ドイツ語の命令形って、Trinken Sie Wasser! Trinkt Wasser! Trink Wasser! みたいに人称に応じて3種類もあるって聞いたけど本当?
そうだなんだ!ややこしそうに見えるけど、ルールを覚えてしまえば簡単だよ!
今回は命令形の作り方を勉強しよう!
ドイツ語の命令形は相手が Sie(あなた)なのか ihr(君たち)なのか、du(君)なのかによって形が変わります。
作り方を見ていきましょう!
目次
言葉通りの「命令」を思い浮かべる人も多いのですが、そうではない場面も多々あります。
例えば「Komm!(duに対するkommenの命令形)」は、「来いよ!」という意味にもなるし「来て〜!」「おいでよ!」という意味にもなりえます。
ドイツ語で「命令」はしないだろうし覚えなくてもいいや〜と思っている方を時々見かけますが、日常生活でよく出てくる文法なので、しっかりおさえておきましょう。
まずは例外でもある sein / haben の命令形から覚えましょう!
sein
覚えよう!
Sie に対して:Seien Sie + 形容詞/名詞など
ihr に対して:Seid+ 形容詞/名詞など
du に対して:Sei+ 形容詞/名詞など
例
Seien Sie leise!(静かにしてください)
Seid leise!(静かにして)
Sei leise!(静かにして)
haben
覚えよう!
Sie に対して:Haben Sie + 名詞
ihr に対して:Habt+ 名詞
du に対して:Hab+ 名詞
例
Haben Sie Geduld!(我慢してください)
Habt Geduld!(我慢して)
Hab Geduld!(我慢して)
続いて、一般動詞の命令形を見ていきます。
前提として、
①一般動詞は作り方のルールがあるので、それに従って練習していくほうが早く習得できます。
それから、Sie / ihr / du いずれの命令文を作るにしても、
②現在形の動詞の人称変化を覚えている必要があります。
Sie / ihr / du の人称変化は、以下の表でサッと復習してください。
それでは、Sie の命令形の作り方を見ていきましょう!
作り方は、平叙文(普通の肯定文)を作り、主語と動詞を入れ替えるだけです。
作り方
ステップ1:Sie lernen Deutsch.
ステップ2:Lernen Sie Deutsch!(完成!)
Sie / ihr / du の中では Sie に対する命令文が、一番簡単に作れます。
例
Lernen Sie Deutsch!
(ドイツ語を学んでください)
Sprechen Sie bitte lauter!
(もっと大きな声で話してください)
※ bitte は英語の please に相当する、丁寧な命令文にするための表現です。
Antworten Sie sofort!
(すぐに答えてください)
疑問文 Lernen Sie Deutsch? と、命令文 Lernen Sie Deutsch! では文末の語調が変わります。
前者は上がり、後者は下がります。
言いたいことを正確に理解してもらうためにも、文末の語調を意識しましょう!
作り方は、平叙文(普通の肯定文)を作り、主語を省くだけです。
ステップ1:Ihr lernt Deutsch.
ステップ2:Lernt Deutsch!(完成!)
ihr に対する命令文は Sie の次に簡単で、主語を省くだけです!
例
Lernt Deutsch!(ドイツ語を学んで)
Sprecht bitte lauter!(もっと大きな声で話して)
Antwortet sofort!(すぐに答えて)
作り方は、平叙文(普通の肯定文)を作り、主語と動詞の語尾 st を省きます。
作り方
ステップ1:Du lernst Deustch.
ステップ2:Lernst Deutsch.
ステップ3:Lern Deutsch!(完成!)
du の場合は ihr よりもステップが1つ増えて、主語を省いたあと、動詞の活用語尾 st を落とします。
例
Lern(e) Deutsch!(ドイツ語を学んで)
Sprich bitte lauter!(もっと大きな声で話して)
Antworte sofort!(すぐに答えて)
書き言葉では、語尾に e を付けることがあります。
例
Lern(e) Deutsch!
schlafen → du schläfst / laufen→du läufst などの動詞は、命令形では必ずウムラウトが取れます。
例
Schlaf gut!(よく眠って)
Lauf schneller! (もっと速く走って)
sprechen → du sprichst などの動詞は、必ず命令形の動詞語尾に e をつけません。
例
Sprich bitte lauter!
Nimm Platz!(席について)
antworten, reden や、-eln / ern タイプの動詞(angeln / ändern など)は、必ず命令形の動詞語尾に e をつけます。
例
Antworte sofort!
Warte hier!(ここで待っていて)
Ärgere dich nicht!(腹を立てないで)
これで、Sie / ihr / du それぞれの2人称に対する命令形の作り方を学んだので、以下に表としてまとめておきます。
ぜひ復習に活用してくださいね!
例外: sein / haben の命令形
sein
Sie に対して:Seien Sie…!
ihr に対して:Seid…!
du に対して:Sei…!
haben
Sie に対して:Haben Sie…!
ihr に対して:Habt…!
du に対して:Hab…!
ドイツ語の命令形ではカジュアルさ、提案などの細かいニュアンスを出すために、mal や doch といった心態詞(Modalpartikel)が用いられることがよくあります。
しかし、心態詞は日本語や英語に存在せず、直訳することが難しいので、多くの学習者を悩ませる種となっています。
初心者・中級者の方はあくまで参考程度にして、命令形を使う練習をまずしっかりやることをオススメします。
命令や要求を軽くする、bitte よりもカジュアル。訳すなら「ちょっと~して」。
例
Guck mal!(ちょっと見て!)
提案やアドバイス。訳すなら「~したらどう?」。
例
A: Ich habe immer noch Kopfschmerzen. (まだずっと頭痛がするよ)
B: Geh doch zum Arzt!(医者に行ったら?)
励まし。訳すなら「~してみなよ!きっと大丈夫!」。
例
Versuch es ruhig!(やってみなよ!)
注意や強調。訳すなら「~しなさい!」。
例
Mach das Fenster bloß zu!(窓を閉めて!)
練習問題を用意しましたので、復習としてぜひ解いてみてください!
[ ]内の動詞を使って、それぞれの問題で指定されている主語に対する命令文を作ってください。
答えを見る
ドイツ語オンラインレッスンの受講生募集中 🇩🇪 ♪
ドイツ語文法は複雑に感じますが、練習あるのみ!
たくさん声に出して、たくさん間違えて、できるようになっていきます♩
アウトプットの場を「レッスン」という形で取ってみませんか? 優しい講師が学習をサポートします。
この記事を書いた人:Shoki
Vollmond 講師の一人。 2018-19の1年間ドイツのヴッパータール大学に留学 今後は、東南アジアでインターン、ドイツで心理学研究を予定
編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)