ドイツ語【比較級と最上級】基礎から応用まで

 

ネコさんはどの季節が1番好き?
冬より春が好き!今のドイツ語でどう言うの?

 

比較級や最上級の表現だね。今日はその勉強をしようか!

 

今回はドイツ語の比較級・最上級の解説をします。そこまで複雑ではないので、ポイントをしっかりおさえていきましょう!

 

比較級:Komparativ

まず初めに比較級の解説をします。比較級はドイツ語で der Komparativ と言い、「◯◯よりも、××の方が好きだ。」「△△の方が□□よりも大きい。」などといった、ある2つのものの性質や状態の度合いを比較する時に使われます。

 

比較級の文章を書く際のポイントは3つです。

  1. 形容詞の語尾に―er がつく。
  2. 母音「a,u,o」が一つだけある単語はウムラウトになる。
  3. 比較の対象「〜よりも」(英語でいう”than”)は接続詞alsを使う。

 

「alsって接続詞だったっけ…」と思った方!接続詞の記事でもう一度確認してみましょう!覚えていたつもりでも、ふと忘れてしまう事があります。その度にあやふやにせず、ちゃんと確認する癖をつけるといいですよ^^

参考:ドイツ語の接続詞、種類別まとめ

 

ポイントを踏まえて例文を見てみましょう。

例文1) Kana ist kleiner als  ihre kleine Schwester.
カナは彼女の妹よりも背が低い。

「背が低い、小さい」の形容詞kleinに–er をつけます(ポイント①)。比較の対象(この例文でいう「彼女の妹」)の前にals をつけることによって「彼女の妹よりも」となります(ポイント③)。

 

例文2) Heute ist es viel kälter als gestern.
今日は昨日よりもずっと寒い。

「寒い、冷たい」の形容詞kalt に–erをつけ、且つ母音のaが一つだけある単語なのでウムラウトに変化します(ポイント①②)。比較の対象(この例文でいう「昨日」)の前にals をつけることによって「昨日よりも」となります(ポイント③)

また、比較級 (kälter) の前にvielやnoch を入れるとその比較を強調することができます。

 

例文3) Der Zug ist ein schnelleres Verkehrsmittel als der Bus.
電車はバスよりも速い交通手段だ。

「速い」の形容詞schnellに—erをつけます(ポイント①)。比較の対象(この例文でいう「バス」)の前にalsをつけることによって「バスよりも」となります。

この例文は形容詞schnellの比較級schneller が名詞ein Verkehrsmittelを修飾しているため、形容詞の不定冠詞語尾変化を忘れないでください。よってein schnelleres Verkehrsmittel となります。

参考: ドイツ語形容詞の格変化

 

最上級:Superlative

次に最上級の解説をします。最上級はドイツ語で der Superlative と言い、「◯◯が最も高い。」「△△が××の中で一番大きい。」などといった、比較の対象の集団の中で性質が最も強い(または弱い)時に使います。

 

最上級の文章を書く際のポイントは3つです。

  1. 形容詞の語尾に—st がつく。
  2. 母音「a,u,o」が一つだけある単語はウムラウトになる。
  3. am + (—st)en」か「定冠詞+最上級+名詞」の形で使われる。

 

これらのポイントを踏まえて例文を見ていきましょう。

例文1) Kana ist am kleinsten in der Klasse.
カナはクラスの中で一番背が低い。

「背が低い、小さい」の形容詞kleinに—stをつけ、am (—st)enの形にすることで「最も背が低い」となります(ポイント①③)。

 

例文2) Kanas Vater ist am klügsten in ihrer Familie.
カナのお父さんは家族の中で一番賢い。

「賢い」の形容詞klugに—stをつけ、且つ母音のuが一つだけある単語なのでウムラウトに変化します(ポイント①②)。am (—st)en の形にすることで「最も賢い」となります(ポイント③)。

 

例文3) Der Frühling ist die schönste Zeit im Jahr.
春は1年の中で一番素敵な時(期)だ。

「素敵な」の形容詞schönに—stにつけます(ポイント①)。die + 最上級 + Zeit(ポイント③)で「一番〜な時間、時(期)」となるので、最上級の部分にschönst を入れますが、その際定冠詞語尾変化を忘れないでください!よって、die schönste Zeit となります。

参考: ドイツ語形容詞の格変化

 

ちなみにはじめの男の子のセリフはこうなります。

Welche Jahreszeit magst du am liebsten?

 

一部の形容詞で、-stではなく、-estという形を取るものがあります。laut やsüß など、形容詞の語尾がt,d,s,zで終わる場合、最上級の-stがつきにくいため、–estにします。

例)laut — lauter —lautest

 

練習問題

以上が比較級と最上級の文章を作る際のポイントになります。
ここで少し復習しましょう。次の形容詞を比較級と最上級の形にしてみて下さい!

例)klein—kleiner(比較級)—(am) kleinst(en)(最上級)

  • süß
  • einfach
  • warm
  • alt
  • schnell
  • langsam
  • höflich
  • natürlich
  • lang
答えを見る
  • süß—süßer—(am) süßest(en)
  • einfach—einfacher — (am) einfachst(en)
  • warm—wärmer— (am) wärmst(en)
  • alt —älter— (am) ältest(en)
  • schnell—schneller—(am) schnellst(en)
  • langsam—langsamer—(am) langsamst(en)
  • höflich —höflicher—(am) höflichst(en)
  • natürlich —natürlicher—(am) natürlichst(en)
  • lang—länger—(am) längst(en)

 

不規則な変化

比較級と最上級の文章を作る際、気を付けなければならないことがあります。それは、英語のgood—better—bestのような不規則変化をする形容詞がドイツ語にもあるということです。

 

例えば、gut という形容詞は、gut—guter—am gutesten とはなりません。
gut —besser—(am)best(en) が正しい変化になります。

不規則変化する形容詞一覧

不規則変化をする形容詞は多くはないので覚えてしまいましょう!

意味 原形 比較級 最上級
良い gut besser (am) best(en)
好んで gern lieber (am) liebst(en)
多い viel/sehr mehr (am) meist(en)
大きい groß größer (am) größt(en)
暗い dunkel dunkler (am) dunkelst(en)
高価な teuer teurer (am) teuerst(en)
高い hoch höher (am) höchst(en)
近い nah näher (am) nächst(en)
高貴な edel edler (am) edelst(en)

 

灰色で囲ってある3つは特に重要なものです。

 

ちなみにはじめのネコさんのセリフはこうなります。

Ich mag den Frühling lieber als den Winter!

 

GleichheitとUngleichheit

◯◯は△△と同じくらい〜だ

あるものを比較した時、「◯◯は△△と同じくらい〜だ。」と同じ程度の場合がありますよね。同等(Gleichheit)を表現する際は、「so +(形容詞)+ wie」を使います。この時の形容詞は比較級や最上級のように語尾をつける必要はありません。

 

Meine Mutter ist so groß wie mein Vater.
私の母親は父親と背の高さが同じだ。

Ich komme wieder so schnell wie möglich zurück.
出来るだけ早く戻るよ。

so … wie möglich の形で、「出来るだけ…」の表現になります。(英語でいう、as … as possible です。)上の例文のように使われる事が多いです。ぜひ覚えておきましょう^^

 

強調:ちょうど同じくらい〜だ

まさにぴったりだ。」「ちょうど同じだ。」のように同じ程度であることを強調したい時は、so をgenauso/ebensoに言い換えて言うこともできます。

 

Die Tochter ist genauso schön wie ihre Mutter.
あの娘さんはお母さんとまさに同じくらい美しい。

Ich kann ebenso gut kochen wie meine Oma.
私は私の祖母と同じくらい上手に料理ができる。

 

上の文章を見て、話法の助動詞が使われているのになぜ動詞が最後でないの?と思った方もいるかもしれませんね。この場合、動詞を最後に持ってくることも可能ではありますが、比較の対象(als〜やwie〜)は動詞の後に持ってくるのが自然な形となっています。

例)Ich kann besser singen als meine Schwester.
私は姉/妹よりも上手に歌うことができる。

この決まりも頭に入れておきましょう:)

 

◯◯は△△より〜ではない

「〜よりも〜じゃない」とあるものを比較して程度が異なる場合(Ungleichheit)は、初めに解説した比較級を使うか、「nicht/kein- so + (形容詞) + wie」で表現します。

 

Mein neuer Freund ist nicht so nett wie mein Ex Freund.
新しい彼氏は元彼よりも優しくない。

In Australien gibt es keine so hohen Berge wie in Asien.
オーストラリアにはアジアのような高い山はない。

 

長さや重さが2倍、3倍、…と表現したい時は、「doppelt so + (形容詞) + wie」「dreimal so + (形容詞) + wie」を使います。

Du bist doppelt so fleißig wie ich.
君は僕なんかより倍も熱心だよ。

 

まとめ

比較級、最上級について理解できたでしょうか?

ポイントを押さえればそこまで複雑ではないと思いますが、不規則変化する形容詞など覚えなければならない事もあるのでたくさん練習をしてマスターしましょう^^

 

 

 

この記事を書いた人:

Kaori

 

大学でドイツ語文学部(Germanistik)を専攻、卒業後ドイツで1年間語学留学しました。私もまだまだドイツ語を勉強中ですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
一緒にドイツ語高めていきましょう♪

編集:komachi(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)