覚えておきたいドイツ語!wannとalsとwennの違いを整理
ドイツ語を勉強していて混同してしまいがちな単語に、wann と als と wenn の3つがあります。
3つとも「時間」に関係する単語ですが、それぞれ意味する内容は違います。
どのように使い分けるのか、実例とともに確認していきましょう♪
目次
ひとことで: wann、als、wenn の使い分け
まずは、wann、als、wenn の違いをそれぞれひとことですごく簡単に説明します。
wann:「いつ?」と聞く時
als: 過去「〜したとき」
wenn: 現在or未来「〜するとき」「〜したら」
では、それぞれについて、例文とともに詳しく解説していきます!
wann:疑問文「いつ」
wann は「いつ?」と訳される疑問詞であり、大きく分けると、次の2つの場合に使われます。
①直接疑問文(いつ〜?)
朝はいつ(=何時に)起きるの?
Wann stehst du morgens auf?
②間接疑問文
今日いつ(=何時に)起きたか、私に教えて〜
Sag mir, wann du heute Morgen aufgestanden bist.
間接疑問文について詳しくはこちら▽
als :過去1回限りの「とき」
als は、過去に1回だけ起こった出来事や1回限りの状態について、「〜だった(〜した)とき」という文を作る時に使う接続詞です。
「1回限り…難しそう…」と思う方は、基本的には過去=als を使うで覚えていただいて問題ないです。慣れてきたら、wenn を使うパターンも考えてみましょう!
20歳だった時、私は運転免許をとりました(20歳は二度とやってこない)
Ich habe meinen Führerschein bekommen, als ich 20 Jahre alt war.
以前の仕事に就いていたとき、私はいつも21時に帰宅していました(前職には基本的には戻らない)
Als ich noch bei meinem alten Job gearbeitet habe, bin ich immer erst um 21.00 Uhr nach Hause gekommen.
※ nach Hause kommen/gehen 「帰宅する」
「〜だった」と言いたい時は、その出来事が何度起きたかよく考えるのがポイントです!
叔母を訪れたとき、私たちは一緒にケーキを作りました(ケーキを作りに訪ねたのは1度のみ)
Als ich meine Tante besuchte, haben wir zusammen Kuchen gebacken.
→叔母さんを訪ねていたときは「いつも」ケーキを焼いていたなら、als ではなく wenn になります◎
wenn :過去に繰り返し起きたこと&現在・未来の「とき」
wenn は、als と同じく「〜とき」という意味を表す接続詞ですが、als よりも使い方が広く、過去・現在・未来全てに使います。
それでは、それぞれの使い方について、例文を確認してみましょう。
①過去に繰り返し起きた出来事・習慣
als は1回限りの出来事・状態に言及するときに用いるのに対し、wenn は過去に繰り返し起きた出来事・習慣について表します。
叔母さんを訪れた時はいつも、私たちは一緒にケーキを作りました(何度も訪れている)。
Wenn ich meine Tante besuchte, haben wir immer zusammen Kuchen gebacken.
→ als 説明時の例文とぜひ比較してみてください◎
②現在の出来事
時間があるときは、料理をするのが大好きです。
Wenn ich Zeit habe, koche ich sehr gerne.
③未来(に起こりうること)
失業したときは(=もし失業したら)、どうしたいですか?
Was willst du machen, wenn du deinen Job verlierst?
※③の表現では接続法2式を用いた用法(仮定法)を使うことが多いですが、今回は省略します。
【注意】wann, als, wennを使った「副文」の使い方
以上、wann、als、wenn をどのような場面で使うのかについて説明してきました。
記事を終える前に、 wann(間接疑問文で使うときのみ)、als 、wenn を使った文の作り方について補足します。
◯副文(Nebensatz)とは?
まずは、次の1文を見てみてください。
料理をする気がないとき、私はピザを買ってきます。
Wenn ich keine Lust zum Kochen habe, hole ich mir eine Pizza.
※die Lust(〜する意欲、〜したい気持ち)
この文において、前半の Wenn ich keine Lust zum Kochen habe(料理をする気がないとき)という文は、後半の hole ich mir eine Pizza(私はピザを買ってきます)を詳しく説明するような文になっていることがわかりますね。
ここでの Wenn ich keine Lust zum Kochen habe のような、文のメインの部分を修飾する文の成分を副文、修飾されるメインの部分(ここでは hole ich mir eine Pizza)を主文と呼びます。
さて、副文の使い方については、次のことを意識しましょう。
①主文と副文はどちらが先でも良い。
②<副文→主文>の場合:副文の次に主文の動詞を置く。
③<主文→副文>の場合:主文の動詞は、主文の2番目。
④副文の中では、動詞が最後。
※②「<副文→主文>の場合:副文の次に主文の動詞を置く」について。
副文は文を構成する要素(文成分)の1つとして扱います。そのため、動詞は2番目というドイツ語の原則に従って、「副文→主文の動詞」という順番になります。
※「④動詞が最後」に苦戦する方が多いと思います。これは文法ルールなので試験などではもちろん最後にしないといけませんが、日常会話では④のルールを守らず通常通り同士を2番目に置く場合もあります。
では、例文とともに確認していきましょう。
◯<副文→主文>の場合
料理をする気がないとき、私はピザを買ってきます。
Wenn ich keine Lust zum Kochen habe, hole ich mir eine Pizza.
※副文の動詞(habe)は副文の最後に、主文の動詞(hole)は主文のはじめ(全体で数えると、文の要素として2番目)に置かれていることに注意。
今晩、私はピザを買ってきます。
Heute Abend hole ich mir eine Pizza.
※動詞(hole)は、Heute Abend に続いて第2位に来ている。
◯<主文→副文>の場合
料理をする気がないとき、私はピザを買ってきます。
Ich hole mir eine Pizza, wenn ich keine Lust zum Kochen habe.
※主文の動詞は2番目に、副文中の動詞は副文の最後にそれぞれ置かれていることに注目。
副文については以下記事内でもっと詳しく解説してあります。気になる方はぜひ!
まとめ
今回は、まぎらわしい単語 wann、als、wenn の使い分けと、ついでに副文の使い方について解説しました。
まず、wann、als、wenn の使い分けについて。
一見混同しそうなこれらの単語ですが、とりあえず次のように覚えておけば間違えないはずです。
①「いつ」と言いたいときは wann
②過去の一回限りの出来事について言いたいときは als
③それ以外は wenn
また、副文の使い方については、以下のポイントを押さえておきましょう。
②<副文→主文>の場合:副文の次に主文の動詞を置く。
③<主文→副文>の場合:主文の動詞は、主文の2番目。
④副文の中では、動詞が最後。
理解度チェック!練習問題
最後に、練習問題にチャレンジしてみましょう!
alsもしくはwennを入れて文章を完成させてください。
この記事を書いた人:
凡さんす
「勉強」や「学問」頑張る人向けに文章書いてる大学4年生のブロガー・ライターです。来年秋から、英国エセックス大学の修士課程で紛争解決学の研究をしてきます。趣味でドイツ語を学び、勉強開始から3ヶ月で独検4級取得。
Twitter(@academicocktail)
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編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)