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楽しくて分かりやすいレッスンにするには?

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ドイツ語が楽しいと思ってもらえるようなレッスンにしたいんだけど、どうすれば・・・

そんな先生たちのために、Vollmondで人気のまりあ先生が実際に行っているレッスン計画の立て方や意識していることを教えてもらったよ!

レッスン計画の立て方

初回授業:ヒヤリング

私は初回授業の30分間はレッスンをせず、いつもヒヤリングに当てて質問をしまくっています。
なぜなら、ここのヒヤリングが上手くいくかいかないかで今後のレッスン、言語習得が上手くいくかいかないかが決まってくると思っているからです。

私はドイツ語講師という仕事は【お医者さん】と近いものがあると思っています。
生徒さんは何かしら悩みを抱えています。
食べ過ぎでお腹が痛いのかもしれませんし、原因不明な肩の違和感を抱えているかもしれません。
私たちは生徒さんの話から、お悩みの原因は何で、どうやったらそれが解決できるのかを推測・確認する必要があります。
ヒヤリングが十分ではない場合、生徒さんのお悩みに対して正しい処方箋が与えられません。
例えば、生徒さんが肩が痛いと言ってたからとりあえず湿布を処方したけど、本当の原因は悪い姿勢で勉強していたからだったので、整体の先生を紹介するべきだったみたいな感じです。

ドイツ語講師が生徒さんから聞いたほうがいい情報は下記です。

<必ず聞いていること>

⓪プロフィール、趣味(何していると楽しいか)
①生徒さんの目標確認(「何を」「いつまでに」「どれぐらいのレベルで」できるようになりたいか)
②目標達成のために必要なこと(勉強量)の情報開示
③レッスン計画を立てる(レッスン量どれぐらいか、自主学習、使用する教材)

ヒヤリングは生徒さんが知りたいこと、興味のあること、学びたいことを確認し、レッスンの照準を合わせる作業です。
また、生徒さんと仲良くなる、ドイツ語を習得するパートナーとして仲間意識・親近感を持ってもらう大切な時間です。
先生が、先生のレッスンが生徒さんのお気に入りになるように、すり合わせを行う作業です。

自分がもし生徒だとして、延々と講義(しかも自分の全然知らない内容)を聞いているの、しんどくないですか?
私はめっちゃしんどいです。
また、話が面白くても、自分の学びにならなかったり、今の自分のレベルにあっていない、現状のレベルだと太刀打ちできなくて割と無理が生じている時も、もうやだなーとおもいませんか?
でも私は好きな先生の講義や自分の知りたいこととぴったりマッチしていたら、全然苦痛ではなく、割と前のめりに聞きます。

また、生徒さんの好み、性格を把握しておくのも、モチベーション維持のためにとても大事です。
例えば、私はアニメや海外ドラマを見るのが好きなのですが、好きな作品だったらそれこそ平気で1日中みてられます。しかも全然疲れません。
でもたまに自分の好きなジャンルじゃないシリーズとかを人に薦められて見る時はすぐ視聴を辞めてしまったり、集中力が散漫して内容が全然入ってこないです。

既存の生徒さんに対してもヒヤリングは有効です。話を聞いてみたら、生徒さんから事前に聞いていた情報や実際にやったほうがいいことの認識が違う、ズレがあるというのは良くあります。
今日も別の生徒さんと試験対策をしようと言っていましたが、レッスンを進めていくうちに文法面で不明点が生じていることがわかり、レッスン方針を切り替えました。

実際のヒヤリング内容と授業計画

下記に実際に私が担当したことのある生徒さんのヒヤリング内容と提案内容を共有します。

生徒さんAの場合

⓪20代女性、社会人(残業多め)、音楽が好き、多趣味、英語はあまり得意じゃない

①趣味でドイツ語を始めたい(特に試験を受けたり渡独を考えているわけではない)、全くの初心者から少し喋れるまで

②文法からスタート、リスニングは個人で進める→レッスンで質問が良い

③仕事との両立のため2週間に1回1時間レッスン、その他の日はラジオ講座で勉強
(ディズニーが好きだそうなので息抜きで映画や挿入歌をドイツ語で聞いてみたりするのを進めている)

生徒さんBの場合

⓪20代女性、社会人(残業少なめ)、別の国にワーホリ経験あり

①3ヶ月後にドイツ語圏にワーホリに行きたい、全くの初心者から仕事で接客ができるまで

②文法からスタート、リスニングはラジオ講座やドイツ語のYouTube動画を見ることで補う
(時間的制約上、仕事の専門用語は一般用語までは確認し、あくまで基本的な文法や会話力を鍛えることを目標とする)

③週3、1時間で文法→『スタートA1』進めることに。毎回のレッスンを録音し、必ず復習して次回のレッスンに臨むように自主学習。
(ドイツ語全くの初心者だったが、第二言語でフランス語を習得した経験があり、文法は割とスラスラ理解できる)

生徒さんCの場合

⓪女性、社会人(残業少なめ)、ドイツ在住、動物が好き

①現地の語学学校でB1まで習得したけど、スピーキングとリスニング、発音に苦手意識がある。
Vollmondで鍛えた後、3ヶ月後、現地の語学学校B2に再挑戦したい。

②理想は週1で1時間。
特に文法は都度都度必要な時だけにして、スピーキングと発音はレッスン中の会話レッスンで向上させる、リスニングは契約しているNetflixやYoutubeを駆使し、質問をレッスン中に持ってくる

③週2で30分、教科書は特に使わず
※何回かレッスンを進めていくうちに、現地の語学学校に行く予定がなくなったので、ゆっくり語彙力向上を進めることに。
『ドイツ語フレーズブック』を使い、ドイツ語で作文→添削をしていく

レッスンの時間構成

だいたい半分は会話練習、その後各生徒さんごとに異なります。
(たまに語彙量が足りなくて会話が成り立たない、会話にコンプレックスを持っている人もいるので、そういう人にはいきなりレッスンから始めることもあります)

レッスン中意識していること

①履歴を残す

生徒さんがあとでレッスン内容を見返すことができるように、いろんなものを使って履歴を残しています。

(例)
・チャットに不明な単語を書き込む
・録音機能・イラストを多用する
・わからない単語が出てきたときにGoogle画像検索の結果スクショを貼り付ける

参考:スカイプの使い方

②先生から選択肢を提示する

生徒さんでは答えにくい、もしくは意見や好みが分かれる質問などは、まず先生側から選択肢を複数用意して生徒さんに選んでもらうようにしています。

(例)
・今日の授業の進め方
・履修事項の優先順位
・どういう風に自主勉強を進めるか

生徒さんに簡単に「どうしますか?」と方針を聞かない、オープンクエスチョンにしないことがポイントです。
大事なのは最後の決定権を生徒さんに委ねるというところ。
ここで生徒さんの中で主体性が生まれ、やらされている感をなくすことができ、生徒さんのモチベーションが下がりにくくなります。

③発音練習はその場で完璧を求めない

私は一応、発音が良いことを売りにして講師をしていますが、発音のレッスンはわりとゆるゆるです。

まず、発音は一瞬でマスターできるようなものでもないですし、それぞれの出身によってお国のなまりはある程度、仕方のないものです。
(よく語学学校とかでも、イタリア人ドイツ語とかトルコ人ドイツ語とかあると思います)

なので、発音にコンプレックスを持っている人に対して、私はいつも下記のことをまず伝えています。

「自分の発音を完璧にするのではなく、【相手の言っている内容を認知する】ための発音練習をしましょう」
(自分がきれいに発音するためだと終わりが見えない)

「母国語が何かによって発音しにくい音っていうのはあって当たり前だし、世の中自分の発音を気にせず喋っている人がほとんどだから、自分の発音のことは深く気にしなくてオッケー」

※スラボイ・ジジェックというスロバニア人の哲学者がドイツ語を喋る動画を見せるとみんな納得してくれます。

レッスン中は、とりあえず講師の説明が70%頭で理解できればちゃんと発音できなくても合格とし、後は徐々に回数を重ねて矯正していくようにしています。
生徒さんを焦らせないことが大切です。

④目標、到着地点、認識をお互いに明確にしながら喋る

生徒さんと認識に相違がありそうな時、レッスンの雲行きが怪しい時は「これってつまり〜という認識で合っていますか?」と念のため、確認を入れます。回り道のようかもしれませんが、道を誤らないための最短を行く方法です。

⑤分かんない質問は一旦持ち帰る

回答に2秒以上かかる、スムーズに答えられない質問が来たら、回答を保留するのが大切です。
大事なのは間違った情報を生徒さんに伝えないこと、生徒さんの時間をダラダラ使わないことです。

「念のため少し確認させていただきたいので、お時間いただけますか」
「確認して後ほどチャットにてお伝えしますね」
※自信のない感じは別に伝えなくて良い

目指しているレッスンの形

私の1番大事にしていることは「お悩み解消型レッスン」です。

お悩みが具体的じゃない状態でレッスンを申し込む方も中にはいるので、私の仕事は悩みの可視化、解決策の提案、その後の見守り担当だと思っています。
お互いが今やっていることに納得した形でレッスンを進めていくことをもっとも重要視しています。

受講生のモチベ維持のために

特に私からはモチベ維持のためにしている事はないです。
生徒さんの中で目標がしっかり定まっていれば、自分から動いてくれることがほとんどだからです。
たまに目標を見失ってしまう生徒さんもいるので、その時は目標を再度調整して立て直すこともあります。

基本的に生徒さんの興味のあるもの・得意な分野を利用して教材・レッスン内容を組み立てるので、課題やレッスン内容に抵抗感はあまりない様子です。

それがモチベーションアップに繋がっているかもしれないですね。
(例)ディズニー好きの人にディズニーの歌を使って読み練習・単語テストするなど

講師として意識していること

⓪社会人のルールを守る

私の生徒さんは学生の方より社会人の方が多いです。
学生気分でこちら側のルールがゆるゆるだと少しイラっとされることも多いです。

敬語・言葉遣いしっかりするとか、メールやラインは秒で返す次回レッスンの日程を確認する、など最低限の事を気をつけています。

①どんなくだらない、些細な質問でも受け付ける雰囲気を作る

良いレッスンでは生徒さんはたくさん質問をしてくれます。
でもそういう関係性を作るためには、相手のことを否定せず、「そうなんですね」「そういうふうに考えたんですね」と何でも一旦受け止めることがまず大事です。

少しでも生徒さんの考えが合っていたら「その通りです」「おっしゃる通りです」と方向性を褒めたり、分からないところがないか、しつこいぐらい都度都度確認を入れます。
(レッスン終わりに不明点ゼロになるよう心がける)

②普段より褒める

自分の日常のコミュニケーションより5割マシぐらいで生徒さんを褒めます。
でも嘘は絶対つきません。
以前と比べてできるようになったところを認める感覚に近いです。

<褒めバリエーション>

・ミニ褒め

語順あってますね、いいですよ!その調子!
そこでこの単語、思い出せているのすごいです!
こないだ習ったこと覚えていて素晴らしいですね!
その母音の発音、ネイティブレベルですよ!

・仕事忙しい人に対して

いつもお仕事が忙しいのにレッスンでられて(宿題できて)偉いです。
(私は社会人の時、そんな言語を鍛えるなんて余裕全然なかったので…)

・できていない時

そうですね、…までは上手くできていていいですね。ここをもう少し、、、すればもっと良くなるので、今度から試してみてください。
〇〇さん、ここめっちゃ惜しいです!!!悔しい〜、次回までに…言う風に練習してきてみてください。

③何かを説明する時はまずひとことで言い切る

これも社会人的テクニックでもありますが、「一言で言うと〇〇ですね」と言い切ると、説明がスッキリして喜ばれることが多いです。
その後の興味をそそるのにも役立ちます。

(例)副文ってなんですか?→付け足し文です!(その後、具体例を説明)

④習ったことに対して生徒さんの演習の時間を作る

新しいことを習ったあとすぐ復習すると定着率が上がるらしいので、事あるごとにプチ演習の時間を取るようにしています。
理解度の確認と講師が話しっぱなしという状況を避けるためでもあります。

(例) sich auf et. freuenを習った直後にそれを使った例文を作ってもらう

⑤ レッスン中は講師も楽しむ

レッスン自体も大事ですが、自分が緊張しすぎないことも大切です。
私は準備不足だったり、生徒さんとの関係がよそよそしいと緊張してしまうので、それを全力で回避するようにしています。

時には生徒さんから雑談を振られることもありますが、切り捨てず応じることが多いです。
でもレッスンの主導権はあくまで講師が握っているべきだと思うので、今日のレッスンテーマ・話したかった話題に無理やり繋げたり、言いたいことをドイツ語変換させたりして授業を再開。
(今…と言いましたが、ドイツ語でなんというか知ってますか?など)

最後に:レッスンが「楽しい」と好評な理由

めっちゃ褒めるところですかね。
私は人のいいところ、頑張っているところを見つけるのが昔から好きで、どんな些細なことでも褒めます。
ただし嘘は絶対つきません(嘘が下手すぎてバレるので)。
人って褒められて悪い気する人、多分いないと思いますし(めっちゃ卑屈な人でも心を溶かせば大丈夫)、自分も相手を喜ばせることができるので嬉しいしで、一石二鳥です。

あと生徒さんの趣味を掘り下げるレッスンをしています。
旅好きの人には印象に残っている旅について聞いたり、お医者さんにはコロナの記事を読んでもらって単語を確認したり、猫が好きな人には猫系の単語を使って独作をお願いしています。
自分の知らない世界で生きていらっしゃる人も多いので、単純な興味も混じりつつ、積極的にドイツ語で生徒さんのことについて質問しています。

また、自分で言うのもなんなのですが、レッスンの時は自分のメンタル事情は無視して、人一倍明るく振る舞うようにしています。
普段、めちゃくちゃ落ち込みやすくて鬱々とすることも多い人生なのですが、レッスンの時はドイツ語小ネタや時事ネタを用意してよく笑います
喜んでもらえることが多いです。

以下、実際に生徒さんから頂いた感想です。

相手の興味・関心・目的などをしっかり講師が理解して、それに合ったレッスンをするのがいいんだね!

実践できそうなところから少しずつ頑張っていこう♪

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