ドイツ語講師が完全初級からチャレンジするフランス語習得の記録④B1→B2

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第三弾(A2〜B1)に続き、第四弾ではB1〜B2の学習記録をお伝えします。

▼これまでをまだ見ていない方はまずはそちらからぜひ!

  1. 完全初級→A1
  2. A1→A2
  3. A2→B1

DELF B2試験に向けて

これまで仏検やDELF等は一切受けず、過去問ばかり解いて自分の実力チェックをしていたのですが、8月に11月のDELFを受けよう!と思い立ちました。
きっかけは特にこれとはないのですが、そろそろちゃんとした資格として受けてみたいなと思っていた頃に11月に試験があることを偶然知ったからでした。

受験を決めるまでの経緯

受けるならB1か挑戦してB2かな〜と思っていました。
そして現時点でどのくらいできるのか確認しようとやってみたB1の模擬テストが意外とできたので、9月12日にまずはB2に申し込みました。

ただ、この時点で私にB2の力があるとはあまり思っていなかったので、B2にもし落ちたら悲しいしB1も並行受験するかどうかかなり悩みました。
検討材料にしようと、フランス語をはじめてからずっと教えてもらってる日本人のMaho先生のプライベートレッスンでB1, B2のスピーキング模擬試験をしてもらいました。

B1は問題なく、B2も合格点である50%は確実に超えていそう、試験まで時間もあるし受験はB2だけでいいのではとアドバイスをもらい、申し込み締め切りギリギリまで悩んでいたのですがB2のみの受験に決めました。
もしB2落ちたらいやだな〜という思いが強く悩んでいたのですが、まあ仮に落ちても困るわけでもないしまた受けたらいいやと思い直しました。
あとは受験料も安くはないですし、B1受験分のお金をB2のレッスン代に回したいと思ったのも一つ理由です。

対策①モチベーション

B2受験を決めたものの、フランス語をはじめて8ヶ月程度経ち、基本ノンストップでフランス語勉強漬けな日々を過ごしてきたのに疲れが少し出てきました。

前までは「フランス語楽しい!もっと勉強してどんどんレベルアップしたい!」みたいな感じだったのが、「どうもやる気が出ないな〜」という状態に。
試験もあるし勉強しないといけないのに、やる気が出なくてダラダラしてしまい、自己嫌悪という悪循環です^^;
これは良くないと思った私が行った対策はこちら。

  • 机に向かわずにできる勉強を増やす
  • やることを色々作って「モチベ低くてどうしよう」と悩む時間をそもそも作らない

机に向かわずにできる勉強を増やす

「机に向かってしっかり勉強」というのがしんどくなっていたので、それ以外でできる勉強を模索しました。勉強へのハードルを下げる感覚に近いです。

まず、スマホの言語設定をフランス語に変えました。
携帯を触るたびにフランス語がいやでも目に入る、という仕組みです◎

次に、特に私の課題はリスニングなので、楽しくリスニングできる教材を探しました。
まずモチベ停滞中だった9月の1ヶ月間はNetflixに初めて登録して、エミリーインパリスを毎日一話見て勉強時間を稼ぎました。
フランス語字幕付きで見て、わからない単語や表現は都度止めて必ず確認するようにしていました。

ドラマを見ながら外国語を勉強するのがはじめてなので、役に立ったのか今も何とも言えないですが、何もしないよりはいいと思います。
ただ結局エミリーのドラマに初めは少しはまっていて楽しかったのですが途中から飽きてきて、1ヶ月で解約しました(笑)
解約する頃にはモチベもまた上がってきていたので、間繋ぎにちょうど良かった気がします。

Youtubeも色々好きなものを探して見るようにしました。
ネイティブの子ども向けの un jour une question おすすめです。
子ども向けといえど一般教養の内容なので、普通におもしろいです。あと短くて見やすいし、フランス語もわかりやすいです!
自動字幕はつくのですが、自動なので時々違っていて、それだけちょっと残念ポイントです。

ARTEのドキュメンタリーも興味のあるタイトルがあれば見ていました。これも残念ながら自動字幕です。
こういうのが無料でYouTubeで見れるって、本当にすごい時代ですよねえ。

https://youtu.be/vOMMPsiVZDc?si=bpFAWCcQin8GL-k3

あとは、Podcastで好きなフランス語番組を探すために色々聴きました。
今のレベルでも聴けるものがそもそも少ないのと、あったとしても内容にそこまでおもしろさを感じずはまらない、というのが悩みでした。

そんななか、9月後半(試験約1ヶ月前)に私の理想にまさにぴったりなPodcast番組 InnerFrench を偶然見つけます。
スピードがちょうどよく、はっきりしていて聞き取りやすく、内容も大体分かり、テーマがめちゃくちゃおもしろい、そして何よりスクリプトが無料で見れる…!

この InnerFrench との出会いのおかげで、私のモチベーションは完全に回復しました。
「好き」の力って本当に偉大ですよね。

「モチベ低くてどうしよう」と悩む時間を作らない

モチベーションが低い時期があるのは人間当たり前のことだからこそ、モチベーションに左右されない(サボりづらい)環境が大事だと思います。
1番分かりやすい例が、それこそ「レッスン」かなと思います。

自分でお金を払って、先生の時間を予約していて、「モチベーションが低いので休みます」ってなかなかしなくないですか?(本当にしんどい時はもちろん休みましょうね!)
こういった考えの私は、B1受験はしないことにしたのもあり、よし、レッスンを増やして勉強せざるを得ない時間を増やそうと決意します。

大手の語学学校のレッスンが気になっていたので、アンスティチュ・フランセ東京のオンライングループレッスン(週1・1時間)を受けることにしました。

ちなみに、受講前に受けたアンスティチュ・フランセのレベルチェックテストでは「B2 上級レベルまたはそれ以上」と判定されました。

これで、どれだけモチベーションが低くても週4時間はフランス語を勉強する時間ができました
ただ先生も生徒もいい人ばかりですごく楽しかったので、レッスンは息抜きの場に近かったです。

とはいえ予習をしっかりしていないとうまく発言できなかったりと楽しさが減るのも分かっていたので、しっかり予習や宿題には取り組みました。
これもまた半強制的に勉強の時間となります。

フルタイムでVollmondの仕事をして、家事をして、フランス語のレッスンが週4であって、その予習・宿題があると悩む暇は正直ほとんどないので、良かったです。

モチベが高いに越したことはもちろんないですが、語学はやるかやらないかが1番大事なので、深く悩みすぎず手を動かし続けるのは大事だと思います。

対策②ライティング・スピーキング

DELFに向けていわゆるアウトプットの対策には、日本人の先生のプライベートレッスンを活用しました。

ライティング

B2のテーマに沿って時間を取って試験同様書き、授業までに先生に写真で送り、レッスンはじめに添削を受けました。
これを試験までに3回行いました。試験前日にも1回しましたが、これは添削はしてもらっていません。

ライティングは英語でもドイツ語でも得意で、そもそも書くことが好きなので、あまり大きな対策はしていません。
B2対策として気を付けたのは以下の点です。

  • 時間内に最後まで書き切る
  • ライティングの型を暗記する(書き始め、締めの言葉)
  • 内容構成をしっかりする
  • 同じ単語や表現はできるだけ重複させない
  • 接続詞を使って文章に抑揚を持たせる
  • なるべく色々な文法事項を入れる(接続法、比較、条件法など)
  • 使えそうな表現を増やしていく

よく使っていた表現

多分正しいと思いますが、もしかしたら間違いがあるかもしれません。

À l’attention de…
Je me permets de vous écrire en relation avec…
Je suis contre votre décision et je vais expliquer pourquoi en deux points.

Premièrement / Tout d’abord / Pour commencer, …
Deuxièmement, …

Pour conclure, …
Je vous prie d’agréer, Monsieur/Madame, l’expression de mes sentiments distingués.
(名前)

▼実際に書いてた文章を参考までに載せておきます。全て添削前です。

赤が入っているのは、書いたあとにモヤモヤして自分で調べて訂正した箇所です。

1回目(9月7日)

市長さんへの手紙。
結びの挨拶、全然覚えてないのが分かります(笑)

2回目(9月28日)

子ども会への手紙。
シチュエーションがよく理解できず、若干見当違いな内容になっています。

3回目(10月13日)

シェアハウスへの応募文。

スピーキング

事前にやりたいサンプル問題を先生に送っておき(内容は見ないようにする)、レッスン前30分準備時間を自分で取って準備し、レッスン内で本番の試験を想定した形で模擬をしてもらいました。
これを試験までに4回行いました。

ライティングと似ていますが、B2対策として気を付けたのは以下の点です。

  • スピーチの型を決めて暗記する
  • 時間を意識する(私の場合はついつい話しすぎるので、話しすぎない)
  • なるべくメモを見ず、相手の目を見て話す
  • 内容構成を準備段階でしっかり考える
  • 具体的な例を入れる
  • 使える表現を増やしていく
  • なるべく色々な文法事項を入れる

直接試験に関係はないですがやってて役立ったのかもと思ったのは、L’Académieの会話グループレッスンです。

週に1回、4人程度の生徒と先生で毎週1つのテーマについて話す授業なのですが、大体先生がテーマに関する質問を投げかける→生徒がそれに対して2〜3分程度自分で話す(ミニスピーチ)→先生が追加質問もしくは次の生徒にパス(間違いは全部チャットに書いてくれている)という流れだったので、1人である程度の時間フランス語で話すことに慣れていました

B1以上の学習者向けの教室なのでテーマも趣味について話すなどではなくもう少し難しめのものだったのも色々考えるきっかけになり、よかったです。例えば、水の重要性や世界遺産についてなど。

よく使っていた表現

多分正しいと思いますが、もしかしたら間違いがあるかもしれません。

Le sujet dont je vais parler aujourd’hui est le sujet numéro… 

Le titre est …

Le thème de ce document est…

Il a été publié (dans le Journal / sur le Site Internet)…

Son auteur s’appelle…

Dans ce document, on nous dit que…

Le problème que présente ce documene est…

Pour répondre à ce problème, je vais présenter deux arguments, un argument positif et un autre négatif. 

En même temps je présenterai mon expérience personnelle et enfin je terminerai par une conclusion.

Merci beaucoup.

対策③読解・リスニング

読解とリスニングはB2対策用の参考書で自主学習をがんばりました。
参考書はReussir le DELF B2をメルカリで安く購入し、使いました。

4パート全ての練習問題がたくさん入っているのですが、結局全部取り組めたのはリスニングパートのみでした^^;(苦手なので、優先的にリスニングに取り組んだため)
読解も半分くらいはできました。あとは巻末にあった模擬試験も試験前日に解きました。

参考書を手に入れてから試験まで約2ヶ月あったのですが、2ヶ月で一冊終えるってちょっと無茶だったなと後で気付きました。

参考書はあくまでも補助にすぎません。時間が限られており全部は無理かも、と思う場合は、苦手分野を集中的にすることなぜ間違えたのか?次はどうすれば間違えないかを徹底して確認していくこと(復習)が大事だと思います。

私がドイツ語レッスンで読解やリスニングの対策もするときも使う方法ですが、読解もリスニングも、基本的にはテキストのどこかに答えはあるのでそこを必ずチェックするようにしました。

例えば1番の問題の手がかりになりそうなのは①と書いてあるところあたり

あとは、プライベートレッスンのB1の教科書でも読解・リスニングの課題はよく出てくるので、辞書を使って読んでも分からない箇所は先生に聞いていました。

対策④特に苦手なリスニング

リスニングは1番苦手なので、参考書以外にもたくさん勉強しました。
リスニング勉強においては量と質が大事です(リスニング以外でもそうですが…)。

苦手なうちは、特に量が大事だと私は思っています。
そもそもフランス語の音に慣れていないと、難しいと感じて当然という考えです。

量の確保:Podcastの活用

Podcastをたくさん聴きました
前述した InnerFrench に出会ってからは本当に勉強が勉強じゃないみたいに楽しく、自発的に聴きまくってました。
好きなポッドキャスト番組をあのタイミングで見つけることができたのは本当にラッキーだったと思います。

あとはB2対策の参考書のリスニング音源も何度も聞き返しました。
参考書の音声はとても難しかったのですが、スクリプトを見て意味も確認したあとに聞くと意外と聞き取れることは増えています。

また、Podcastではないですが週4のレッスンも力になったと思います。
聴き逃せない緊張感のあるリアルタイムの場って大事ですよね!
加えて先生の話すフランス語は分かりやすいことが多いので、「オールフランス語の授業についていけてる〜!」と自分の自信にも繋がりました。

質の確保:ディクテーション

たくさん聴いていても意外と聞き落としていることって多いものです。
そういった聞き落としがいかに0に近付くか、がリスニング上達の1つ大事なポイントでもあります。

ちゃんと聞けているかの確認にはディクテーションがおすすめです。
L’Académieの週1文法レッスンでは最後に必ずディクテタイムがあったので、すごく力になりました(ただ私にはちょっと難しすぎることが多かったです)。

他には仏検準一級の過去問のリスニングをディクテしたりもしました。

ただ私の場合はスクリプトを見ると分かるのに聴くと分からない状態がほとんどだったので、質より量が問題だと仮定し、基本的には隙間時間さえあればフランス語のPodcastを聴くようにしていました。

この時点での総勉強時間と費用

勉強時間

〜12月(仏検5級)25
〜2月(仏検4級&DELFA1)103.5
〜3月(仏検3級&DELFA2)78.5
〜5月(フランス旅行)116.5
〜8月(仏検2級&DELFB1)126.5
9月78.5
10月73.5
合計602時間

費用

〜12月(仏検5級)23,827
〜2月(仏検4級&DELFA1)58,818
〜3月(仏検3級&DELFA2)33,485
〜5月(フランス旅行)68,200
〜8月(仏検2級&DELFB1)65,933
9月プライベートレッスン(5時間)15,000
9月グループレッスン(11.5時間)9,349
10月プライベートレッスン(4時間)12,000
10月グループレッスン(12時間)20,652
Netflix790
DELFB2受験料18,000
Reussir le DELF B2(メルカリ)1,100
合計306,154円

試験結果

試験当日の話は私のnoteに詳しくまとめていますのでよかったらそちらをご覧ください。
試験結果は無事、合格でした!一安心です。

合格基準点が50点なので+17点で合格と、まぐれではないのですが、当日の感覚的にはもう少し取れてるかなと正直思ってたので、少し落ち込みました^^;

苦手だから時間をたくさんかけたリスニングは結局1番点が低いままで、元々得意なのでほとんど時間をかけてないリーディングとライティングは点が取れたことにも、複雑な気持ちに。苦手なものを得意にしたいのであればもっと時間をかけないといけないということだと思います。

また、得意なはずのスピーキングはそんなに評価されず、それもまた落ち込む原因に。

結果報告後、もっとスピーキングは評価されてもいいと思いますけどねと先生は言ってくれましたが、当日の評価は少なくともこの点に表れているので、気持ちを改めてもっとがんばろうと思いました。

続きは随時こちらの記事に追記していきます!お楽しみに〜!

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執筆:komachi(Vollmondドイツ語講師)

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