ドイツ語過去時制(過去形と現在完了形)の使い分け〜フローチャート付き〜

 

Wir kamen spät nach Hause.
Wir sind spät nach Hause gekommen.

ってどっちも「私たちは遅くに帰った」って意味だよね?何が違うの?

前者は過去形、後者は現在完了形を使っているんだけど、ドイツ語では話し言葉・書き言葉・動詞の種類などによって文法を使い分けるんだ!

 

この記事では、ドイツ語で「過去」を表現したい場合の文法「過去形」と「現在完了形」の使い分けを丁寧に解説していきます♩

過去時制って?

過去時制は「過去に起こった出来事を表現する時制」のことです。日本語の「~でした。~しました。」などに相当します。

ドイツ語で過去を表すとき、主に「過去形」と「現在完了形」を使い分けます

※時の流れ:過去(ココ)→ 現在 → 未来

覚えよう!

ドイツ語の過去の表現方法には過去形と現在完了形の二つがあります。

【作り方】

過去形
肯定文:主語+動詞の過去形+・・・.

Ich war letztes Jahr in Deutschland.(私は去年ドイツにいました)

Ja / Nein疑問文:動詞の過去形+主語・・・?

Warst du letztes Jahr in Deutschland?(君は去年ドイツにいたの?)

疑問詞を使った疑問文:疑問詞+動詞の過去形+主語・・・?

Wann warst du in Deutschland? (君はいつドイツにいたの?)

 

現在完了形
肯定文:主語+ haben / sein +・・・+動詞の過去分詞形.

Ich habe gestern Deutsch gelernt.(私は昨日ドイツ語を勉強しました)

Ich bin gestern zur Schule gegangen.(私は昨日学校に行きました)

Ja / Nein疑問文:Haben / Sein +主語+・・・+動詞の過去分詞形?

Hast du gestern Deutsch gelernt?(君は昨日ドイツ語を勉強した?)

Bist du gestern zur Schule gegangen?(君は昨日学校に行った?)

疑問詞を使った疑問文:疑問詞+ haben / sein +主語+・・・+動詞の過去分詞形?

Wann hast du Deutsch gelernt?(君はいつドイツ語を勉強したの?)

Wann bist du zur Schule gegangen?(君はいつ学校に行ったの?)

 

過去形と現在完了形の使い分け

では、どのような場合に「過去形」と「現在完了形」を使い分けるのでしょうか?

以下のフローチャートを見てみてください。
このフローチャートは「日常での会話=話し言葉を前提」としています。

 

実際の例文をこのフローチャートに当てはめると、以下の3つのパターンができあがります。

① Ich bin in Deutschland.(私はドイツにいます)
→ Ich war in Deutschland.(私はドイツにいました)

② Ich mache meine Hausaufgaben.(私は宿題をします)
→ Ich habe meine Hausaufgaben gemacht.(私は宿題をしました)

③ Er kommt nach Japan.(彼は日本へ来ます)
→ Er ist nach Japan gekommen.(彼は日本へ来ました)

 

①:sein 動詞(bin)は、過去形を使います。

②:動詞は machen(する)で、現在完了形「haben + 過去分詞」を使います。

③:動詞は kommen(来る)。移動を表す自動詞は、現在完了形「sein +過去分詞」を使います。

 

現時点では、パターン①③以外の動詞は原則、現在完了形のうちの「haben +過去分詞」を使うという認識でOKです(後の章で詳しく解説していきます!)。

 

覚えよう!

話し言葉で過去の内容を表現する場合、動詞の種類によって、

  1. 過去形
  2. haben +過去分詞(現在完了形)
  3. sein + 過去分詞(現在完了形)

の、どれを使うかが異なる。

ニュース・新聞・物語などの書き言葉では、動詞の種類に関係なく基本「過去形」が使われますので、こちらも覚えておきましょう!

 

過去形を使う場合

では、ここからは、上記のパターン①~③それぞれについて詳しく確認していきます。

先ほどのフローチャートをもう一度見て、まずはパターン①過去形について勉強しましょう!

ドイツ語の過去形は、しばしば新聞や物語などの書き言葉に用いられることが多いのですが、動詞が以下のパターンの場合は話し言葉でも過去形が好まれます。

Ⅰ. 基本重要動詞

まずは、以下3つの最重要動詞を暗記してしまいましょう!

  • sein(ある、いる)→ war
  • haben(持っている)→ hatte
  • werden(~になる)→ wurde

例:Ich wurde Anwalt.(わたしは弁護士になった)

Ⅱ. 話法の助動詞

  • können(~ができる)→ konnte
  • müssen(~しなければならない)→ musste
  • wollen(~したい)→ wollte
  • sollen(~すべきだ)→ sollte
  • dürfen(~しても良い)→ durfte
  • mögen(好きだ)→ mochte

例:Ich wollte nach Deutschland reisen.(わたしはドイツに旅行したかった)

(参考)ドイツ語7つの助動詞のキホンを押さえよう!意味と使い方まとめ

「~したい」という意味を持つ möchten は厳密には助動詞ではないため、過去形はありません。

「〜したかった」と言いたいときは wollen の過去形 wollte を使いましょう!(参考)間違える人が多いドイツ語表現4選

Ⅲ. 心理系動詞

wissen(知識として知っている)→ wusste

kennen(経験して知っている)→ kannte

denken(考える)→ dachte

meinen(思う、意図する)→ meinte

finden(思う、実際に~と感じる)→ fand

…など

例:Ich dachte, du bist Deutscher.(わたしは君がドイツ人だと思った)

Ⅳ. es gibt+4格

es gibt(~がある)→ es gab

例:Früher gab es keinen Fernseher.(かつてテレビはなかった)

 

覚えよう!

動詞が以下のパターンの場合、

  • sein / haben / werden
  • 話法の助動詞
  • 心理系動詞
  • es gibt

この場合は、よく過去形を使います!

 

復習:過去形の人称変化と作り方

次の表に、過去形の人称変化と、過去形の作り方のルールをまとめました。

ここでもう一度おさらいしておきましょう!

 

mögen の過去形の作り方

話法の助動詞 mögen の過去形は、mochte です。

können や müssen の場合と違って、過去形を作るときには単にウムラウトが外れるだけではなく、語幹の形が変化するため注意しましょう!

 

非分離動詞の過去形の作り方

動詞の中には、分離動詞とは異なり、前つづりが分離しない「非分離動詞」というものがあります。

例:bekommen(もらう)、verstehen(理解する)など

非分離動詞の場合、前つづり(ここでいう be や ver )の後に続く動詞部分(=基礎動詞)の形を、上の表のルールに従って変化させる必要があります。

 

例:
bekommen = 前つづり「be」+ 基礎動詞「kommen」

基礎動詞 kommen の形を過去形に変えると kam
→ bekommen の過去形は、bekam になる

 

非分離動詞について詳しく知りたい方は、ぜひこちらをチェックしてみてください◎

▶︎ドイツ語「非分離動詞」とは?分離動詞との違い&見分け方(練習問題付き)

 

現在完了形を使う場合

つづいて、パターン②と③の現在完了形です。

現在完了形には、「haben + 過去分詞」「sein + 過去分詞」がありますが、どのように使い分ければ良いのでしょうか?

【原則】haben + 過去分詞

フローチャートの「完了形」緑部分に書いてある通り・・・

 

先ほど紹介した過去形を好む動詞を除いて、完了形は原則「haben + 過去分詞」になります。

過去分詞は文末にきます。

過去分詞の作り方についてはこちらの記事を参考にしてください。
▶︎ドイツ語過去分詞の作り方【総まとめ】

 

 

例:

Ich trinke Kaffee.(コーヒーを飲んでいます)
Ich habe Kaffee getrunken.(コーヒーを飲みました)

Ihr lernt Deutsch.(君たちはドイツ語を勉強している)
Ihr habt Deutsch gelernt.(君たちはドイツ語を勉強していた)

Wann isst du zu Mittag?(いつお昼食べるの?)
Wann hast du zu Mittag gegessen?(いつお昼食べたの?)

 

覚えよう!

現在完了形は「haben + 過去分詞」と「sein + 過去分詞」の2パターンあるが、基本的には haben + 過去分詞を使う

 

おまけ:必ず haben 支配になる動詞

Ⅰ. 他動詞(目的語を伴う動詞)

例:Ich habe ein Auto gekauft.(私は一台の車を買いました)→ 一台の車 ein Auto が目的語

Ⅱ. 再帰動詞(再帰代名詞 sich を伴う動詞)

例:Ich habe mich entschieden.(私は決心しました)

 

【例外】sein + 過去分詞

またしてもフローチャートです(笑)

完了形は基本「haben + 過去分詞」を使いますが、例外となるのが次のケースです。

 

例外「移動を伴う動詞」の場合は「sein + 過去分詞」とあります。

 

「移動を伴う動詞」というのは、正確には「移動・変化を表す自動詞」のことで以下のようなものがあります。

自動詞とは、「~を〇〇する」といった目的語を、必要としない動詞のことです。
日本語だと、~を集める(他動詞)、集まる(自動詞)などがあります。

 

Ⅰ. 移動の自動詞

gehen(行く)→ sein + gegangen

kommen(来る)→ sein + gekommen

fahren(乗り物で行く)→ sein + gefahren

fliegen(飛行機で行く、飛ぶ)→ sein + geflogen

fallen(落ちる)→ sein + gefallen

例:Wir sind spät nach Hause gekommen.(私たちは遅くに帰宅しました)

 

Ⅱ. 変化の自動詞

sterben(死ぬ)→ sein + gestorben

werden(~になる)→ sein + geworden

aufstehen(起床する)→ sein + aufgestanden

例:Ich bin heute früh aufgestanden.(私は今日、早起きしました)

 

Ⅲ. その他

sein(be動詞)→ sein + gewesen

bleiben(滞在する、とどまる)→ sein + geblieben

例:Wir sind den ganzen Tag zu Hause geblieben.(私たちは一日中、家にいました)

 

覚えよう!
  • 移動の自動詞
  • 変化の自動詞
  • sein, bleiben

は、パターン③「sein + 過去分詞」を使います。

慣れないうちは、②の「haben + 過去分詞」にしてしまいがちなので注意しましょう!

 

sein – war – gewesen / werden – wurde – geworden は、基本的に話し言葉では過去形・現在完了形どちらを使っても自然です。

 

動詞によっては自動詞、他動詞両方の役割を果たすものもあります。

例a:Ich habe das Auto gefahren. (私はその車を運転しました)

例b:Das Auto ist gefahren. (その車は走っていました)

 

例a では、その車 das Auto が目的語なので fahren は他動詞としてはたらき、「haben + 過去分詞」の形を取ります。

例b では、fahren は「(乗り物が)走る」という自動詞なので、「sein + 過去分詞」の形を取ります。

 

まとめ

これまでの内容をまとめましたので、もう一度おさらいしましょう!

まとめ

過去時制の文章では、過去形と現在完了形を使い分ける

書き言葉 = 動詞の種類に関わらず、常に過去形を使う

話し言葉 = 動詞の種類によって、以下のパターンに分かれる

  1. 過去形:sein, haben, werden / 話法の助動詞 / 心理系動詞 / es gibt
  2. 完了形(原則)haben + 過去分詞:現在完了形は基本こちらを使う
  3. 完了形(例外)sein + 過去分詞:移動・変化の自動詞 / sein, bleiben

 

過去形と現在完了形を正しく使い分けられているか不安な方には、Vollmondのレッスンがおすすめです◎

講師と一緒にたくさん練習をして、自然と使い分けができるようになりましょう!

 

 

この記事を書いた人:Shoki

Vollmond 講師の一人。 2018-19の1年間ドイツのヴッパータール大学に留学 今後は、東南アジアでインターン、ドイツで心理学研究を予定

編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)
ㅤㅤㅤkosuzu(Vollmondドイツ語講師)