今日は使役動詞を勉強しようか!
lassen を使うんだよね?
そうだよ。でも lassen は使役以外の用法もあるんだ。
よーし、lassen をマスターするぞ〜!
今回は、使役動詞(英語: let)lassen について詳しく解説していきます!使役以外にも使われる用法があるので、じっくり学習していきましょう^^
目次
はじめに使役とはどのような文を指すのか説明します。
ある行為を他人に行わせることを使役といい、「◯◯(誰か)に〜してもらう(させる)」というような文です。
英語では let, have, make といったような動詞が使役動詞の代表ですが、ドイツ語では lassen を使って表現できます。
まず、lassen の活用を確認しておきましょう。
ich | lasse | wir | lassen |
du | lässt | ihr | lasst |
er/sie/es | lässt | Sie | lassen |
現在形 – 過去形 – 過去分詞
lassen – ließ – lassen / gelassen
過去分詞の形がどうして lassen と gelassen の2種類あるの?と思われるかもしれません。
実は条件によって使い分けなければいけないんです。後ほど解説していきます!
lassen の使い方を、さっそく例文と一緒に見ていきましょう!
洗濯機壊れちゃった!
自分で直すの?
ううん、修理してもらうよ〜。
最後のネコくんの発言に、使役が使われていますね。
この会話をドイツ語に訳すとこうなります。
Die Waschmaschine ist kaputt gegangen!
Reparierst du sie selbst?
Nein, ich lasse sie reparieren.
ポイントは、「修理する」の動詞 reparieren が不定形(=原形)ということです。
重要
lassen + 動詞の不定形(文末)で、「〜してもらう(させる)」という使役を表現できる。
先ほどの例文がもし、
電子技術者に修理してもらうよ〜。
だったらどうなるのでしょう?
先ほどと違うのは「誰に」が入っていることですね。
Nein, ich lasse sie vom Elektriker reparieren.
覚えよう!
「誰かに〜してもらう(させる)」の「誰か」は、通常4格で書きます。
例)Ich lasse sie den Elektriker reparieren.
ただしこの例文のように動詞が他動詞(4格の目的語を取る動詞)の場合、「誰か」をvon + Dat(3格)で書くことも多いです。
lassen + Akk(4格)/ von+Dat(3格)+ 動詞の不定形で「誰かに〜させる、許可する」となります。
例文)
Ich lasse meinen Sohn das Auto waschen.
僕は息子に車を洗わせる。
Eine Freundin von mir hat mich eine Stunde lang warten lassen.
私の友達は私を1時間も待たせた。
※使役動詞として lassen を使う場合、過去分詞は lassen のままにします。
「髪を切ってもらった」と言いたいとき
美容院で髪を切ってもらった際、日本語では「昨日髪切ったんだよね〜。」と言ってもあまり違和感はありませんよね。
でもドイツ語で „Ich habe gestern meine Haare geschnitten.“ と言ってしまうと、
„Wow! Hast du dir selbst die Haare geschnitten?!“(ええ!自分で髪切ったの!?)となってしまいます…!
なので美容院で切ってもらった際は、次のように言いましょう!
Ich habe mir gestern die Haare (vom Friseur) schneiden lassen.
昨日美容院で髪切ってもらったんだ。
ちなみに日常では „Ich war gestern beim Friseur.”(昨日美容院にいたよ)のように、lassen を使わず表現することが多いです。
上記の解説を参考にしながら、次の内容をドイツ語で何と言うか考えてみましょう。
答えを見る
「修理させる」や「髪を切ってもらう」といったような動作の使役以外にも、状態の使役というものがあります。
例えば「そこにいさせる」「置いておく」「残しておく」といったようなものです。
例文)
Ich lasse die Weinflasche hier (liegen).
ワイングラスをここに置いておくね。
*liegen は無くても大丈夫!
Lass mir noch ein bisschen Kaffee bitte!
私にコーヒー少し残しておいて!
Lass mich allein!
ひとりにさせて!
この場合、文末に動詞の不定形が無くても、状態の使役として lassen を用いることが可能です。
また、文末に動詞の不定形がなくかつ時制が現在完了の場合、lassen ではなく gelassen の形を取ります。
上のワイングラスの例文を現在完了形にすると、以下の文になります。
①動詞の不定形あり
ㅤIch habe die Weinflasche hier liegen lassen.
②動詞の不定形なし
ㅤIch habe die Weinflasche hier gelassen.
他の例文もぜひ参考にしてください。
Wo habe ich meinen Schlüssel gelassen?
鍵どこに置いたかな?
Das Gepäck habe ich am Bahnhof gelassen!
荷物を駅に置いてきちゃった!
lassen を使った便利な表現
Lass uns…! の形で、「〜しよう!」と相手に提案をすることができます。
友だちや知り合いを何かに誘うとき、ぜひ使ってみてくださいね(^^)
Lass uns morgen ins Café gehen!
明日カフェに行きましょう/行こう!
使役動詞の lassen が持つ2つ目の意味は、許可です。
すなわち dürfen の類義として使用できます。
母親は子ども達に映画館へ行く許可をする。
先生は生徒たちに辞書を使ってもよいと許可をした。
このような文章は通常、 ①dürfen や ②erlauben を使って書くことができますよね。
①Die Kinder dürfen ins Kino gehen.
②Die Mutter erlaubt den Kindern, ins Kino zu gehen.
①Die Schüler durften ein Wörterbuch benutzen.
②Der Lehrer erlaubte den Schülern, ein Wörterbuch zu benutzen.
このようになります!
参考:ドイツ語“dürfen”を分かりやすく徹底解説!マスターしよう!
実はこの文章、lassen を使って書くこともできるんです!
Die Mutter lässt die Kinder ins Kino gehen.
Der Lehrer ließ die Schüler ein Wörterbuch benutzen.
使役の時と同じように、lassen + 動詞の不定形の形にします。文法上の違いはないため、使役なのか許可なのかは文脈で判断しましょう。
覚えよう!
lassen + 動詞の不定形で「〜してよい」という許可を表現できる。
lassen の3つ目の意味、それは「〜できる」という可能です。
können の類義となりますので言い換えて表現することができますが、いくつか気を付けなければならないことがあります。例文で確認していきましょう!
例1 )このパンは簡単に切れない。
この日本語を、助動詞 können を使ったドイツ語の文にすると、以下のようになります。
Man kann das Brot nicht leicht schneiden.
もしくは、受動態でも書くことができますね。
Das Brot kann nicht leicht geschnitten werden.
この文章を lassen を用いて書くと、
Das Brot lässt sich nicht leicht schneiden.
となります。つまり「このパンは簡単に切られることはできない」と、「〜され得る」という意味を持っています。
ポイント
例2)このテキストは簡単に翻訳できる?
ドイツ語では、
Kann man diesen Text leicht übersetzen?(能動文)
もしくは
Kann dieser Text leicht übersetzt werden?(受動文)
となります。
この文章を lassen を用いて書くと、このようになります。
Lässt sich dieser Text leicht übersetzen?
注意点は、能動文から lassen を用いた文に書き換える際、主語が異なるということです(受動文からの書き換えの際は、主語はそのままです)。
すなわち sich4 lassen + 動詞の不定形は、受動文の言い換え表現と言えます。
覚えよう!
sich4 lassen + 動詞の不定形で「〜され得る」という可能を表す、受動文の言い換え表現を作ることができる。
lassen は話法の助動詞と同じように、「lassen + 動詞の不定形(文末)」の形で使うのが基本です。
しかし実は、この話法の助動詞と lassen 以外にも、動詞の不定形を文末に置く動詞があります。
それが hören, sehen, fühlen といった知覚動詞というものです。
例文)
Ich höre den Hund bellen.
犬が吠えているのが聞こえる。
Gestern habe ich dich weinen sehen(gesehen).
昨日君が泣いているのを見たよ。
※過去分詞は lassen と同様、動詞の原形と同じ形(ここでいうと sehen)になることが多いですが「絶対」ではありません。
これらの知覚や感覚に関する動詞は lassen と同様、「知覚動詞 + 動詞の不定形(文末)」の形で使われます。
動詞が2つ、しかも文末に不定形…これは間違いなんじゃ?と思われる方もいるかもしれませんが、実は間違いではないので、この文法も頭の片隅に入れておいてくださいね^^
実は知覚動詞以外にも、lernen, helfen や machen などといった動詞も、文末に動詞の不定形を置いて使うことができます。
Ich lerne im Moment kochen.
まさに今料理を勉強しています。
Meine Mutter hilft immer unserer Oma essen.
母はいつも祖母の食事の手助けをする。
たくさんドイツ語を読んでいくなかで「あ、この動詞も文末に不定形をとれるのか!」と、知識を広げる意識ができるといいですね!
使役動詞 lassen について見てきましたが、最後にもう一度、意味を整理してみましょう。
ドイツ語の試験などでもよく言い換え表現が求められることがありますが、lassen もよく出てくるものの一つです。
日常でも意識しながら lassen を使ってみてくださいね!
覚えよう!
lassen + 動詞の不定形
文末に動詞の不定形がなくてもOK
→ 状態の使役「~のままにしておく」
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この記事を書いた人: Kaori
大学でドイツ語文学部(Germanistik)を専攻、卒業後ドイツで1年間語学留学しました。私もまだまだドイツ語を勉強中ですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
一緒にドイツ語を高めていきましょう♪
編集: komachi (Vollmondドイツ語講師)
ㅤㅤㅤkosuzu (Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック: nico (Vollmondドイツ語講師)