ドイツ語のアルファベット発音のコツが知りたいなあ
基本は英語とおなじ26文字(全部合わせると30文字)で、発音するときの感覚もすこし似ているんだ。何度も声に出して勉強しよう!
Hallo! Vollmondドイツ語講師のYuです。
この記事ではドイツ語のアルファベット・単語の発音について、コツやルールを丁寧に解説していきます♩
※カタカナ表記も付けていますが、カタカナはあくまでも参考として考えてください。
音声協力: ネイティブ講師Rike先生
音声に合わせてぜひ一緒に練習してみてください。
さっそく、大切な母音(A, E, I, O, U)の発音から見ていきましょう。
日本語の「ア」より、大きめに口を開いて出すとよい。
これも、口を横に大きめに開いてあげるのがベター。
口を横にキュッと開いて発音するのがコツ。
くちびるを丸くして突き出し、喉の奥から音を出すこと。
これも丸くちびるがポイント。体の芯から「ウー」と言ってみて。
母音の発音については以下の記事で詳しくまとめられています。
母音(A, E, I, O, U)の発音が終わったら、子音の発音をみていきましょう。
Eとおなじように、口を横に大きく開いて発音。唇を弾くように。
これも同様に口を横に開いてみる。
日本語の「でー」を発音するときより、さらに意識して口を横に開く!
英語のfとおなじような感覚。日本語の「え」のように、口に力を入れない「エ」を発音したあと、上の歯と下唇の間から「フ」と空気を漏らすこと。
しっかりと喉を意識して発音してあげる。このとき、EやCと同様に口をピンと横に開くこと。
Aを発音するときのように、口をまーるく開いて「ハー」。
「ヨッ」にアクセントを置いて発音。最後にトを「トゥ」のように軽く付け足してあげる。
もう少しでアルファベット制覇も目前だ♩
AやHとおなじように、口を大きめに開いて発音すること。
「ル」の部分は舌を持ち上げ、上の前歯の裏側の付け根につけて発音。英語のLを思い出して!
「ム」の部分は、口を閉じて喉を少し鳴らす感じ。もしくは日本語の「む」から母音の「う」という音を抜いてあげるとこの音が出ます。
「ヌ」を発音するとき、Lの時と同様に舌を前歯の付け根にしっかりつけること。
Eを発音するときのように、口を横に広く開いてあげること。
Uの発音と同様にくちびるを丸めて突き出し、「クー」。
苦手意識のある人が多い R ですが、アルファベット単体で発音するときは「エア(EA)」となります(簡単ですね!)。
多くの人が難しいと思ってる R はうがいのときのように、喉の奥を震わせて「ル」と発音します。アルファベット単体で日本人にとってはもちろんのこと、海外の多くの学習者にとっても難しい発音。最初はうまくできなくても大丈夫。
母音のあとの「R」は基本的に「ア」の発音になります。
例)Autor [’aʊtɔr]アウトア、Natur [na’tuːr]ナトゥーア、Mutter[’mʊtər]ムタア
歯を閉じて、その間から「ス」と空気を漏らして発音。
これもPやEと同様に口を横に大きく開いてあげるのがポイント。
「フ」の発音の時に下唇を上の歯で軽く噛んで発音すること。
FやVの発音のように下唇を上の歯で軽く噛み、そこから息を吐きながら、下唇を震わすように。
「イ」を発音するとき、しっかりと口を横に開いてみて。
唇を丸めて「う」の形にし、「イ」と発音してみてください。きれいな「ユ」を手に入れることができます。あとは唇を弾いて「プ」と発音し、唇に力を入れずに「シィロン」と音を出します。
「ト」の発音は、Jの時と同様に軽く添えてあげるように!
ここまで、英語と共通のアルファベットを見てきました。
ここからは「ドイツ語ならでは」なものを。
顔みたいでかわいい下のアルファベットたち、「ウムラウト」というよ。
エー: よく、A(アー)の音を出す口の形で、E(エー)の音を出すものと教わりますが、気持ちアーの口の力を抜いてあげるといいです。
エー:これも、O(オー)の音を出しながらE(エー)の音を出すのが基本。Eを発音する時のように口を横にキュッと開いた状態から、「エー」と言いながら「オー」の口の形になるよう唇を丸くしていくと綺麗な音が得られます。
ユー:U(ウー)の口の開きで、「イー」と発音するとこの音が。気持ち大げさに唇を丸くして突き出してあげるのがコツ。
お疲れ様です。次が最後のアルファベットです!
S(エス)とZ(ツェット)の融合したものと覚えとけばOK。小文字だけです。”scharfes S” “Doppel-S”とも呼ばれています。
ドイツ語は英語と異なり、単語を綴り字通りに読むのが基本です。ただ、残念ながらすべての単語でこの読みかたが通用するわけではありません。
なるほど… アルファベットの読みかたについては良くわかった!
次に、ドイツ語を読むうえで大切な「二重母音」を紹介するね。
発音の際に特に注意しなければならないのは「二重母音」というもので、これはその名の通り「au」や「ei」のように母音を二つ並べたものです。
書き方にはいくつか種類がありますが、発音上は オイ [ɔy]・アイ [ai]・アオ [ao] の三つのみです。
äu:Gebäude[ɡə’bɔydə]ゲボイデ(建物)
eu:neu[nɔy]ノイ(新しい)
ai, ay:Mai[mai]マイ(5月)
ei, ey:Eis[ais]アイス(アイスクリーム)
au:Haus[Haʊs]ハウス(家)
「アオ」と発音するように学ぶことが多いですが、全ての「au」がはっきり「アオ」のように発音されるわけではないので注意が必要です。
ie について
二重母音と似たものに「ie」がありますが、これには「イー」と読む場合と「イエ」と読む場合の二種類があります。
続いて、ドイツ語の子音を読むときに注意しなければならないポイントを見ていきましょう。
まず、次の単語を見てみましょう。
kommen(来る)
ここで「コムメン」と読むのは誤りです。ドイツ語では、同じ子音が二つ並んだ場合は一つの子音のように発音されます。ですので、正しい読み方は「コメン」[’kɔmən]となります。
さて、こちらの単語はどのように読むでしょうか。
Ruhe(休息)
綴りのまま読むと「ルへ」となりますが、これも誤りです。なぜなら、ドイツ語には母音の後ろの「h」は発音しないというルールがあるからです。
そして、この「h」の直前の母音は長母音化することも忘れてはいけません。そのため、この単語は「ルーエ」[’ru:ə]と読むのが正解です。
大部分の「ch」はこの読み方になります。喉の奥から息を強めに出してあげるのがコツですが、このとき口の形は「静かに、シー」というときの「シ」の形をイメージしてみてください。
例)ich [Iç] イヒ(私)、Milch [mIlç] ミルヒ(牛乳)
笑うときの「ヒヒヒッ」に少し似てるかも?
a, o, u, au のあとに「ch」が用いられると、喉の奥で空気がかすれた音になります。
例)machen [‘maxən] マヘン(する)、hoch [ho:x] ホーホ(高い)、Frucht [frʊcht] フルフト(果実)
ハ・ホ・フの口のまま、母音のa, o, uの音を抜きつつ、喉の奥から息を出してあげるのがコツです。
いびきをかくときみたいな音だよね。
このほか、以下のような読み方がありますが、上記の二つに比べると格段に楽に発音できると思います。
Charakter [ka’raktər] カラクタァ(性格)
Chef [∫εf] シェフ(上司)、Chance [‘∫ã:s[ə]] シャーンセ(機会)
二重子音と呼ばれます。先ほど見てきた「ch」に「s」がついたものですが、常に「クス」と発音します。
例 sechs [zεks] ゼクス(6)、Sachsen[záksən]ザクセン(地域名)
単語の語末に「dt」をよく見かけますが、これは「t」と同様に「トゥ」と発音します。
例)Stadt [∫tat] シュタットゥ(街)、Schmidt [∫mɪt] シュミットゥ(人名)
JやZの時と同じように「トゥ」と添えてあげるくらいで大丈夫だよ。
「p」と「f」の発音が合体したものなのですが、「プフ」と二つの音にならないよう注意します。唇を閉じて「p」を発音したのち、そのまま口の間から息を漏らすようにすると良いでしょう。
例)Kopf [kɔpf] コプフ(頭) 、Kampf [kampf] カンプフ(戦い)
ただし、Pferd(馬), Pfirsich(桃)のように Pf で始まる単語は P の音はほとんど聞こえないことが多いです。
Pferd: フェアトゥ
Pfirsich: フィアジヒ
英語の場合と同様に「f」の発音です。主に外来語に用いられるものですが、あまり多く見かけることはなさそうです。
例)Philosophie [filizo’fiː] フィロゾフィー(哲学)、Phänomen [fεnoméːn] フェノメーン(現象)
カタカナの「ク」の音に近い「k」の音を出したのち、下唇を上の歯で軽く噛み、さらに唇を震わせて「v」を発音します。「u」がつづりに含まれていますが、この音は発音されないので注意しましょう。
例)Quelle [kvέlə] クヴェレ(泉)、bequem [bəkvéːm] べクヴェーム(快適な)
「ch」にも同様の発音の仕方がありますが、英語の場合では「sh」と表記されるものです。真ん中の「c」をお忘れなく。
例)schön [ʃøːn] シューン(美しい)、Schreiber [ʃráɪbər] シュライバー(筆者)
語頭で読まれる場合、必ずこの発音になります。英語では「スプ」となるので、混合しないように注意が必要です。
例)sprechen [ʃprέçən] シュプレッヒェン(話す)、Spur [ʃpuːr] シュプーア(足跡)
英語では「スト」という発音ですが、これも「シュト」という発音になります。「sp」と同様に語頭で用いられます。
例)Stein [ʃtaɪn] シュタイン(石)、stehen [ʃtéːən] シュテーエン(立っている)
この発音が使われる単語は多くないのですが、印象的な発音の仕方なので覚えやすいと思います。もしかすると、皆さんが最初に学ぶ、一番重要な単語にこの発音が含まれていたかもしれませんね。
例)deutsch [dɔʏtʃ] ドイチュ(ドイツ語の)、Kitsch [kɪtʃ] キッチュ(まがいもの)
日本語の「ツ」の音から母音の「ウ」の音をとった音です。「ツツツツ」と息を歯の間から漏らすように発音してみると簡単にコツが掴めるかと思います。
例)Rätsel [rέːtsəl] レーツェル(なぞなぞ)、bereits [bəráɪts] ベライツ(すでに)
語末で頻繁に見かけるものですが、「ヒ」の発音に注意しましょう。「私」という意味の「ich」の発音を思い出してみてください。どちらの場合も [ɪç] で発音されます。地域によっては「イク」と発音されることも覚えておきましょう。
例)achtzig [áxtsɪç] アハツィヒ(80)、sonnig [zɔ́nɪç] ゾンニヒ(晴れ)
次の単語はどのように発音されるでしょうか?
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発音も含め、ドイツ語を話せるようになるには、話すことを積み重ねることが大切です。
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この記事を書いた人:Yu(Vollmondドイツ語講師)
現在は博士過程に在籍してドイツ文学の研究をしています。ドイツ語はとても奥が深く、何年も学習した僕でも毎日のように新しい発見を味わえますよ。ぜひ楽しみながら学んでいきましょう!
編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)