国際結婚でスイスに移住:2年でドイツ語C1合格までの葛藤と勉強法

皆さんこんにちは、Vollmondでドイツ語講師をしています、Yukaです。

今回は私がドイツ語をC1まで勉強するに至った経緯、ドイツ語学習の仕方、おススメの参考書などについて書いていきたいと思います。

略歴プロフィール

Yuka先生のプロフィールは詳しくはこちらから確認してね!

2015.3 英文学部卒業

2015.4 – 2017.3 中学校英語教師

2017.6 スイス移住

2017.9 語学学校に通い始める(A1から)

2018.6 カフェでバイトを始める (B1頃)

2019.12 Goethe C1 取得

2020 – Vollmondドイツ語講師

2021.2 ベルン大学大学院(Soziolinguistik)進学予定

勉強するに至った理由

私は大学で英文学を学んだ後、中学英語教師として日本で働いていました。英語を使って色んな人とコミュニケーションがとれることが楽しく、英語の魅力にどっぷりつかっていました。

なので、結婚しスイスへ移住することになるまではドイツ語とは全く無縁の人生を送っていました。

スイスへ移住後はとりあえず
・安心して現地で過ごせるようになる。
・義理の家族と会話が出来るようになる。

まずはこの2つを目標にドイツ語を勉強してみようと思いドイツ語学習をA1からスタートしました。

英語と似ているんだろうなぁ、なんていう楽観的な考えはドイツ語学習をスタートした時点で打ち砕かれ、私にドイツ語なんて話せるようになるのか?という不安しかない日々を過ごしていました。

ドイツ語学習に対する葛藤

「とにかくこの国でも自立して、少なくとも自分のことは自分でできるようになるんだ」という思いが強くなっていくにつれ、ドイツ語学習に対する焦りや葛藤も増えてきました。

英語が好きなのにどうして私はドイツ語を勉強しないといけないんだ?とドイツ語学習の目標を見失うことも多く、英語での会話に頼ってしまうことも多々ありました。

今ではそれはそれでよかったと思っていますが、とはいえ「ドイツ語を勉強しているのに英語で接してしまうのは何だか悔しいな」という気持ちもありました。

ドイツ語で何かを伝えようとすると、子供みたいな表現しか使えず焦ってしまう。でも英語を使うとそれはそれで悔しい気持ちになる。

この気持ちのバランスを整えるのが難しかったです。

私のように外的要因からドイツ語を学んでいる人はこんな葛藤があるかもしれませんが、ドイツ語が嫌いにならないよう、継続的な学習が出来ることを目標に、自分にとってハードルの低い設定をすることが大切なんじゃないかと思います。

焦らなくても、毎日少しずつでもドイツ語に触れていくことが継続的なドイツ語学習に一番大切なことだと私は思っています。

C1まで続けた理由

上に書いたような葛藤や思いがある中、それでもドイツ語学習を続けることができたのは、ドイツ語を使って人とコミュニケーションを取る楽しみがあったからです。

郵便局や病院でのやりとり、近所の人との挨拶やコミュニケーション、現地の友人や家族との会話。

始めは英語で返されたりもすることもあり心が折れそうでしたが、少しずつでも日常生活でドイツ語を使うという小さな課題を自分に与えることで、次はもうちょっと挑戦してみよう!などドイツ語を使うことを前向きに思える機会が増えました。

また、周りにいるドイツ語を話せる人達の姿を見て「やはりかっこいいな」と思っていました。

そういった人は、もとからドイツ語に興味があったり、長く現地に在住していたり、自分とは全く違う地点からドイツ語学習をスタートしていた人たちなので、正直羨ましいなと思う気持ちもありました。

しかし「ドイツ語が話せるようになったら日本でしたいと思っていたことも現地で出来るようになるのかも」と思い、「ドイツ語が話せるようになる」という目標から、「ドイツ語を使って仕事や勉強ができるようになる」が自分にとっての新たな目標になりました。

「現地の大学院に通ってもう一度自分の興味のあることを勉強したい」というのがまずは目標だったので、大学入学に必要とされるC1レベルまで勉強することになったのです。

移住後は日本では出来ていたであろうことが出来ない現実に不安や葛藤もありましたが、ドイツ語を学ぶにつれ、スイスや他のドイツ語圏の国についても深く知ることができ、また現地の人ともより円滑にコミュニケーションがとれるようになりました。

結局ドイツ語を学び続けた結果、日本でしたいと思っていたことにも挑戦でき、場所に囚われず自己実現が出来るようになったのが私にとってとても喜ばしいことでした。

A1→C1までの勉強方法

私は移住後1年はビザの関係上、1週間に20時間学校で勉強しないといけなかった為、午前中は学校の授業(90分)午後はその学校のフリースペースで自習(90~120分程度)をしていました。

A1~C1まで現地の語学学校に通っていました。

基本的には各レベル別に

A1~A2:授業の復習、単語をとにかく覚える

B1:授業の復習、単語、Deutsch Perfektの記事(Einfach~Mittel)、ラジオを聞く

B2:授業の復習、単語、Deutsch Perfektの記事(Mittel~Schwer)、Podcast を聞く

C1:授業の復習、単語、Deutsch Perfektの記事(Schwer)、もしくはZeitの記事を1つ、ニュースやPod Castを聞く

というような学習法を取っていました。

単語勉強

単語の暗記は書いて覚えるのではなく、自分で作ったオリジナルの単語帳に例文を書いたり、辞書や教科書で読んだ文を抜粋したりして黙読したり家にいる時は声に出して読んだりしていました。

B1. B2. C1

B1以降は授業で使われる教材以外に Deutsch Perfekt を読んだり、学校の行きかえりにDWの Langsam gesprochene Nachrichten をアプリで聞いたりしました。

▶︎ドイツ語の語彙・表現力を鍛えるなら「Deutsch perfekt」(A2以上向け)

▶︎Deutsche Welleを活用してドイツ語のリスニングトレーニング!〜中級者向け〜

B2のコースを受ける時にはTelc B2を受けることを既に目標にしていたので、試験前に長い文を読むのに慣れておこうと思い Deutsch Perfekt の難易度の高い記事を読みました。

またLangsam gesprochene Nachrichtenではなく普通のスピードのニュースを聞いたり、Podcast で Auf Deutsch gesagt を聞いたりしました。

▶︎ドイツ語勉強におすすめのポッドキャスト5選(おすすめエピソードも♩)

C1のコースを受ける時は試験を受けるかは決めていませんでしたが、ドイツ語圏の時事ネタや文化を知るためにもと思い、Zeitの新聞記事を読むようにしました。

その他テレビをドイツ語で見るようになったり、Netflixなどもドイツ語の字幕を付けてみたりしていましたが、自分にとって楽しい時間をすべてドイツ語の勉強目的にしてしまうと、ドイツ語が嫌になってしまうと思ったので、あくまで今日はドイツ語で見ようかな~という気分の時のみそういったことをしていました。

この記事を読んで、一日に学校の勉強以外に90~120分、自分で勉強しないと!と思った方がいるかもしれませんが、自身も毎日それが出来ていたわけでは正直ありません。疲れた日、面倒くさい日は休養日と思ってドイツ語を勉強しない日もありました。

語学学習のペースは人によって様々なので、まずは自分の生活スタイル・目標に合った、無理のない学習計画を立てることが大切です。

おススメの教材

いくつかの教材を使ってきましたが、その中でも私がおススメしたい文法書や参考書を紹介します。

文法編

まず、文法を勉強したい人には Cornelsen の『Grammatik aktiv』をおススメします。

上はA1~B1、下はB2~C1の文法が分かりやすくまとめられています。

練習問題がたくさんあるので、苦手な文法をおさらいするときにも有効です。

語彙・表現編

B2以降語彙力や表現力を増やしたい、という人には Verlag Liebaug-Dartmann の『Übungsgrammatik für die Mittelstufe』『Übungen zum Wortschatz der deutschen Schriftsprache』をおススメします。

Grammatik aktivとは対照的に、文字だけですべて説明されている見た目はかなりシンプルな教材です。

前者は語彙・文法に特化していて、後者は語彙・ドイツ語の書き言葉(主に論文や新聞などで使われるような)に特化しています。

両方C1の試験を受ける時に使いましたが、もっと早く出会っておきたかった参考書です。

悩む人に伝えたいこと

ドイツ語学習といえどスタートする時期や、その学習へのモチベーションは様々です。

留学や進学、仕事の為にドイツ語を学ぶ人。私のように海外で自己実現をする為の手段としてドイツ語が必要な人。

私も講師といえどドイツ語を学習している立場の人間ですので、生徒さんの学習意欲に日々自分自身も刺激を受けています。

こうしてドイツ語をC1まで勉強したことで、人に何かを教える仕事に就けて、楽しい時間を過ごせるようになりましたが、そんな姿は3年前には想像もつきませんでした。

Vollmondの講師応募条件の1つが「ドイツ語力C1以上」だよ!

また、現地で仕事が出来るようになり、進学を目指せたのもドイツ語を勉強してきたからこそ。試験を受ける前は緊張するし、不安もあったけど、その壁を乗り越えると自分にも自信がつくし、自分が今は無理だと思っている新たなことにも挑戦できるようになります。

「学習歴2年でC1合格は無理だよ」と私は何度も人に言われました。正直言語の資格は持っていたとしても、どれだけ使えるかが大事なのでそんなに重視する必要はありませんが、私の場合は試験勉強を通してドイツ語を伸ばすことができました。

今、もうドイツ語は嫌だ~。だけど話せるようになりたい~!と思っている人がいたら、私はその方の気持ちがとっっても理解できます。ここで諦めずに、とりあえずは次のレベルの試験を受けてみませんか?

▶︎違いがよくわかる!ドイツ語資格試験【総まとめ】

きっとドイツ語とそれぞれの人に色んなストーリーがあると思いますが、ドイツ語が話せるようになって、場所に関係なくやりたいことをしたい!ドイツ語学習をいつまでも楽しんでいたい!という思いを実現するサポートを、Vollmondを通して今後もさせていただけたらと思っています。

皆さんにとって、ドイツ語が人生を変えてくれるきっかけになるかも!そんなワクワクする気持ちを大切に、今後も一緒にドイツ語学習頑張っていきましょう☺️

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