ドイツ語不定冠詞類 ein, mein, kein の活用はこう覚える【総まとめ】
実は所有冠詞や否定冠詞は、不定冠詞 ein の仲間で、不定冠詞類と呼ばれています。
そのため、不定冠詞の変化をしっかり覚えれば、所有冠詞や否定冠詞にもその変化を応用できるんです!
この記事では、不定冠詞類の活用をいっしょに確認していきましょう!
目次
不定冠詞類って?
不定冠詞類には、mein(私の), dein(君=du の)のような所有を表す所有冠詞と、否定を表す否定冠詞 kein があります。
mein や kein は不定冠詞 ein と同じように変化するので、ein を理解できていれば応用が利きます。
それぞれの所有冠詞が分からない人は、下の表を参考にしてください。
※dieser や welcher などの定冠詞類の文法的な変化は、定冠詞 der, die, das と同じです。この記事で扱う不定冠詞類とは違います。
これについては以下の記事も参考にしてみてください:
否定冠詞 kein は不特定の普通名詞を否定するときに使います。
例)Ich habe kein Geld.
私はお金がありません。
Ich bin kein Student.
私は学生ではありません。
keinとnichtの違いに関する記事も、ぜひ参考にしてみてください!
mein や kein が不定冠詞 ein と同様の変化をすることがわかったら、次は ein の復習をしましょう!
不定冠詞 ein の変化をおさらい
不定冠詞の変化表は以下の通りですね。
※複数形に不定冠詞は存在しませんが、とりあえず表のように (eine), (eine), (einen), (einer) が隠れていると考えてください。後の mein の変化表で役立ちます。
ポイントは3つです。
- 男性名詞と中性名詞、女性名詞と複数形はそれぞれ似ている
- 1格と4格は似ている
- 1格と4格から覚える
①男性名詞と中性名詞、女性名詞と複数形はそれぞれ似ている
上の変化表をヨコに見ましょう。
1格の ein Vater と ein Kind や2格の eines Vaters と eines Kindes のように、男性名詞と中性名詞は非常に似ているのでまとめて覚えましょう。
さらに、1格の eine Mutter と(eine)Eltern や2格の einer Mutterと(einer)Elternのように、女性名詞と複数形も非常に似ているのでこれもまとめて覚えましょう。
したがって、ドイツ語の名詞の性別はおおまかに(男性・中性)と(女性・複数)の2つに分けて考えることができます。
②1格と4格は似ている
変化表をタテに見ましょう。
中性の ein Kind(1格)と ein Kind(4格)、女性の eine Mutter(1格)と eine Mutter(4格)のように、1格と4格は非常に似ているのでまとめて覚えましょう。
したがって、ドイツ語の4つの格はおおまかに(1格・4格)と(3格)と(2格)の3つに分けて考えることができます。
③1格と4格から覚える
ドイツ語の4つの格を一気にすべて覚えようとして苦労する初学者の方が多いです。
たしかに、最終的にすべて覚えなければなりませんが、実際に使われる頻度が高い1格(~が)と4格(~を)から覚えてみるのはどうでしょうか?少し気が楽になりませんか?
ポイント①、②をまとめると下の表のようになりますね。ぜひ、1格と4格からマスターしてください!
mein は不定冠詞 ein の仲間(=不定冠詞類)
では、本題の不定冠詞類(ここでは mein )の変化表を見ていきましょう。ポイントは ein → mein と置き換えることです。
先ほどの変化表の ein を mein に置き換えるだけで完成です。よく見比べてみてください。
1格/N.を使った例文
男性:Mein Mann ist Japaner.
私の夫は日本人です。
中性:Mein Kind geht noch zur Schule.
私の子どもはまだ学校に通っています。
女性:Das ist meine Freundin.
こちらは私の彼女(ガールフレンド)です。
複数:Meine Eltern kommen aus Hokkaido.
私の両親は北海道出身です。
4格/A.を使った例文
男性:Ich habe meinen Regenschirm dabei.
私は私の傘を持っています。
*dabei:手元に
中性:Ich bekomme mein Paket noch nicht.
私はまだ私の荷物を受け取っていません。
女性:Ich suche meine Tasche.
私は私のカバンを探しています。
複数:Ich muss meine Hausaufgaben für morgen machen.
私は明日の宿題をしなければなりません。
1格と4格の例文を見比べてみてください。
やはりそれぞれの性の、1格と4格の冠詞の形が似ていることがわかりますよね!(男性のみ形が異なるので注意)
3格/D.を使った例文
男性:Sie helfen meinem Mann.
あなたは私の夫を助けます。
*jm(人3格) helfen:(人を)助ける
中性:Er schenkt meinem Kind ein Spielzeug.
彼は私の子どもにおもちゃをプレゼントします。
女性:Sie geben meiner Tochter Geld.
あなたは私の娘にお金をあげます。
複数:Ich danke meinen Kollegen.
私は私の同僚たちに感謝します。
男性・中性3格の冠詞は同じ形をしています。
女性3格と複数3格の冠詞の形は異なっているので、注意しましょう!
2格/G.を使った例文
男性:Hier ist das Haus meines Chefs.
ここに私の上司の家があります。
中性:Das ist das Zimmer meines Kindes.
これは私の子どもの部屋です。
女性:In der Nähe meiner Uni gibt es viele Restaurants.
私の大学の近くに、たくさんレストランがあります。
複数:Die Adresse meiner Eltern hat sich geändert.
私の両親の住所は変わった。
男性・中性の2格と、女性・複数の2格の冠詞はそれぞれ同じ形をしているので、まとめて覚えられますね!
その他の不定冠詞類
では mein と同じように、冒頭に紹介した他の不定冠詞類も置き換えてみましょう。
どんな変化表になるか一度考えてみて、それから実際の表を確認してみてください!
dein:君の
sein:彼の、それの
ihr:彼女の、彼ら・彼女らの
unser:私たちの
※unser, euer では語幹の「e」の音が省かれることがあります。
euer:君たちの
※unser, euer では語幹の「e」の音が省かれることがあります。
Ihr:あなた(がた)の
※所有冠詞 Ihr(あなた(がた)の)は大文字で始まり、ihr(彼女の、彼ら・彼女らの)は小文字から始まりますので注意しましょう!
kein:〜ない(否定冠詞)
まとめ
では、不定冠詞類のポイントを最後にもう一度確認しておきましょう!
- 所有冠詞 mein, dein や否定冠詞 kein は不定冠詞類に属し、ein のように変化する
- 「男性と中性は似ている」、「女性と複数形は似ている」、「1格と4格は似ている」を意識しよう
- まずはよく使う1格と4格から覚えよう
- 不定冠詞類の変化を考えるときは、ein を置き換えよう
編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)