ドイツ語講師が完全初級からチャレンジするフランス語習得の記録③A2→B1
第二弾(A1〜A2)に続く、第三弾ではA2〜B1の学習記録をお伝えします。
▼第一弾、第二弾をまだ見ていない方はまずはそちらからぜひ!
5月のフランス旅行を経てそのままドイツに入り、そこから2ヶ月住む北ドイツの街ブレーメンに着いたのが5月下旬のことでした。
6月に入ってドイツでの生活も少し落ち着いてきたので本格的にB1の勉強を始めました!
目次
勉強環境を整え直す
A2まで利用していたグループレッスンをこの機会に辞めることにしました。
自分で先生を選べず、数回に一回合わないな〜と思う先生にあたることが私にとってはストレスでした。
辞めることって勇気がいりますよね。
私も正直「まだ学校(先生)探しか〜面倒だな〜このまま我慢して続けてもいいかな〜」という気持ちも強かったのですが、自分の気持ちを優先して辞めてよかったと今心から思います。
というわけで、週1で続けていた日本人のMaho先生とのプライベートレッスンはそのまま続け、週3で入っていたネイティブの先生のグループレッスンの代わりとなりそうなレッスン探しを始めました!
6月:プライベートレッスン
急にいい感じのグループレッスンを探すのも難しいので、探し始めた1ヶ月目はとりあえずネイティブの先生のプライベートレッスンを入れて間を繋ぎました。
私のように一回休むともう一度アクセルを入れて走り出すのに時間がかかるタイプの方は、なるべく間を空けないというのが大事なんじゃないかなと思います。プライベートレッスンはすぐにレッスンを開始できるので、こういうケースでも使いやすいなと改めて感じました!
6月中に1回50分のレッスンを4回受けました。
B1レベルの読解・文法・会話をしてもらいました。
日本語ができないネイティブの先生だったのでオールフランス語で、はじめは緊張していましたがすごく優しくて有意義な時間でした(^^)
一対一のレッスンはやっぱりすごく濃くて、話す時間もたくさんあるし、マンツーマンもいいな〜と思いました。
とはいえ私はグループレッスンで他の人の意見を聞いたりするのが好きなので、同時並行でオンライングループレッスンを探し続けました。
8月に日本に帰国してからも受講を継続できそうなものを探していたのですが、時差があるので中々大変でした^^;
7月〜 L’Académie Français avec Pierre
そんな中見つけたのがフランス語学習者向けの有名YouTube Français avec Pierre が運営しているL’Académie(アカデミー)でした!
- B1以上の学習者向け
- 完全オンライン
- 週1で少人数会話レッスン
- 週1で文法講義レッスン
- その他読書レッスンやフリートーク部屋等もあり
- レッスンは平日9:00〜23:00(パリ時間)
- リーズナブル(59ユーロ/月)
と、まさに探していたような条件にピッタリだったのですぐ入会しました。
日本語は一切通じない空間で(英語も基本全く使わずフランス語のみです)、B1以上の学習者対象のためできる生徒が多いです。多分1番多いのはB2レベルだと思います。
なのではじめは緊張しましたが、先生はプロフェッショナルかつ優しくて内容もよく、最終的にはDELF B2が終わる頃(11月頭)まで続けました。
私は会話レッスンはJudith先生、文法レッスンはEmilie先生のをよく受けていました◎
特にJudith先生は本当に優しくて、学習者が言おうとしていることを親身になって聞いてくれて、反応もしてくれて、そして間違いはしっかり正してくれるすごくいい先生でした。
L’Académieのデメリットを何か挙げるとするのであれば、時差の関係で日本時間だと夕方&夜がレッスン開催時刻なので、日中にレッスンを受けたい人にとっては微妙だと思います。
B1習得までのレッスン環境
こんな感じで落ち着きました。
- 週1・60分の日本人の先生のプライベートレッスン(B1の教科書を進める)
- 週1・60分のネイティブの先生のグループレッスン(テーマに沿って1人1人スピーチ)
- 週1・60分のネイティブの先生の文法レッスン(問題演習、ディクテーション)
プライベートレッスンは予習と宿題で1回のレッスンに対して2〜4時間くらい自習します。
グループ会話レッスンは30〜1時間くらい予習し、文法レッスンは予習・宿題等はないです。
本当は全て復習の時間をしっかり取れると理想なのですが、そこまで手が及んでいないのが現状です。
A2→B1の壁を越えるためにした自主学習
レッスンを主軸にしつつも、それだけやっていても思うようには伸びないので自主学習にも力を入れました。
文法演習
文法強化のためにGrammaire progressive du français A2/B1を購入しました。
日本で買うとすごく高いのですが、ドイツにいたので別売りの答えも合わせて5000円程度で購入できて少しラッキーでした。
本当はフランス旅行中本屋さんに寄って買おうと思っていたのに、すっかり忘れていました^^:
フランス語の文法演習書としては多分かなり有名な参考書で、文法項目ごとに説明少しと演習問題がたくさん載っています。
私が買ったのはA2/B1レベルでしたが、かなり細かいところまで問題になっていておもしろいです。
基礎文法はある程度一通り習ったことがあり、手を動かして問題数をこなし知識を身につけていきたい人におすすめです!
ちなみに私ははじめ順番に進めていたのですが、途中でモチベーション切れしそうになり(問題数が多くて中々終わらないので)やり方を変えました。
- 適当に開いたページの問題を解く
- レッスンで躓いたり、苦手な文法事項に取り組む
この要領だと負担になりすぎず済んだので、同じような方はぜひ!
とはいえ最終的には合計6時間くらいしかこの問題集に費やさなかったので、3分の1も終わっていません^^;
リスニング
TV5Monde に取り組みました。
A1もしくはA2でも音声自体は難しく感じたので(問題は簡単)、A2を中心に3日に1回のペースで取り組むようにがんばりました。
▼1回あたりの内容はこんな感じで進めました。
- A2の中からおもしろそうなビデオを選ぶ
- 演習問題を順番通り進める
- 最後終わる前に、スクリプトで全文を確認
- 分からない単語や表現は調べ、内容理解(精読)
- もう一度聞きながらスクリプトを目で追う
- 音を流してスクリプトを見ながら声に出す(難しいときは切りながら)
これで大体40分くらいかかっていましたが、力になったと感じているのでおすすめの方法です!
特に3〜6のステップは正直面倒なのですが、大事だなと思います。
ちなみにこのTV5Monde、続いたのは2ヶ月ほどで、7月中旬以降は続いていません。1番の要因は簡潔にいうと勉強感が強すぎておもしろくなかった(はまらなかった)ことかなと思っています。好きなことを勉強と結びつけるって大事だなと思います。
ライティング
プライベートレッスンで時々出る作文課題の添削と並行して、HelloTalkという言語交換アプリにフランス語日記を投稿し、添削してもらいました。
これも3日に1回のペースくらいです。
私は個人チャット機能は使わず、タイムライン投稿機能のみ使っていました。
Corrige mon français(私のフランス語を添削して)のようなハッシュタグを付けると添削をしてもらいやすいので、おすすめです◎
HelloTalkも同じく続いたのは2ヶ月ほどで、7月中旬以降は続いていません。こちらはフランス語母語話者とコメント欄でやり取りができたりしておもしろかったのですが、書きたいと思うことがなかったのが続かなかった原因かなと思います。
毎日何か劇的な出来事が起きるわけでもなく、プライベート過ぎることはこういうSNSでは書きづらいですし、日記って難しいなと思いました。レッスンの課題等の⚪︎⚪︎というテーマについて書きましょうの方が私は全然書きやすいです。
その他(読解、スピーキングなど)
上記以外の力は全てレッスンでしているので自分では特に何もしませんでした。
読解は、プライベートレッスンのB1の教科書を進めていく中で長文やリスニングのスクリプトがたくさん出てきたので、それを読みました。
自分では理解できないものは予習段階でチェックしておいて、レッスンで先生に質問して教えてもらいました◎
読解は誰か聞ける人がいるのといないのとでかなり差が出る気がします。
日本人の先生なので難しい箇所は日本語で説明してもらえるのも助かりました。
スピーキングもレッスンでたくさんしているので自分で何かすることは特にありませんでした。
強いていうなら、リスニング勉強の際にしているオーバーラッピング(音声を聴きながらスクリプトを見て声に出す)はスピーキング力向上にもすごく役立ちました(口がフランス語を話すのに慣れます)。おすすめです!
➡︎ 仏検準2級、2級、DELF B1
日本に3ヶ月ぶりに帰国したせいかフランス語へのモチベーションが低下していたため、気分転換に仏検準二級の過去問を解いてみました。
モチベーションが下がり気味だな〜という時に、こうやって過去問や模擬テストを解いて実力チェックするのはおすすめです◎
仏検準2級過去問:約9割
3級に引き続き自分で書く穴埋め問題があります。なかなか緊張します。
また、仏検準2級ではディクテーション(書き取り)が登場したのにかなり驚きました。
ディクテの採点方法は分からなかったので、減点方式(1つ間違いにつき1点減らす)で計算しています。何となくですが、実際の試験の採点は、準2級段階ではここまで厳しくない気もします(?)
2015年過去問(8月7日)
筆記 | 64/70 |
書き取り | 9/12 |
リスニング | 18/18 |
合計 | 91/100 |
2011年過去問(9月6日)
筆記 | 60/70 |
書き取り | 12/12 |
リスニング | 17/18 |
合計 | 89/100 |
両方とも、特に筆記は弱みが分かりやすく、大問1の正答率が2/4(2015年)、1/4(2011年)という結果でした。
どうやら前置詞が弱いらしいということに気付きました。
独検もそうだけど、仏検は分からないと解けない問題が多くて知識量の大切さを実感します。しっかりコツコツがんばってる人の成果が出やすい試験ですよね…!
私は「細かいところをとことんしっかり」というよりは「全体をざっくり70%以上に」に重点を置きがちなので、ちゃんと穴を埋めていかないとな〜と刺激になります。
DELF B1模擬テスト:7割以上
8月中旬に思い立ち、11月のDELFを受けようと決めました。
どのレベルを受けるか、迷ったためとりあえずB1のサンプル問題を解いてみることにしました。
試験を受けると決めたら、まずは模擬問題を今の実力で解いてみて合格までと現状の差を知るのが大切です。
サンプルテスト①(8月22日)
リスニング | 18.5/25 |
リーディング | 20/25 |
合計得点率 | 77% |
サンプルテスト②(8月26日)
①で解いたB1模擬問題は旧バージョンだったので(2020年からの新バージョンは読解時間が45分)他で探してみて France education international に掲載されている Exemple 1 を解いてみた結果がこちらです。
Exemple 1 は全問選択問題だったのもあるのか、想像以上にできて嬉しかったです。
リスニング | 23.5/25 |
リーディング | 25/25 |
合計得点率 | 97% |
サンプルテスト③(9月20日)
同じく France education international の Exemple 2 です。
こちらは記述式問題も①同様記述式問題があったためか、点数も下がりました^^;
リスニング | 17/25 |
リーディング | 22/25 |
合計得点率 | 78% |
仏検2級過去問:7割以上
準2級が思ったよりできたので、2級も解いてみました。
2015年過去問(9月9日)
筆記 | 45/68 |
書き取り | 11/14 |
リスニング | 14/18 |
合計 | 70/100 |
2011年過去問(9月18日)
筆記 | 47/68 |
書き取り | 12/14 |
リスニング | 15/18 |
合計 | 74/100 |
両方とも、筆記試験の大問4以降の長文読解はほぼ満点なのですが、大問1〜3(語彙・表現関連)がびっくり壊滅的でした…笑
語彙力にはそんなに時間をかけていないので、知らないと解けない問題に弱いです。
自分自身「今ある知識を最大限活かしてがんばる」を重視するタイプなので、そういう姿勢も多かれ少なかれ影響していそうです。
この時点での総勉強時間と費用
勉強時間
〜12月(仏検5級) | 25 |
〜2月(仏検4級&DELFA1) | 103.5 |
〜3月(仏検3級&DELFA2) | 78.5 |
〜5月(フランス旅行) | 116.5 |
6月 | 40.5 |
7月 | 36 |
8月 | 50 |
合計 | 450時間 |
8月初めに3ヶ月のヨーロッパ滞在を経て日本に帰国しました。
5月にフランスに着いた時点ではちょうど合計300時間くらいだったので、ドイツ滞在中も100時間勉強したことになります。1日1時間以上はフランス語に取り組めた計算で、嬉しかったです。
費用
〜12月(仏検5級) | 23,827 |
〜2月(仏検4級&DELFA1) | 58,818 |
〜3月(仏検3級&DELFA2) | 33,485 |
〜5月(フランス旅行) | 68,200 |
6月プライベートレッスン(7時間20分) | 21,000 |
7月プライベートレッスン(4時間) | 12,000 |
7月グループレッスン(8時間) | 9,242 |
8月プライベートレッスン(3時間) | 9,000 |
8月グループレッスン(13時間50分) | 9,231 |
Grammaire progressive du français – Niveau intermédiaire (A2/B1) | 5,460 |
合計 | 229,263円 |
この時点でできたこと
具体的にどんなことができたのか記録しておきます。
リスニング
苦手苦手と言いながらも、リスニング力が少しずつ伸びてきている実感は出てきていました。
例えばこのような学習者向けに作られているYouTube動画なら速度も変えず、そのまま理解できるようになってきました◎
また、このあたりくらいからNHKラジオ講座まいにちフランス語初級編で出てくるディアローグをほぼその場で理解できるようになりました。
A2レベルくらいまでは解説なしでディアローグを聴くだけの段階では50%くらいしか分からない、とても曖昧な理解度でした。
仏検2級/B1程度までであれば初級編が合っているんじゃないかと思います。
自分にあったレベルにコツコツ取り組むことって、大切ですね!
あとは、Podcastも理解できることが増えてきました。
私のフランス語学習の目標は、趣味のPodcastをフランス語でも聴けるようになる!なのですが、これまでは難しすぎて全然理解できなかったので少しずつ近付いて嬉しかったのを覚えています。
学習者向けの番組 Apprends le français avec Madame à Paname と Easy French の簡単そうなテーマの配信を聴いていました。Easy French は私的には速いので、0.75倍速で聴いていました。
この時点での理解度は70%くらいです。音声情報しかなく視覚情報がないのでやっぱりPodcastは難しいですよね…!
1つ気を付けていたのは、配信タイトルを見てその時点で理解できるものを聴くようにすることです。この時点では配信タイトルが分からないと、内容もあんまりついていけないことが多かったです。
文法
こちらの学習者向けの文法レベルチェックテストを何気なくやってみたら全問正解でした!
ドイツ語の文法はかなりやり込んで自信もある得意分野なのですが、それがフランス語勉強でとても役立っているなと実感しています。
スピーキング
グループレッスンの先生に「間違いほとんどないよ!すごいじゃない!」というような感じで褒めてもらえることが増えてきました(間違えているところはチャットですぐに送ってくれる先生)。
この時点で、文法はある程度分かってある程度身についてきた気がしていて(多分深掘りするとまだまだ知らないことだらけですが)、後はもっと語彙・表現を増やして話す内容に深みを持たせていきたいなと思っていました。
読解
ドイツ人の友だちがくれたドイツ人フランス語学習者向けの本が5分で読めるショートストーリーがいくつか入っているというコンセプトだったのですが、この時くらいになってようやく本当に5分以内で読めるようになってきました(笑)
レベルはA1なのに、A2あたりまでは一話読むのに普通に30分くらいかかっていたので成長を実感した出来事でした。
B1やB2になっても、A1・A2向けの簡単な文章をたくさん読むのは学習効果があるのでおすすめです◎(難しすぎるものはむしろ推奨しません)
▼第四弾(B1〜B2)に続きます。
レッスン受講生募集中!
フランス語を実際に完全初級レベルから勉強して、改めて実感しているレッスンのメリットが以下の通りです。
- レッスンが軸となり、勉強を習慣化できる
- 間違いを訂正してもらえ、正しい知識を身につけることができる
➡︎一度間違った知識が身についてしまうとそれを直すのはとても大変で、また特にどの言語も基礎は大切なため、初級者こそどんどん訂正してもらえる場を持つことは大切だと再認識しています。 - 日本人の先生の場合:
・日本語をレッスンで使えることの安心感が絶大
・「私も先生みたいになりたい」とロールモデルとして大きなモチベーションになる - ネイティブの先生の場合
・先生といえど「ネイティブスピーカーに伝わった」経験はとても嬉しく、モチベーションになる
・言っていることが分からない/伝わらなかったという悔しい経験をバネにまたがんばれる
ぜひVollmondで一緒にドイツ語を勉強しましょう!