「よいお年を」とか「あけましておめでとう」って、ドイツ語でどう言ったらいいんだろう…?
「大晦日」とか「新年」の言い方も知らないなあ…。
じゃあ今日はいっしょに、年末&お正月シーズンに使われる単語や表現を勉強していこうか!
この記事では、年末年始に登場するドイツ語を、ドイツの文化といっしょにご紹介していきます♪
目次
ドイツの年末~お正月の休みは、学校に通っているか働いているかによって、その期間が異なります。
学校の休暇の場合はクリスマス・お正月休みが一体になっていることが一般的で、ドイツ語では Weihnachtsferien(クリスマス休暇)と言います。
期間は州によって異なりますが、大体12月21日頃~翌年1月7日頃までが Weihnachtsferien の期間となっています。
このうち祝日として定められているのは以下の日です。
働いている人の場合、クリスマス後の27日~31日は通常通り仕事があり、年始の祝日は基本元日のみなので1月2日からまた仕事が始まります。
そのためこの期間に仕事を休みたい場合は、別途休暇を申請する必要があります。(24日・31日については半日休暇制度が設けられている職場が多く、職場によっては終日休暇の場合もあります)
ドイツではクリスマスは家族といっしょに過ごしますが、大晦日は友人や恋人と集まることが一般的です。
パーティーをしたり、新年を迎えた際には花火を打ち上げたり…日本と比べるととても賑やかですよね!
ここからはドイツでの年末年始の過ごし方に注目し、関連するドイツ語を学んでいきましょう♪
「年末」は次のように表すことができます。
ドイツにおける年末の大事な行事は Weihnachten(クリスマス)です。
▼ドイツのクリスマス文化・クリスマス関連のドイツ語について知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください◎
ドイツでの大晦日の過ごし方は、後ほどご紹介しますね。
ドイツでは、1月6日が Heilige Drei Könige(公現祭(東方三博士の日))です。
Baden-Württemberg, Bayern, Sachsen-Anhalt の3州では、6日が祝日となっています。
この日は、イエス・キリストの誕生を祝福するために彼のもとを東方三博士(Caspar, Melchior, Balthasar)が訪れたことを祝う日です。
ドイツでは年明けの1月6日までクリスマスツリーが飾られている家庭もありますが、それは6日が東方三博士の日だからなんですね!
また、東方三博士の日にはカトリック教区の子どもたちが歌を歌いながら各家庭を回り、募金をしてくれた家のドアには次のような文字を記入します。
これにより、その家はキリストの加護を受け祝福されるそうです。
例)20 * C + M + B + 23
1月6日にはぜひこの表記を探してみてくださいね。
ドイツでは日本のように、年末には大掃除をする…といった文化がありません。
逆にドイツでは春を迎えると Frühjahrsputz(春の掃除)が行われます。
「片付ける」はドイツ語で auf|räumen を知っている方が多いと思います。
日本における「年末の大掃除」を表現したい場合は、以下のフレーズもおすすめです!
Zum Jahresende macht man in Japan klar Schiff.
年末に、日本では片づけがされる。
ドイツ語で「よいお年を!」と言いたい場合は、次のように表現しましょう。
Guten Rutsch ins neue Jahr!
よいお年を!
(直訳)新年へ良い滑りを(願っています)。
▼ネイティブの音声で上記フレーズを聞きたい方は、以下の記事で聞くことができます。文法解説もしていますので、詳しく知りたい方はぜひ◎
「大晦日」は次のように表すことができます。
そういえば、Silvester ってどこかで聞いたことがあるような…。
よく気づいたね!Silvesterkonzert(ジルベスターコンサート)を知ってるかな?
毎年大晦日にやってるコンサートのこと?
そうそう!「Silvester=大晦日」に開かれるコンサートのことだから、ジルベスターコンサートって言うんだよ!
へ~!知らなかった!
日本でもよく聞く言葉が実はドイツ語由来だったことを知ると、ドイツ語が意外と身近に感じられますよね◎
ジルベスターコンサートは各国で行われていますが、中でも特に代表的なのはオーストリアのウィーンフィルハーモニー管弦楽団が開催しているコンサート。
毎年開催されていますが、Silvesterkonzert は Neujahrskonzert(新年のコンサート)のゲネプロ(初演前の通し稽古)の役割を持ったコンサートです。
ちなみに演劇や音楽の世界でよく使われる「ゲネプロ」は Generalprobe の略。これもドイツ語由来なんだよ◎
先ほどもお話したように、ドイツでは大晦日に友人・恋人と過ごすことが一般的です。
ではどのような過ごし方をするのでしょうか?早速見ていきましょう!
ドイツの人は、大晦日に何か特別なものを食べるの?
日本だと年越しそばを食べる人が多いよね。お寿司やすき焼きを食べる人もいるかな?でもドイツには、日本みたいに特に決まった食事はないんだ。
ドイツでは大晦日に友人や恋人とパーティーをする人が多いですが、その際には以下のような料理が人気のようです。
日本の大晦日の食事について話したい時は、次のように言ってみましょう。
Am Silvesterabend essen viele Japaner Soba-Nudeln (Buchweizennudeln).
大晦日の晩には、多くの日本人が蕎麦を食べる。
Berliner は地域によってその呼び方が異なります。
ドイツに住んでいる方は、お住まいの地域でどの名称が使われているかチェックしてみてください◎
元日が祝日だから、大晦日にはその分お酒もたくさん飲むんだって◎
大晦日には die Feuerzangenbowle という飲み物も飲まれます。
赤ワインや香辛料、レモンなどのフルーツを入れた鍋を熱します。
その後、鍋の上に Feuerzange(火ばさみ)を置き、さらにその上に Zuckerhut という円錐状の砂糖の棒を置きます。
この Zuckerhut に火をつけたラム酒をかけることで砂糖が溶け、鍋の中のワインと混ざって Feuerzangenbowle が完成します。
Dinner for One という短いドラマを見る習慣もあります。
10分程度の映像で、言語はなんと英語なのですが発言は少ないので言葉が分からなくても理解しやすいです。
実際の映像はこちらのページから見ることができるので、まだ見たことのない方はこの機会にぜひ!
大晦日に花火…?
ドイツでは大晦日から元日にかけて、花火をする習慣があるんだ!
花火はドイツ語で Feuerwerk と言います。
ドイツでは基本的に年末の12月29日~31日の期間のみ、また18歳以上の人のみがスーパーなどで花火・爆竹などを購入することができます。
そして、花火や爆竹の使用が認められているのは12月31日・1月1日の2日間です。
(危険度の低い花火であれば上記以外の期間にも、12歳以上の人が購入・使用することができます)
この日(特に1月1日の0時を迎えた瞬間)は、たとえ室内にいても自分の真横で打ち上げ花火や爆竹が使われているのでは…と錯覚するほど、花火・爆竹の大きな音が町中に響き渡ります。
日本の大晦日の過ごし方とは違って、とても賑やかですよね!
ただ、この花火によって毎年怪我人が出ているのも事実なので、現地で大晦日~年明けを過ごされる方は注意しながら楽しんでくださいね◎
また、ベルリンなど大きな町ではカウントダウンイベントも開催されています。
ここで、大晦日の花火に関連したドイツ語に触れておきましょう。
Wann darf man böllern / knallen?
– Vom 31. Dezember bis zum 1. Januar darf man böllern / knallen.
いつ爆竹を鳴らすこと / 大きな音を立てて(花火などを)発射することが許されていますか?
– 12月31日から1月1日にかけて、爆竹を鳴らすこと / 大きな音を立てて(花火などを)発射することが許可されています。
ドイツでは、相手の新年の幸運を願って Glücksbringer(幸運を運んでくれるもの)を贈る風習があります。
Glücksbringer には以下のようにいろいろな種類があり、お菓子や小物のモチーフにもなっています。
皆さんもぜひ、周りの方に Glücksbringer をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
写真にある Viel Glück! は相手の幸運を祈るときによく使われるフレーズです。
ぜひ合わせて覚えてください♩
「元日」「お正月」「新年」は次のように表すことができます。
新年を迎えて最初のあいさつ「あけましておめでとう」の言い方を確認しておきましょう。
Frohes neues Jahr!
あけましておめでとう!
(直訳)ハッピーな新しい年を。
▼以下の記事で、上記フレーズのネイティブ音声を聞くことができます。たくさん真似してスムーズに言えるようになりましょう!
ドイツでは新年に Neujahrsbrezel というパンが食べられています。
パン屋さんやスーパーでいつも売られている通常の Brezel よりもサイズが大きなものです。
この Neujahrsbrezel も、Glücksbringer のひとつとして捉えられています。
日本では、お正月におせちやお雑煮を食べますよね。
「おせち」「お雑煮」をドイツ語で表現するとするなら、以下のように言うことができます。
ドイツ語で日本のおせちやお雑煮を紹介するときは、どのような食材が中に入っているかもぜひ紹介してみてくださいね◎
今回の記事では、ドイツの年末&お正月に関連するドイツ語をご紹介しました。
最後に復習しましょう!
ドイツ語 | 日本語 |
---|---|
Weihnachtsferien | クリスマス休暇(学校に通っている場合) |
das Jahresende | 年末 |
zum Jahresende | 年末に |
Weihnachten | クリスマス |
klar Schiff machen | (しっかりと)片付ける |
Guten Rutsch ins neue Jahr! | よいお年を! |
das Silvester | 大晦日 |
zu Silvester / an Silvester | 大晦日に |
das Silvesterkonzert | ジルベスターコンサート |
das Neujahrskonzert | 新年のコンサート |
der Berliner | ベルリーナー(ジャムが入った揚げパン) ※地域によっては、der Krapfen, der Kräppel / der Kreppel, der Pfannkuchen とも。 |
das Fondue | チーズフォンデュ |
das Raclette | ラクレット |
der Karpfen | コイ |
der Kartoffelsalat | ポテトサラダ |
die Linsensuppe | レンズマメのスープ |
die Feuerzangenbowle | 赤ワイン・香辛料・フルーツ・砂糖・ラム酒から作られる飲み物 |
das Feuerwerk | 花火 |
zünden | ~に火をつける |
die Rakete | 打ち上げ花火 |
ab|brennen | (花火)を打ち上げる |
der Böller / der Knaller | 爆音花火、爆竹 |
böllern | 爆竹を鳴らす |
knallen | (ドンという大きな音を立てて)発射する |
der Glücksbringer | 幸運を運んでくれるもの |
das Glücksschwein | 幸運の豚 |
vierblättriges Kleeblatt | 四葉のクローバー |
das Hufeisen | 蹄鉄 |
der Schornsteinfeger | 煙突掃除人 |
der Marienkäfer | てんとう虫 |
das Neujahr | 元日、お正月、新年 |
zu Neujahr | 元日に |
Frohes neues Jahr! | あけましておめでとう! |
die Neujahrsbrezel | 新年のブレッツェル |
japanische Neujahrsspeisen | (日本の新年の料理→)おせち |
japanische Neujahrssuppe | (日本の新年のスープ→)お雑煮 |
文化やそれにまつわる言葉・表現を知ることで、今までどういう意味があるのか意識していなかったものにも目が向くようになり、おもしろいですよね。
年末~お正月の期間にはぜひこの記事でご紹介したドイツ語を使ったり、探したりしてみてください♪
執筆・編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)