ドイツ語動詞の前綴りの種類と意味【まとめ】

 

ドイツ語の動詞って、例えばziehen(引く)とerziehen(教育する)みたいに、前に何かがくっついて意味が変わるパターンが多いよね。
そこに気付くのは鋭いね!この動詞の前にくっつくer- のようなものは「前綴り」といって、どの前綴りがくっつくかによって意味も変わるんだ。

 

へえ!じゃあ、erziehen の er- はどういう意味なんだろう?そういえば、erfinden(発明する)という動詞にも同じ er- が使われているよね。
何かイメージが浮かんできたかな?一緒に考えていこう!

 

この記事では、種類ごと(分離・非分離)に代表的な前綴り(Präfix)の意味を見ていきます!

単語を覚えるイメージの参考にして下さいね♩

分離動詞の前綴り

分離動詞の前綴りは前置詞由来のものが多いため、イメージしやすいと思います。

ab-「離れる」

☆基本となるイメージ:「離れる」

[分離]:例. ab|fahren(出発する)

[減少]:例. ab|nehmen(減少する)

[取り消し]:例. ab|bestellen(注文を取り消す)< bestellen(注文する)

an-「くっつく」

☆基本となるイメージ:「くっつく」

[接続]:例. an|binden(結びつける), an|haben((衣類を)身に着けている;(靴などを)履いている)

[接近]:例. an|kommen(到着する), an|sprechen(話しかける)

[開始]:例. an|fangen(開始する)

[~の方に]:例. an|sehen(見つめる)

auf-「上へ」

☆基本となるイメージ:「上へ」

[上へ]:auf|steigen「(車・列車などに)乗る」

[開くこと]:例. auf|machen「開く」, auf|schließen(鍵で開ける)

[終了]:例. auf|hören(やめる), auf|geben(断念する)

aus-「外へ」

☆基本となるイメージ:「外へ」

[外に、外へ]:例. aus|gehen(外出する), aus|steigen((車・列車などから)降りる), aus|sprechen(発音する;(意見などを)述べる)

[拡張]:例. aus|dehnen(伸ばす;延ばす)

[終了]:例. aus|lernen(修行を終える), aus|lesen(読み終える)

[分離・除外]例. aus|schließen(締め出す, 除外する)

ein-「中へ」

☆基本となるイメージ:「中へ」

[内部への方向]:例. ein|treten(入る), ein|setzen(入れる)

[ある状態への変化]:例. ein|schlafen(眠りに入る)

mit-「一緒に、携えて」

☆基本となるイメージ:「一緒に、携えて」

[共同]:例. mit|arbeiten(協力する)

[分かち合うこと]:例. mit|leiden(同情する)

[携帯]:例. mit|nehmen(持っていく, 持ち帰る)cf. Mitnehmen((飲食店などの)テイクアウト)

nach-「追う」

☆基本となるイメージ:「追う」

[追随]:例. nach|folgen(~を追う)

[劣ること]:例. nach|stehen(~にひけを取る) cf. Nachteil「不利, 短所」

[追及]:例. nach|denken「熟考する」

[模倣]:例. nach|ahmen(まねをする)

[持続]:例. nach|wirken(あとまで影響をおよぼす)

vor-「前へ」

☆基本となるイメージ:「前へ」

[前に、前へ]:例. vor|liegen(~の前(手元)にある)

[前もって]:例. vor|bereiten(準備する)

[模範]:例. vor|machen(やってみせる)

zu-「加えて」

☆基本となるイメージ:「加えて」

[付加・添加]:例. zu|nehmen(増える), zu|fügen(加える)

[閉鎖]:例. zu|machen(閉じる), zu|schließen(鍵で締める)

 

非分離動詞の前綴り

非分離動詞の前綴りは抽象的な意味を持つものが多く、また他の品詞(名詞、形容詞)を動詞化するなどの役割をもったものがあるのが特徴です。

be-

[自動詞を他動詞に]:例. beantworten(~に答える)< antworten(答える)
beenden(終わらせる)< enden(終わる)

[名詞・形容詞を動詞に]:例. bekleiden(服を着せる)< Kleid(服)
befreien(解放する)< frei(自由な)

ent-「取り除く」

☆基本となるイメージ:「取り除く」

[除去・離脱]:例. entdecken(発見する)< Decke(覆い)を外す
entschuldigen(謝る)< Schuld(罪, 責任)を取り除く

[対応・対向]:例. entsprechen(対応する), empfangen(迎える)
※基礎動詞がfで始まる場合はemp-の形になることがある

[生成・発展]:例. entstehen(生じる、生成する), entwickeln(発展させる)

er-「成果」

☆基本となるイメージ:「成果」

[達成・獲得]:例. erfinden(発明する), erleben(体験する), erzählen(物語る)

[内から外へ]:例. erziehen(教育する)

[結果]:例. erfolgen(起こる, 生じる), ertrinken(溺れる)

[形容詞の動詞化]:例. erfrischen(元気づける)< frisch(新鮮な)
erkranken(病気になる)< krank(病気の)

ver-「変化」

☆基本となるイメージ:「変化」

[基礎動詞と逆の意味を表す]:例. verkaufen(売る)< kaufen(買う)
vermieten(賃貸しする)<mieten(賃借りする)

[消滅・消費]:例. vergehen(過ぎ去る), verbrauchen(消費する),

[失策・錯誤]:例. sich verrechnen(計算を間違える)< rechnen(計算する)

[形容詞を動詞に]例. veralten(古くなる)< alt(古い)

zer-「著しい変化」

☆基本となるイメージ:「著しい変化」

[破壊]:例. zerbrechen(壊す), zerreißen(引き裂く)

 

分離・非分離前綴り

一部の前綴りは、分離・非分離動詞どちらの前綴りとしても使われます。

基本的には分離動詞のほうが具体的な意味、非分離動詞のほうが抽象的・比喩的意味であることが多いです。

例. über|setzen((舟で)向こうへと渡す)…分離動詞、具体的意味
übersetzen(翻訳する<ある言語から別の言語へと渡す)…非分離動詞、抽象的・比喩的意味

über-「上の方へ」

☆基本となるイメージ:「上の方へ」

[上の方へ]:例. über|legen((テーブルクロスなどを)上にかける)cf. überlegen(熟慮する)

[過度]:例. übertreiben(誇張する), über|sehen(見飽きる)

[看過・無視]:例. übersehen(無視する), übergehen(無視する)

[概観]:例. überblicken(見渡す, 概観する)

[凌駕・克服]:例. überwinden(克服する)

um-「回転」

☆基本となるイメージ:「回転」

[回転]:例. um|drehen(裏返す)

[交換]:例. um|tauschen(交換する)

[移動]:例. um|ziehen(引越しする)

[変更・やり直し]:例. um|bauen(立て直す), um|lernen(学び直す)

[包囲]:例. umfassen(包括する), umgeben(囲う)

unter-「下の方へ」

☆基本となるイメージ:「下の方へ」

[下の方へ]:例. unter|gehen((太陽・月などが)沈む)

[従属・抑圧]:例. unterdrücken(抑圧する),

[中断・中止]:例. unterbrechen(中断する), unterlassen(中止する)

[扶助]:例. unterstützen((経済的に)支援する;支持する)

 

erziehenの er- は[内から外へ]のニュアンスなんだね。人のにある可能性を外へと引き出す(ziehen)のが「教育」という考え方かぁ。
その通り!また、erfindenは見つけ出した(finden)獲得物としての「発明」ということだね。こうやって、前綴りが持つイメージから動詞を理解すると面白いし、何より覚えやすいよね。

 

いかがでしたか?ドイツ語の(非)分離動詞を覚えるコツは、このように前綴りごとに整理することです!

前綴りのイメージは辞書にも載っていますので、上の表に書き加えるなどしてオリジナルの単語リストを作ってみましょう。

 

ただ、これらはあくまでも一例ですし、中にはverstehen(理解する)のように分類できないものもあります。そうしたものはよく使われる(使用頻度が高い)単語であることが多いため、あまり深く考えずそのまま覚えてしまいましょう!

 

まとめ

この記事のまとめです◎

重要
  1. ドイツ語の前綴りには、分離動詞に使われる「分離前綴り」と、非分離動詞に使われる「非分離前綴り」の二種類がある(ただし、unter- やüber- など一部の前綴りは分離動詞・非分離動詞のどちらでも使われる)
  2. 前置詞由来の分離前綴りは具体的なイメージを持つ一方で、非分離前綴りは抽象的・比喩的な意味を持つ傾向がある
  3. 前綴りのイメージをつかむことで、ドイツ語の(非)分離動詞を覚えやすくなる
  4. 一部の(非)分離動詞は前綴りのイメージで分類できないため(verstehenなど)、そのまま覚えてしまう

 

単語を単語帳で覚えるのも大事ですが、実際に使うことで体得していくのはもっと大事です!

レッスンという形でドイツ語をアウトプットする機会を増やしてみませんか?Vollmondは完全初級者から上級者までOKです◎

 

 

この記事を書いた人:Sora

大学時代は哲学専攻の傍ら、ドイツ語の勉強に励み、ウィーンで1年間の交換留学を経験。
大学卒業後はしばらくドイツ語から離れていたものの、Vollmondをきっかけに再開。リハビリとしてB2を取得し、現在は独検1級とC1の合格を目指して勉強中。

編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)