていきましょう。先行詞は「男の人」ですね。

「男の人は誰だったの?」
→Wer war der Mann?

「君は長い間その男の人と話していた。」
→Du hast so lange mit dem Mann gesprochen.

 

この文章も先ほどのように前置詞と先行詞がセットになっているため、関係文を作る際にも前置詞をつける必要があります。よってドイツ語では次のようになります。

②Wer war der Mann, mit dem du so lange gesprochen hast?

 

重要!
関係文に前置詞が必要な場合、前置詞+関係代名詞の順になる。関係代名詞の格は前置詞による。

  • Morgen ist die Prüfung, für die ich seit sechs Monaten gelernt habe.
    (für +4格 : 〜のために)
    明日は(そのために)6ヶ月前から勉強をしてきた試験の日だ。
  • Kennst du die Stadt, in der Goethe geboren wurde?
    (in + 3格 geboren wurde: 〜(場所)で生まれた)
    ゲーテが生まれた都市を知っている?

 

関係副詞 wo

前置詞と関係代名詞の代わりに wo を用いて書ける場合があります。例文を見て確認していきましょう。

Ich habe Anna in der Stadt kennengelernt, in der wir gearbeitet haben.
(in + 3格: 〜(場所)で)
Anna とは私たちが働いていた街で知り合った。

 

この文章に wo を用いると、次のようになります。

Ich habe Anna in der Stadt kennengelernt, wo wir gearbeitet haben.

 

この wo in der Stadt のことを指します。このように、関係副詞 wo は先行詞が表す場所がどのような場所なのかを説明します。

例文でいうと、どのような街なのか(→私たちが働いていた街)を説明していますね。

 

場所(街や都市、国)について詳しく説明する際、すなわち関係文を用いる際は wo が用いられます。

例) Das ist die Stadt, wo ich damals gewohnt habe.
これは当時私が住んでいた街だよ。

Sie verlässt Heidelberg, wo sie drei Jahre gewohnt hat.
彼女は3年間住んでいたハイデルベルクを去る。

 

まとめ

関係文を扱えるようになると自分の伝えたい事がより正確に表現することができるようになります。

関係代名詞の格変化をしっかり覚えておくこと、関係文は副文なので動詞が文末に来ることを意識して、たくさん練習してマスターしましょう^^

 

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この記事を書いた人:Kaori
大学でドイツ語文学部(Germanistik)を専攻、卒業後ドイツで1年間語学留学しました。私もまだまだドイツ語を勉強中ですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)

内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)

 

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