ドイツ語作文、語順に迷ったらコレ!te・ka・mo・lo(テカモロ)の原則を覚えよう

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ドイツ語で文を作るとき、「いつ」「どこで」「何を」をどういう順番にしたらいいか、いつも迷ってしまうんだ。
ドイツ語の語順って難しいよね。でも、そんな時に使える、とっておきのルールがあるんだよ!

この記事では、ドイツ語の語順を考えるときに役立つルールを紹介します。

te・ka・mo・loの原則とは?

te・ka・mo・loの原則とは、ドイツ語の文において語句は「いつ」→「なぜ」→「どのように」→「どこ」の順に置かれる、という基本ルールです。

temporal(時間)、kausal(理由)、modal(様態)、lokal(場所)の頭文字を取って「te・ka・mo・lo(テカモロ)の原則」といいます。

例えば、次の文を見てみましょう。

(クマちゃんは今日、怪我をしているので、ゆっくりと森へ歩いていく。)

この文には次の語句があり、

① heute「今日」・・・「いつ」(temporal)
② wegen seiner Verletzung「怪我をしているので」・・・「なぜ」(kausal)
③ langsam「ゆっくりと」・・・「どのように」(modal)
④ in den Wald「森へ」・・・「どこへ」(lokal)

これらはte・ka・mo・loの原則に従って、①~④の順になります。

覚えよう!「te・ka・mo・loの原則」…語句は次の順に並べる。

① 「いつ?」(Wann?)・・・temporal (時間)
② 「なぜ?」(Warum?)・・・kausal (理由)
③ 「どのように?」(Wie?)・・・modal(様態)
④ 「どこで?/どこから?/どこへ?」(Wo?/Woher?/Wohin?)・・・lokal(場所)

このルールは絶対的なものではなく、文脈やどこを強調するかによって、必ずしもte・ka・mo・loの順番にならないこともあります。
例えば上の文で、理由である怪我を強調したい場合に

Wegen seiner Verletzung läuft das Bärchen heute langsam in den Wald.

のように、本来「いつ」の後に置かれる 「なぜ」を文頭に持って来ることもあります。その場合は動詞、主語、と続いて、残りの語句をte・ka・mo・loに従って配置します。

目的語の位置:「誰に」「何を」はどこに入るか

te・ka・mo・loの基本ルールを覚えたら、もう少し複雑な文の語順についても見てみましょう。

「誰に」「何を」といった目的語が入る場合はどうなるでしょう。

この場合、「誰に」は「いつ」(temporal)の前に、そして「何を」は「なぜ」(kausal)と「どのように」(modal)の後、「どこ」(lokal)の前に置かれます。

次の文を見てみましょう。

(私は毎日彼に、愛情ゆえにおのずとたくさんの手紙を日本へ送る。)

この文でihm「彼に」viele Briefe「たくさんの手紙を」は、以下の位置になります。

ihm「彼に」・・・「誰に」(Dativ:3格をとる目的語)
② täglich「毎日」・・・「いつ」(temporal)
③ aus Liebe「愛情ゆえに」・・・「なぜ」(kausal)
④ spontan「おのずと」 ・・・「どのように」(modal)
viele Briefe「たくさんの手紙を」・・・「何を」(Akkusativ:4格をとる目的語)
⑥ nach Japan「日本へ」・・・「どこへ」(lokal)

否定文の場合はどうなる?nichtの正しい位置

では、今度はさらに、nichtが入る否定文の場合を確認してみましょう。

nichtは、文全体を否定する場合、「いつ」(temporal)と「なぜ」(kausal)の後、「どのように」(modal)と「どこ」(lokal)の前に置きます。

次の文を見てみましょう。

(彼は今、ビザの関係で、ドイツで長く働くことはできない。)

① im Moment「今」・・・「いつ」(temporal)
② wegen seines Visums「ビザの関係で」・・・「なぜ」(kausal)
nicht(文全体を否定する)
④ lang「長く」・・・「どのように」(modal)
⑤ in Deutshland「ドイツで」・・・「どこで」(lokal)

このように、nichtはte・ka(時間・理由)とmo・lo(様態・場所)の間に入ります。

nichtの詳しい使い方についてはこちらを参照:
難しくない!keinとnichtの使い分けを解説

まとめ

今回は、覚えておくと便利な語順のルールについて解説しました。

覚えよう!te・ka・mo・loの原則に、目的語や否定が入る場合は、以下の語順になる。

① 「誰に?」・・・Dativ(3格目的語)
② 「いつ?」(Wann?)・・・temporal (時間)
③ 「なぜ?」(Warum?)・・・kausal (理由)
④ nicht(否定文の場合)
⑤ 「どのように?」(Wie?)・・・modal(様態)
⑥ 「何を?」・・・Akkusativ(4格目的語)
⑦ 「どこで?/どこから?/どこへ?」(Wo?/Woher?/Wohin?)・・・lokal(場所)

全部合わせると「Da・te・ka・ni・mo・Ak・lo(ダテカニモアクロ)の原則」になるね!

おわりに

ドイツ語の文を作るとき、「いつ」「どこで」「どのように」といった語句(英語でいう5W1H)を並べる順番に迷ったことはありませんか?私はあります。ドイツ語の語順は英語などと似ているようで違うため、自分なりに重要度などを考えて配置するのですが、いつも間違っている…そんな日々を送っていました。

ところが、この「te・ka・mo・loの原則」を習ってから、それまで多かった作文ミスが激減したのです。そして、これをもっと早く知りたかった!と思いました。

そこで、このルールを知らない方に内容を知ってもらえば役に立つのではと思い、この記事を書かせていただきました。ドイツ語学習のカリキュラムでは、通常B2で習う項目ですが、B1までの学習者にも有用な情報だと思いますので、ぜひ参考になさってください。

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この記事を書いた人:Masako

ドイツ在住で、ドイツ語勉強中です。

編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)

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