ドイツ語の「分離動詞」って一体なに?基本の使い方をマスターしよう!

分離動詞ってどんなの?
分離動詞とは、こういった見た目の動詞です。
aufmachen(開ける)
実際の文では次のように使われます。
Max macht die Tür auf. (マックスはドアを開ける。)
aufmachenという一つの単語が、aufとmacht(machenの三人称単数現在形)とに分かれていますね。
このように、文のメインの動詞として使われるとき(難しく言うと「主文の定形として用いられる」場合)に二つに分離する動詞を、「分離動詞」と呼びます。
そして、二つに分離して、文の最後に置かれる部分を「分離前つづり」、動詞として活用する部分を「基礎動詞」と呼びます。
なお本記事では、いくつかの辞書にならって分離動詞の不定形を「auf | machen」のように縦線を入れて表記しています。パッと見て分離動詞だとわかりやすいですね◎
【ちょっと深掘り】
ズバリ!分離動詞はなぜ分離するの!?
⇒最初から一つの動詞として使われていたわけではないからです。
先ほどの例文:Max macht die Tür auf. (マックスはドアを開ける。)でいうと、元々はmacht…auf(~する+開いている)の二語で「開いているようにする」、つまり「開ける」という一つの概念を表していました。次第に、machenとaufの二つの要素がまとめて「一つの動詞」として認識されるようになり、その結果、auf | machenという「分離動詞」となったのです。
はじめから前つづりと基礎動詞がくっついていて、それを分離させていたわけではない、ということです。
分離動詞の基本の使い方
ここからは、実際に文を作ってみながら覚えていきましょう!
平叙文
おさえよう!基本ルール主語+基礎動詞+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり
○ポイント○
①基礎動詞は2番目
②どんなに文が長くなっても、分離前つづりは文末!
○例文○
Ich mache das Licht an. ※an | machen (スイッチを入れる)
私は電気を点ける。
Morgen steht meine Mutter ausnahmsweise um halb sechs auf. ※auf | stehen (起床する)
明日、私の母はいつもと違って5時半に起きる。
※ausnahmsweise (例外的に)
決定疑問文
※JaかNeinで答える疑問文のこと
おさえよう!基本ルール基礎動詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり+?
○ポイント○
①基礎動詞は1番目
②分離前つづりは文末
○例文○
Machst du bitte das Licht an?
電気を点けてくれる?
Steht ihr morgen um halb sechs auf?
みんなは明日、5時半に起きるの?
補足疑問文
※疑問詞で始まる疑問文のこと
おさえよう!基本ルール
疑問詞+基礎動詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり+?
○ポイント○
①疑問詞、動詞、主語の語順は、普通の補足疑問文と同じ
②分離前つづりはやっぱり文末!
○例文○
Warum machst du das Licht schon an?
なんでもう電気を点けるの?
Wann stehst du morgen auf?
明日何時に起きるの?
副文内で用いる場合
おさえよう!基本ルール主文+接続詞+主語+(あれば目的語、副詞など)+分離前つづり×基礎動詞定形
○ポイント○
前つづりと人称変化させた基礎動詞とをくっつけて、副文の文末に置く
○例文○
Ich warte darauf, dass er das Licht anmacht.
(元の文:Ich warte darauf. / Er macht das Licht an.)
彼が電気を点けるのを待ってるの。
Deine Mutter sagt, dass du morgen um halb sechs aufstehst.
(元の文:Deine Mutter sagt. / Du stehst morgen um halb sechs auf.)
お母さんは、君が明日5時半に起きるって言ってるよ。
【レベルアップ】
分離動詞を「zu不定詞」として使う場合には、
分離前つづり+zu+基礎動詞 の形になります。
例文:
Dem kleinen Kind war es nicht möglich, das Licht anzumachen.
その小さな子どもには、電気を点けることはできなかった。
※möglich (可能な)
Um halb sechs aufzustehen ist mir unvorstellbar!
5時半に起きるのなんて、私には考えられない!
※unvorstellbar (想像できないような)
zu不定詞の詳しい使い方はここをチェック!^^
分離動詞の人称変化
おさえよう!基本ルール基礎動詞部分を、普通の動詞と同じように変化させればOK!
「los | fahren(出発する)」の例
基礎動詞部分に注目してみましょう。
比較してみると、不規則動詞「fahren(乗り物で行く)」と全く同じ変化になっています。
過去分詞の作り方
ドイツ語で過去のことを話すときは、基本的には「現在完了形」を使うことが多いですが、そのときに使うのが「過去分詞」です。
おさえよう!基本ルール分離前つづり×基礎動詞の過去分詞
○例文○
Du bist schon losgefahren.
君はもう出発している。
これをまた「fahren」の場合と比較してみましょう。
Du bist mit der Bahn gefahren.
君は電車で行った。
losgefahrenは分離動詞の過去分詞なので、分離前つづりlosがgefahrenに結合していますが、基礎動詞部分のgefahrenはfahrenの場合と同じ形であることがわかると思います。
まとめ
今回は、使い方が独特な「分離動詞」の基本を解説しました。
覚えよう!①基礎動詞の位置は、普通の動詞を使うときと同じ!
平叙文:第2位
決定疑問文(Ja/Nein疑問文):文頭
補足疑問文(疑問詞疑問文):第2位
②上記のいずれの場合も、分離前つづりは文末!
③副文の中では、副文のルール通り基礎動詞は文末。このとき、前つづりと基礎動詞はくっつけて書く!
分離動詞は日常生活でよく使う動詞にも多いです。実際の文にたくさん触れて、使い方に慣れていきましょう^^
この記事を書いた人
めい
Vollmondドイツ語講師兼ライター。
ドイツの大学で言語学を専攻。卒業後はメーカーの海外窓口業務を経て、翻訳会社にて日英・独日翻訳及び校正を担当。2018年9月よりオンラインドイツ語講師として活動中。
講師紹介ページ:詳しいプロフィールなどはこちらから◎
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