
Hallo! Vollmond講師のkosuzuと申します(講師プロフィールはこちら)。
この記事では、ドイツ・フライブルクへの長期滞在・短期滞在を経験した私が、フライブルク滞在のおすすめポイント・注意点などをご紹介していきます。
また記事の最後では、ドイツ滞在型旅行の経験を受けて、その際に感じたメリット・デメリットについても簡単に触れていきます。
フライブルクへの留学や旅行を考えている方の参考になれば幸いです◎
目次
私は2020年11月頃からVollmondでドイツ語講師として働いています。
大学時代(2013年8月~2014年8月)は、今回のテーマにもなっているドイツ南西部の町・フライブルクにて1年間の長期留学を経験しました。
フライブルクを留学先として選んだ理由としては、長期留学の前に一度訪れた際の町の雰囲気がとても良かったこと、また、環境保護で有名なフライブルクに興味があったからです。
留学中は実際に、フライブルク大学でドイツ語を中心に勉強しながら、フライブルク市の環境保護政策などについてじっくり学ぶことができました。
留学を終え、何年か間が空いてドイツ語講師として働き始めてからは、コロナ禍や円安の影響でなかなかフライブルクに行くことができませんでした。
しかし、今年2025年のゴールデンウイーク期間に家族と休みが合いそうだったこともあり、再びフライブルクへ旅行し、そこで1週間滞在することを決めました。
フライブルクでの長期滞在・短期滞在のどちらも経験したことがある私の体験談が、皆さんのお役に立てれば幸いです◎
はじめに、フライブルク市とフライブルク大学について簡単にご紹介します。
※上記内容は、2024/25冬学期時点の情報です(フライブルク大学公式HPより)。
フライブルクには音楽大学(Hochschule für Musik Freiburg)もあります。
Vollmondの生徒さんや講師の中には、これらの大学に進学されたり、卒業されたり、kosuzu先生のように留学していた方がいたりと、Vollmondではフライブルクに縁のある方に結構出会います^^
では、ここからは早速、フライブルクでの滞在を考えている方が気になるであろうポイントごとに、フライブルクのことをご紹介していきます◎
まず、フライブルクの治安についてですが、個人的には「ヨーロッパやドイツの中では比較的治安が良い」と言えると思います。
フライブルクで人が多く集まるエリアは、主に中央駅周辺から旧市街にかけてのエリアです。
特に旧市街はきちんと街灯が整備されており、フライブルク全体で夜遅くまでトラムも運行しているため、人通りも多くなっています。
日本と比べるとやはり落書きが多いので、「雰囲気悪いかも」「怖いな」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、子どもから学生、ご高齢の方まで幅広い年代の方が歩いていて、かつ人や町の雰囲気が明るく穏やかなので、私自身は生活する上で恐怖心を抱いたことはありませんでした。
また、フライブルクを歩いていると、交通マナーがとても良いと感じることが多いです。
横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいると、必ず車がかなり早い段階でスピードを落とし、しっかり止まってくれます。
自転車に乗る人は手信号で行き先を示してから曲がってくれるので、その点も安心しました。
1週間の旅行中も久しぶりにフライブルクを歩いてみて、「なんて歩きやすいんだろう!」と度々感動していました。
先ほど、人の多いエリアとして中央駅周辺を挙げましたが、旧市街と比べると中央駅周辺は少し危ない雰囲気を持つ人が増えるので注意が必要かと思います(例えば、酔っ払って呂律が回らない状態のまま、いろいろな女性に声をかけて回る人など)。
また、フライブルクという穏やかな町であっても、やはり基本は「ヨーロッパ」「ドイツ」の中の町のひとつです。日本の安全さとは感覚が違います。
私自身は長期滞在・短期滞在を通してスリや危ない目に一度も遭ったことがなく、比較的安全には感じますが、
…といった、海外旅行・滞在の基本は徹底して守りましょう!逆に言うと、基本を徹底していれば、とても安全に過ごすことができる町だと思います。
さらに、これはフライブルクに限らずドイツ全般に言えることだと思いますが、酔っ払いや興奮して暴れる人が増える休日・祝日前後、サッカーの試合前後、デモが起きているエリアなどは避けて生活することをおすすめします。
物価や生活費については、私が旅行した2025年4月末~5月初めの情報を基に記載しています。円安の影響が大きいため、その前提でご覧ください。
留学中も旅行中も、フライブルクでは主にスーパー(EdekaやREWE)で食料品を購入していました。
今回の短期滞在ではレストランでの食事以外は、スーパーで簡単な朝食や飲み物(水やジュース)を購入した程度でしたので少し限られてしまいますが、日本での価格との比較表を載せておきます。
なお、為替レートは2025年5月1日時点のレート(1ユーロ163.48円)を基に日本円換算し、( )内に記載しています。円安の影響がなければ、もう少し値段が抑えられたかなと思うものもありました。
品目 | フライブルクでの価格 | 日本での目安価格 |
---|---|---|
ミネラルウォーター(1.5リットル) | 0.30€(約49円) | 約100円 |
ジュース(albi・1リットル) | 2.69€(約440円) | 約300〜450円 |
ジュース(ファンタ・1缶0.33リットル) | 0.99€(約162円) | 約120〜150円 |
りんご(1個) | 0.64€(約105円) | 約100〜130円 |
ヨーグルト(1カップ) | 0.59〜0.99€(約96〜162円) | 約100〜150円 |
インスタント食品(パスタ・スープ) | 0.99〜1.49€(約162〜244円) | 約150〜250円 |
パン(Laugenstange 1個) | 0.78€(約128円) | 約100〜150円 |
上記値段は今回私が購入した商品の値段ですので、どのスーパーで買い物をするか・どのメーカーの商品を買うかによっても値段はかなり変わってくるかと思います。
実際に現地で長く生活する予定があり、食費を抑えたい方は、例えばディスカウントスーパーで買い物を検討しても良いかと思います。また、学生さんであれば、食事についてはMensa(学食)を利用するのも手だと思います。
今回のフライブルク短期滞在では、①Martin’s Bräuというシュニッツェルやビールが有名なレストランや、②Großer Meyerhofというバーデン地方の料理が食べられるレストランで食事をしました。
レストランでの食事も円安の影響が大きく、かなり値段が高くなってしまったなという印象でした。
メニュー | フライブルクでの値段 |
---|---|
Schnitzel mit Pommes(①/フライドポテト付きシュニッツェル) | 18.40€(約3,009円) |
ピルスナー(①/0.3リットル) | 3.80€(約621円) |
バナナネクター(①/0.3リットル) | 3.80€(約621円) |
Schnitzel mit Spätzle(②/シュペッツレ付きシュニッツェル) | 15.90€(約2,599円) |
Schäufele(②/豚の肩肉の燻製) | 17.90€(約2,928円) |
水(②/0.4リットル) | 3.10€(約507円) |
グァバジュース(②/0.4リットル) | 4.40€(約719円) |
私は交換留学生としてフライブルク大学に留学していましたので、大学から提供された学生寮の家賃についてお話しします。
私はフライブルク大学の寮(Studierendensiedlung am Seepark/以下StuSie)の1人部屋で1年間生活をしていました。大学が提供する寮には、キッチン・バスルーム・トイレが各部屋に備えつけられた1人部屋タイプと、WG(Wohngemeinschaft)タイプの部屋がありました。
WGとはルームシェアのようなもので、例えばキッチン・バスルーム・トイレなどを共用で使い、部屋については各住人が個室を持っているというスタイルです。
StuSieがホームページで公開している家賃は以下の通りです。
私は静かに1人で過ごす時間を確保したかったのでWGには住みませんでしたが、家賃を抑えたい方にはWGはぴったりだと思います。また、同じ住居に住んでいる学生と交流できるのも良いポイントですね◎
フライブルクでの長期滞在・短期滞在を経験した私は、「フライブルクはとても住みやすい町で、叶うならずっとここで暮らしたい」といつも思っています。
「暮らしやすい」と感じるポイントとしては、先ほど述べた「治安の良さ」以外で言うと、以下の3点が挙げられます。
順に詳しく解説していきますね◎
フライブルクでは、中央駅や旧市街から市内の各住宅街までトラムの交通網が整備されており、トラムでの移動がとても便利です。
ちなみにこのトラム、移動が便利なだけではなく、騒音にも配慮されているのでとても静かなんですよ(騒音対策として一部線路の周りには緑が植えられています)。
特に大学生としてフライブルク滞在を考えている方は「Semesterticket(学期チケット)」と呼ばれる定期券を購入することで、学期中の6か月間、フライブルク市内や指定された周辺地域のトラム・バスが乗り放題になります!
価格は2025年5月時点で、1セメスターあたり96ユーロ(日本円で約15,600円)です。
また、短期滞在をされる方にもお得なチケットがありました。例えば「Welcomekarte(ウェルカムカード)」です。チケット購入日(押印日)を含む3日間、フライブルク市内や指定された周辺地域のトラム・バスが乗り放題になります。
さらに、このチケットがあればフライブルク市内の美術館に無料で入場でき、市内・劇場見学の際に2ユーロ割引がききます。
「トラムで移動したいだけ」という方は個別に乗車券を買った方が安く済むケースもありますが、芸術鑑賞もしたい方にはおすすめのチケットです◎
また、フライブルクではスーパーや薬局が旧市街の中だけではなく、住宅エリアのすぐ近くにも多くあることが魅力的だなと感じます。
私が留学時代に住んでいたフライブルク大学の寮・StuSieの目の前にはスーパーのEdekaがありますし、旅行の際に滞在したBlack F TowerというAirbnbのような施設の周辺にも、いくつかのスーパーやdm(薬局チェーン)があり、日常的な買い物がとてもしやすかったです。
近くにお店がなかったとしても、フライブルクはトラムで旧市街にすぐ行ける比較的小規模な町です。私が住んでいたStuSieも、トラムに乗れば旧市街まで約10分ほどでした。そのため、買い物に関して不便さを感じることは特にありませんでした。
初めにフライブルク市の紹介で触れたように、この町はドイツで最も日照時間が長い町のひとつなため、お天気の良い日が多く過ごしやすいです。
また、黒い森の近くにあり、環境に配慮したまちづくりをしているため自然がとても豊かです。
住宅街の中にいても周りに緑が多く、木々の匂いを濃く感じられたり、鳥の鳴き声が聞こえたりと、まるでどこにいても森の中にいるように感じられます。
フライブルク大学の学生寮は市内に点在していますが、私が住んでいたAm Bischofskreuz駅前のStuSieのすぐ側には、Seeparkという大きな公園があります。Flückigerseeという約10ヘクタールの大きさの湖を囲む公園ですが、ここではバーベキューや昼寝、ジョギング、中には水泳をする人がいたりと、自然豊かな環境で余暇を楽しむことができます。
また、フライブルクにはSchlossbergという丘や、Schauinslandという標高1,284メートルの山もあり、自然の中でハイキングをしたり、ロープウェーで山の頂上にのぼり、景色を楽しんだりすることができます。
旧市街のすぐ側にはDreisamという川もあるので、川沿い散歩がとても気持ちよくおすすめです◎
フライブルクは比較的小さい町ながら、文化的な施設も実はとても多いんです。
5つの市立美術館・博物館の他にも、大学博物館や数多くのギャラリーが存在します。また、映画館、劇場、コンサートホールなど、余暇や芸術鑑賞を楽しみたい方にぴったりの施設が揃っています。
さらに、電車やバスで1時間ほどの場所には、Europa-Parkという遊園地もあります。私も実際に長期留学中は、友だちと映画館に行ったり、語学コースのメンバーでEuropa-Parkを訪れたりして楽しい時間を過ごしました。
最後に、2025年のフライブルク短期滞在についても触れておこうと思います。
今回の旅の目的は「がっつり観光をすること」ではなく、実際に現地で留学生として暮らしていた頃のように「フライブルクでの暮らしを体験すること」でした。
そのため、旅行中はフライブルク以外の町を訪れることはしませんでした。
また、滞在場所もホテルではなく、Airbnbに近いスタイルの施設(Black F Tower)を選び、自分の部屋にいるのと近い感覚でキッチンで料理をしたり、部屋でテレビを見ながら食事をしたりできるようにしました。
ただし、この旅行スタイル・滞在方法にはメリットだけではなく、ほんの少しだけデメリットもあったように感じます。その点をご紹介していこうと思います。
今回滞在したBlack F Towerでは、とても良い時間を過ごすことができました。
通常のホテルや宿であれば、例えば朝食時間に合わせて早く目覚めないといけないといった時間の制約がありますが、Black F Towerでは自分でスケジュールを決めてのんびり過ごすことができました。
まさに「現地で生活している感覚」が得られてとても嬉しかったです。
ただ、逆に言うと、「小さな宿に泊まって、朝食時間に宿の方とドイツ語で会話する」「現地の食材を使った美味しい手作りの朝食を食べる」「歴史あるホテルに宿泊する」といった貴重な経験ができなかったのは少し残念でした。
ちなみに今回滞在したBlack F Towerは、Easy GermanのYoutube動画を見ているときにたまたま見つけました。フライブルクを紹介する動画の中でプロモーションされており、ちょうど旅行を検討していた時期だったので、目的に合う滞在場所が見つかってラッキーだったと思います。
もしかすると今後も各地域の紹介動画で宿泊施設がプロモーションされることもあるかもしれないので、チェックしておくと良いかと思います◎
留学中にフライブルク以外の町を訪れる際は、よく宿泊予約サイトを使って宿を探していました。
当時(2013~2014年)の日本円価格で5,000円程度で泊まれる宿も多く、かつ可愛らしい雰囲気の宿も見つかりやすかったので、そうした場所に泊まっていました。
ただ、こじんまりとした値段の安いお宿については、町の中心地や中央駅から離れた場所に位置していることも多いです。
私は一度宿が見つからず道に迷い、重い荷物を持って2時間ほど歩き続け、途中で歓楽街の側を通ってしまうなど、少し怖い思いをしたこともありました。
慣れない土地では特に、多少値段が上がっても中心地近くの宿をとることを強くおすすめします。
皆さんは外国を観光するとき、どのような場所を訪れたいと思うでしょうか?
滞在型旅行は日常生活の延長として、例えば「自然の中でのんびり過ごしたい」「綺麗で明るい街並みを見て、その中で散歩したい・ゆっくり過ごしたい」といった方にはぴったりの旅行スタイルだと思います。
ただ、滞在型旅行でひとつの町に留まる場合は、「がっつり観光した!」という気持ちが薄れてしまうことは否めないです。
旅行の目的や滞在場所にもよりますが、複数の町を訪れ、例えばお城や宮殿、美術館などをがっつり観光した感覚を味わいたい方は、やはりツアーなどに参加するのが良いかと思います。
いかがでしたでしょうか?
この記事を通して、フライブルクという町の魅力や雰囲気が少しでも皆さんに伝わっていれば幸いです。
最後になりますが改めて、フライブルクは次のような方にとてもおすすめできる町です。
多くの方がいつかフライブルクに足を運んでくださることを願っています◎
執筆・編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)