Hallo! ドイツ語講師のkomachiです。
今回は、スイスのドイツ語圏で日常的に使われているスイスドイツ語(Schweizerdeutsch)について、初めての方にも分かりやすくご紹介します。
日本で学ぶ標準ドイツ語(Hochdeutsch)とは違う点も多く、私も初めてスイスへ行ったときは想像以上の違いに驚きました…!
この記事では、スイスの言語事情からスイスドイツ語の特徴、よく使う表現、学び方までを丁寧に解説します。旅行や滞在を予定している方、スイスの文化や言語に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
スイスの公用語は4つあり、それぞれドイツ語、フランス語、イタリア語、そしてロマンシュ語です。
| 言語 | 割合 | 地域 |
|---|---|---|
| ドイツ語 | 約63% | 北部、中央部、東部(ベルン・チューリッヒなど) |
| フランス語 | 約23% | 西部(ジュネーブなど) |
| イタリア語 | 約8% | 南部 |
| ロマンシュ語 | 約0.5% | 南東部(グラウビュンデン州) |
公用語の中で最も話者数が多いのがドイツ語で、その割合は約63%に達します。
つまり、スイスの人口の約3分の2がドイツ語を話していることになります。
ここで気になるのが「スイスで話されているドイツ語って、私たちが習っているドイツ語と同じなの?」という点。
答えは、書き言葉は同じ、話し言葉は違うです!
スイスでは、公的な文書や学校の授業などでは「標準ドイツ語(Hochdeutsch)」が使われますが、日常会話や家族・友人とのやりとりでは「スイスドイツ語(Schweizerdeutsch)」が使われます。
つまり、口頭でのコミュニケーションではスイスドイツ語の出番が多いです。
スイスで生まれ育った子どもたちも、まず家庭や地域でスイスドイツ語を話し、小学校に入って初めて標準ドイツ語を学びます。
スイス人にとって標準ドイツ語は「学校で習う言語」であり、ある意味では外国語のような位置づけとも言えます。
小学校ではその後英語を学び、進級すると次はフランス語(地域によってはイタリア語)を学ぶという風に、子どもたちは早い段階から複数の言語に触れる機会があります。
複数言語が共存するスイスならではですね◎

スイスドイツ語は、スイスのドイツ語圏で日常的に使われる話し言葉の総称です。
標準ドイツ語をベースとしつつも、発音・語彙・文法などが大きく異なり、別の言語に近いと感じるほどです。ドイツ人が聞いても理解が難しいと言われていて、実際に私の周りのドイツ人の友だちも「全然わからない」と言っていました。
日本語で例えるなら、標準語と津軽弁ぐらい違うという感覚なのかな?と思います。
また「スイスドイツ語」といっても、実はひとつの言葉ではなく、 地域ごとにさらに方言があります。
例えば、チューリッヒで話されるチューリッヒ方言や、ベルンで話されるベルン方言などがあります。
その中でも話者が多いのがチューリッヒ方言で、ネットやYouTubeなどで紹介されるスイスドイツ語の多くはこのチューリッヒ方言をベースにしています。
ポイントを整理

スイスの北部・中央部・東部には、古くからゲルマン民族が定住していた歴史があり、この地域では自然とドイツ語が言語の基盤として根付いてきました。
その後、スイス連邦が形成されていく過程でも、ドイツ語を話す州(Kanton/カントン)が中心に連邦に加わっていきました。この流れは現在にもつながっており、ドイツ語はスイス国内で最も多くの人に話されている主要言語となっています。
そして、そのドイツ語はスイス独自の進化を遂げた「スイスドイツ語」として日常生活に根付いています。
また、スイスでは標準ドイツ語に統一されることなく、 地域ごとの方言が今でも大切に使われています。
その背景には、「自分たちの言葉を大切にしたい」「方言がなくなってしまうのはさびしい」といった、言葉を通した地域のアイデンティティへの誇りや愛着があるのかもしれません。

スイスドイツ語は、発音・語彙・文法・表記の面で標準ドイツ語と大きく異なります。
ここでは、それぞれの特徴を具体例とともにご紹介します。
私が思うスイスドイツ語の最大の特徴は発音です。
最初に聞いたとき、「これって本当に同じドイツ語なの!?」と驚くほどの違いがありました。
標準ドイツ語の「R」は、喉の奥でガラガラとうがいをするような発音が一般的ですが、スイスドイツ語では巻き舌で発音されることが多く、印象がかなり変わります。
標準ドイツ語では語頭のみ「シュ(sch)」と発音されることが多いのに対し、スイスドイツ語では語中でも「シュ(sch)」となることが多いです。
Durst(喉の渇き)→ Durst(ドゥルシュトゥ)
gestern(昨日)→ geschter(ゲシュター)、gescht(ゲシュトゥ)
この変化のため、音の印象が柔らかく聞こえる一方で、聞き慣れないと戸惑います。
「シュ(sch)」が多く聞こえるのは、南ドイツやオーストリアのドイツ語でも同じ印象があります。
スイスドイツ語では、音の省略や短縮がとても多く、文全体があっという間に終わるように感じます。
語末や中間の音が落ちることで、テンポが速く、リズムも標準ドイツ語と異なるため、リスニングはかなり難しいと感じます。
| 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 | 意味 |
|---|---|---|
| Reis | Riis(リース) | 米 |
| Schweiz | Schwiiz(シュヴィーツ) | スイス |
| Haus | Huus(フース) | 家 |
| Deutsch | Dütsch(ドゥッチュ) | ドイツ語 |
このように、ei は「ii(y)」に、au や eu は「uu(ü)」に置き換わる傾向があります。
耳が慣れるまでは、別の単語に聞こえてしまうかもしれません。

使われている単語にもたくさんの違いがあります。
標準ドイツ語で話していてもスイス独自の語彙が自然に混ざっていることがあり、スイスの人自身も「これって標準ドイツ語じゃなかったの?」と気づいていないこともあるほどです。
スイスに住む予定の人は、スイスでよく使われる単語を知っておくときっと楽だと思います。
標準ドイツ語では、小さい物や可愛らしさを込めたりする際に「-chen」という語尾を使います(例:Brot → Brötchen)。
一方、スイスドイツ語ではその代わりに「-li」が使われます。
| 単語の意味 | 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 |
|---|---|---|
| パン | Brot → Brötchen | Brötli |
| 家 | Haus → Häuschen | Hüsli |
| 犬 | Hund → Hündchen | Hundli |
この「-li」はスイスドイツ語らしい特徴のひとつで、パン屋さんのメニューやスーパーの商品名にもよく見られます。

標準ドイツ語にもフランス語由来の語は数多くありますが、スイスドイツ語はそれ以上にフランス語の影響を強く受けているのが特徴です。
| 意味 | 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 |
|---|---|---|
| 自転車 | Fahrrad | Velo(ヴェロ) |
| チケット | Ticket | Billett(ビレットゥ) |
| アイス | Eis | Glace(グラッセ) |
| 美容師 | Friseur | Coiffeur(コアフュール) |
| ジャム | Marmelade | Konfitüre / Konfi(コンフィ) |
フランス語を知っている人にとっては、スイスドイツ語は意外と親しみやすいかもしれませんね。私はフランス語勉強中なので、スイスの街中を歩いていて「あ、これ分かる!」という場面が多く楽しかったです^^
▼スイス鉄道のアプリ(SBB)でチケットを買うときの画面も必ず「Ticket」ではなく「Billett」でした。

ひとつ注意しておきたいのは、発音は必ずしもフランス語と同じではないという点です。
たとえば「Billett」は、フランス語では「ビエ」のように発音されますが、スイスドイツ語では「ビレットゥ」のようにドイツ語読みの発音になります。
そのため、綴りはフランス語の単語も、発音は都度別で覚えていくようにしましょう!
フランス語由来のものだけではなく、標準ドイツ語とは別のルートで発展してきた、スイスドイツ語独自の単語もたくさんあります。
| 意味 | 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 |
|---|---|---|
| 病院 | Krankenhaus | Spital(シュピタール) |
| クロワッサン | Croissant | Gipfeli(ギプフェリ) |
| チョコ | Schokolade | Schoggi(ショッギ) |
| おいしい | lecker | fein(ファイン) |
| 駐車する | parken | parkieren(パルキーレン) |
| 働く | arbeiten | schaffe(シャッフェ) |
| 見る | schauen | luega(ルエガ) |
| 聞く | hören | lose(ローゼ) |
このような違いは、学習者にとってはややこしいところですが、音の響きが可愛らしく、学んでいて楽しくなる単語が多いのも魅力です◎
▼パン屋さんのモーニングメニューです。「Gipfeli(クロワッサン)」「Brötli(小さなパン)」「Konfitüre(ジャム)」と、スイスドイツ語がたくさん載っていて思わず写真に撮ってしまいました。

好きなドリンク1つ、クロワッサン1つ、小さなパン1つ、オレンジジュース1本、バター、手作りジャムのセットで13.5フラン(約2500円)。スイスは物価がやはりとても高いです…!
ドイツ語といえば「文法が複雑そう」というイメージを持つ方に朗報です!
スイスドイツ語はあくまで話し言葉なので、標準ドイツ語と比べると文法が簡略化されている部分が多くあり、自然に話しやすい構造になっているのが特徴です。
標準ドイツ語では、過去を表す際に過去形と現在完了形を使い分けます(過去時制の使い分け方の解説はこちら)。
しかし、スイスドイツ語ではその区別はなく、すべての過去の出来事を現在完了形で表現します。
実際に例を見てみましょう。
「私はたくさん食べた」
標準ドイツ語:Ich habe viel gegessen.
スイスドイツ語:Ich ha viel gässe.
「habe」は「ha」、「gegessen」は「gässe」と、標準ドイツ語と比べて音も大きく変化しますが、どちらも現在完了形なのでまだ予測がしやすいです。
大きな違いを感じるのは、次のように標準ドイツ語では通常過去形を使う場合です。
「私はラッキーだった」
標準ドイツ語:Ich habe Glück gehabt.(※通常は「Ich hatte Glück.」と過去形を使う。)
スイスドイツ語:Ich ha Glück gha.(イッヒ ハ グリュック クハ)
「私は疲れていた」
標準ドイツ語:Ich bin müde gewesen.(※通常は「Ich war müde.」と過去形を使う。)
スイスドイツ語:Ich bi müed gsi.(イッヒ ビ ミュエット クスィ)
標準ドイツ語では滅多に使わない「gehabt」や「gewesen」がスイスドイツ語では日常的に使われます。
発音も違うので、ぜひこれだけは覚えておきましょう!
| 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 |
|---|---|
| gehabt | gha(クハ) |
| gewesen | gsi(クスィ) |
標準ドイツ語では、性別や格によって関係代名詞(der, die, dem, denなど)が変わりますよね(関係代名詞の仕組み解説はこちら)。
ところがスイスドイツ語では、これらをすべて「wo」で統一して使うという、なんともシンプルな仕組みになっています!
「日本語を勉強してる友だちがいる」
標準ドイツ語:Ich habe eine Freundin, die Japanisch lernt.
スイスドイツ語:Ich ha e Fründin, wo Japanisch lernt.
複雑な文法を一気にスッキリさせてくれるこの「wo」は、学習者にとっては嬉しいポイントですね!
標準ドイツ語でも、場所について詳しく説明する際などは関係副詞「wo」が使えますが、使い方は限定的で、先ほどの例のように人が先行詞のときは使えません。
例) Das ist die Stadt, wo ich damals gewohnt habe.
これは当時私が住んでいた街だよ。
ここまで「スイスドイツ語は書き言葉ではない」とお伝えしてきましたが、実はすごく大事な表記の違いが一つあります。
それは、スイスでは「ß (エスツェット)」を使わず、すべて「ss」と書くということ。
▼例をご覧ください。
| 意味 | 標準ドイツ語 | スイスでの表記 |
|---|---|---|
| 大きい | groß | gross |
| 通り | Straße | Strasse |
語学学校などでは標準ドイツ語 ß で習う綴りも、実際の街中では ss が主流です。
▼こちらは街中の手芸ショップ前の看板「Grosse Stoffauswahl Lass dich inspirieren!(豊富な布地の品ぞろえ インスピレーションを受けてみて!)」 と、やはり ss が使われています。

実際、私も普段仕事をしていて、メールの文章でßではなく ss が使われていると、「もしかしてスイスの人かな?」と感じます。
ちなみに、表記に関するちょっとした豆知識をもう一つ。
ドイツでは中央駅(Hauptbahnhof)の略記は Hbf ですが、スイスでは HB と書かれます。
地味な違いではありますが、現地で電光掲示板などを見るときに少し戸惑うかもしれません。

表記の違いはそこまで多くありませんので、学習者としては、標準ドイツ語の正しい綴りを覚えつつ、スイスでの表記にも少しずつ慣れていくのがおすすめです◎
スイスでは、スイスドイツ語が分からなくても標準ドイツ語だけで問題なくコミュニケーション可能なのでしょうか?
状況別に回答していきます。
旅行者であれば、標準ドイツ語ができれば問題なくコミュニケーション可能です。
観光地やホテル・主要なレストランなどでは英語も通じることが多いので、ドイツ語自体ができなくても大きな心配はいりません。
外国人と分かると、店員さんや公共サービスの職員さんは標準ドイツ語に切り替えてくれることが多いです。ただし、ローカルな場所ではスイスドイツ語が分かると会話がスムーズです。
スイス旅行中に立ち寄ったチーズ屋さんの店員さんはスイスドイツ語のアクセントが強く、丁寧にチーズの説明をしてくれたのですが、半分くらいしか理解できませんでした。
でも、こちらが言っているドイツ語は理解してもらえるので、買い物自体はスムーズにできました◎
他の店やレストランではどの方も軽いアクセントはありつつも、標準ドイツ語で問題なくコミュニケーションできました。
生活する上でも、標準ドイツ語がしっかりできていれば、基本的には特に困ることはありません。
ただし、スイス人同士の会話はスイスドイツ語です。
彼らの会話を深く理解したい、スイス人同士の会話に加わりたい場合は、スイスドイツ語を少しずつ習得していくのがおすすめです。

スイスに行く予定があるなら、最低限のスイスドイツ語表現を知っておくと安心です。
ここでは、日常のあいさつや会話で使える代表的な基本フレーズを紹介します。
スイスドイツ語で最もよく使われるフォーマルな「こんにちは」は Grüezi です。これは標準ドイツ語の「Guten Tag」に相当し、朝から夕方頃まで幅広く使えるあいさつ表現です。
現地の言葉で挨拶することで相手に好印象を与えることができるので、ぜひ積極的に使ってみてくださいね。

Grüeziは 一人に対してのフォーマルなあいさつですが、複数人にまとめてあいさつしたいときには、「Grüezi mitenand」という表現を使います。
これは、標準ドイツ語で言えば「Hallo zusammen(皆さん、こんにちは)」にあたる表現です。mitenand は標準ドイツ語の miteinander(いっしょに)が語源です。
電車内での車掌や検札担当者が声をかける場面や、会議や集まりの冒頭など、グループへのあいさつで聞くフレーズです。
スイスの首都ベルンやその周辺地域では Grüezi ではなく、「Grüessech」が一般的です。
私自身、最初はスイス全土で Grüezi を使うものだと思っていたのですが、ベルンを旅行していたときに聞こえたあいさつが「グリューツィ」ではなく、サ行のようなやわらかい音に聞こえて、「あれ?」と疑問に思いましたが、私の耳が慣れていないだけかなと思っていました。
すると後日、ベルンでは Grüessech という言い方が使われていることを知って、ようやく納得しました。
このように、スイスドイツ語は地域によって発音や表現が異なるので、現地で耳を澄ませてみるのも楽しいポイントです。

カジュアルに言いたいときは、スイスドイツ語ならではの「Hoi(ホイ)」や「Sali(サリ)」というフレンドリーな表現があります。
また、標準ドイツ語と同じ「Hallo」もよく使われます。
スイスでは、「ありがとう」にフランス語の Merci を使うのが一般的です。
標準ドイツ語では Danke が定番ですが、スイスではドイツ語圏でも Merci! がよく使われています。
最近の傾向として、若者や標準ドイツ語に慣れている人の間では、Danke もよく使われるようになっています。
とはいえ、Merci は今でもレストランやお店、観光地など、あらゆる場面で通じます。旅行中や日常の買い物で感謝を伝えたいときは、ぜひ「Merci!」と言ってみてくださいね。
もっと丁寧にお礼を言いたいときは、「Merci vielmol」が便利です。
これは、標準ドイツ語で言う「Vielen Dank!(どうもありがとうございます)」にあたり、より丁寧な「ありがとう」として使えます。
「Ade」は、スイスドイツ語でよく使われるフォーマルな「さようなら」の表現です。
標準ドイツ語の「Auf Wiedersehen(またお会いしましょう)」にあたります。
短くて発音しやすいため、旅行中でもすぐに使えそうですね◎
他には、「Uf Widerluege(ウフ ヴィダルエゲ)」というフォーマルな別れの表現もあります。
カジュアルに別れを告げるなら、「Tschüs!(またね!)」がぴったりです。
これは標準ドイツ語と同じで、スイスでも広く使われています。
また、最近ではイタリア語の挨拶である「Ciao!(チャオ)」も日常的に使われており、特に若者の間ではよく聞かれる表現です。ドイツでもよく聞くフレーズです。
最後に、スイスドイツ語でよく使われる基本のひとこと表現をまとめてご紹介します。
観光や日常のやり取りで役立つものばかりなので、ぜひ声に出して練習してみてくださいね。
| 意味 | 標準ドイツ語 | スイスドイツ語 |
|---|---|---|
| いいえ | Nein. | Nei.(ナイ) |
| 乾杯 | Prost! | Proscht!(プロッシュトゥ) |
| 召し上がれ | Guten Appetit! | En Guete!(エン グエッテ) |
| 元気? | Wie geht’s? | Wie gahts?(ヴィエ ガーツ) |
| どっちでもいい | Ist mir egal. | Isch mir glich.(イッシュ ミア グリッヒ) |

スイスドイツ語を習得したいなら、まず大切なのは標準ドイツ語の基礎をしっかり身につけることです。
実際に現地の語学学校などで最初に習うのもすべて標準ドイツ語で、教材や授業も基本的にそれに沿っています。
スイスドイツ語は、標準ドイツ語がベースにある「話し言葉」です。
そのため、A1〜A2レベルの基礎を固めたうえで、B1レベル以上に達してからスイスドイツ語の勉強を同時並行で始めるのが理想的です。
この段階になれば、スイスドイツ語特有の言い回しや音の変化も、標準ドイツ語との違いを意識しながら理解・吸収しやすくなります。
スイスドイツ語の土台となる標準ドイツ語の基礎づくりには、Vollmondのオンラインレッスンの活用がおすすめです。
オンラインなので、自宅から気軽に受講でき、空いた時間を活かしてコツコツ学習できます。
Vollmondでは初級レベルのレッスンは主に日本人講師が担当しており、日本語でしっかり理解しながら進められるため、文法や語順などの基礎を着実に身につけやすい環境です。
また、スイス在住・在住経験のある講師も在籍しており、タイミングが合えば、スイス文化や現地の話を交えながら学べる機会もあります!

そうして標準ドイツ語の基礎が身についてきたら、スイスドイツ語の特徴的な語彙や表現、発音の違いを学ぶレッスンを並行して受講するのが効果的です。
スイスドイツ語に特化したレッスンを提供できる講師が在籍しているかどうかの確認ができますので、興味のある方はまずVollmond事務局へお問い合わせください。
私もスイス旅行前に、スイス在住のMihoko先生にスイスドイツ語レッスンをしてもらいました。知識をつけてから行ったことで、「本当にMerciと言ってる!」「おいしいときはfeinを使ってみよう」など、知識なしでは意識しなかったであろうことを意識できて、とてもいい思い出になりました◎
スイスの語学学校では、基本的に標準ドイツ語だけを教えていることが多いのですが、なかにはスイスドイツ語クラスを開講している学校もあります。
こうした講座は常に開講されているとは限りませんが、見つけたタイミングで通ってみると、実際の会話で使われるスイスドイツ語に触れる良い機会になります。
探し方としては、インターネットで
「Schweizerdeutsch Kurs + お住まいの街の名前」
で検索してみるのが効果的です(例「Schweizerdeutsch Kurs Zürich」)。
クラスによって「発音メイン」や「会話メイン」などがあるので、説明文をよく読んで、自分の目的に合った講座を選んでみてくださいね。
私自身は通った経験はありませんが、試しにいくつか見てみたところ、参加条件として「標準ドイツ語のレベルがB1(B2)以上」などレベル制限が設けられているクラスが多い印象でした。
やはり、標準ドイツ語の基礎あってのスイスドイツ語習得が効果的なのだと思います。
スイスドイツ語の単語を覚えるなら、「Schweizerdeutsch Wörterbuch」というサイトの活用がおすすめです。
このサイトでは、スイスドイツ語の単語がアルファベット順で一覧になっていて、標準ドイツ語との対応もわかりやすく表示されています。
特に便利なのが、単語の左にある三角マークを押すと、発音をそのまま聞けること。スペルを見ても発音が想像できない初歩段階では、とても助かります。
もちろん、サイトの利用は無料!
「聞く・比べる・覚える」を繰り返すことで、少しずつ語彙を増やしていくことができます。

普段勉強している中で「標準ドイツ語では知ってるけど、スイスドイツ語だとどうなるんだろう?」と疑問に思うことも多いはず。
そんなときに便利なのが、翻訳・辞書系のウェブサイトやアプリです。
なかでもおすすめなのが、「Supertext」という翻訳サイト。
スイスドイツ語と標準ドイツ語の変換がすぐにできるうえに、チューリッヒ方言だけでなく、ベルン方言も選べるのが魅力です。
短いフレーズや単語を入力するだけで、地域ごとの違いも確認できるので、スイスで暮らしている人はもちろん、旅行や学習中の方にも役立ちます。
気になった表現があれば、ぜひこうしたツールを使って調べてみてくださいね。

また、最近では、スイスドイツ語の表現を「ChatGPT」にその場で聞いてみるという使い方もおすすめです。
私自身、スイス旅行中にとあるレストランに入った際、メニューがスイスドイツ語で書かれていて何の料理か全然わからず困ったことがありました。でも、メニューを写真に撮ってChatGPTに送ってみたところ、料理の内容までわかりやすく説明してくれて、安心して注文することができました^^
▼実際に送ったメニュー写真の一部がこちら。

知らない表現や方言をすぐに確認できるのは、旅先ではとても心強いです。
標準ドイツ語とスイスドイツ語の違いを学ぶなら、InstagramやYouTubeなどのSNSを活用するのもおすすめです。
短くてわかりやすい動画がたくさん無料で見られるので、気軽に楽しみながら知識を深めることができます。
標準ドイツ語のリスニング力アップにもつながるので、一石二鳥!
ここでは、これまで私が見て「おもしろい」「役立った」と感じたアカウントや動画をご紹介します。興味のあるものがあれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
また、スイスの本屋さんに行けば、スイスドイツ語に特化した参考書もあります。
一般的な標準ドイツ語の教材に比べると少ないですが、特定の地域の方言集などが見つかることがあるのでスイスにお住まいの方はぜひ立ち寄ってみてくださいね!発音や方言の違いなど、体系的に学ぶのにおすすめです。

スイスドイツ語に限らず、方言や訛りのあるドイツ語を習得するうえで多くの人がおすすめするのが、実際の会話や音声を通じて「耳から覚える」方法です。本を読むよりも、聞いて慣れることで、少しずつ音やリズムが体に染み込んでいきます。
日常の中で無理なく取り入れやすいのが、ポッドキャストの活用です。通勤・通学中や家事の合間など、ながら時間にスイスドイツ語の音に触れることで、自然とリスニング力がついていきます。
▼こちらはスイスドイツ語学習者向けのポッドキャストです。
私もスイス旅行の前に聞いていましたが、正直なところ、リスニングだけで理解するのは本当に難しいです。標準ドイツ語はC2レベルを持っていても、スイスドイツ語になるとなかなか内容が追えません。
そのため、こうしたポッドキャストはある程度スイスドイツ語に慣れている中級以上の方向けです。
初心者の方は、まずは前に紹介したInstagramやYouTubeのショート動画など、もっと短くてゆっくりめのコンテンツから始めるのがおすすめです!
耳を慣らしながら、少しずつ表現の幅を広げていきましょう。
以下のステップを参考に、自分のペースで少しずつ取り入れてみてください。

スイスの日常会話で使われるスイスドイツ語は、標準ドイツ語とは異なる独自の言語世界を持っています。
現地の人との交流をより楽しむために、まずはこの記事で紹介した「Grüezi」などの基本表現を覚えてみましょう。少しでも理解しようとする姿勢は、スイスでの体験を充実させてくれるはずです♩
そして、その土台となる標準ドイツ語は、Vollmondの得意分野。
楽しみながら、一歩ずつ丁寧に学んでいくことができます。
無理のないペースで続けていきながら、スイスドイツ語の世界にもつなげていきましょう!