使えるドイツ語文法!zu不定詞まとめ(練習問題付き)

目次
zu 不定詞の作り方
今回は、 zu 不定詞という文法について解説します。
zu 不定詞は、次のように作られる表現です。
zu + 不定詞(動詞の原形)
※ただし、分離動詞の場合は、前綴り + zu + 動詞本体 になるので、注意!
例:
aufstehen(起床する)→ aufzustehen
abfahren(出発する) → abzufahren
zu 不定詞の基本的な意味・使い方
zu 不定詞の基本的な意味と使い方は、こちらの通りです↓
- 主語や述語、目的語として「~すること」
- 名詞と一緒に「〜する(ための)」
主語や述語、目的語として「〜すること」
zu 不定詞は、「〜すること」という意味で、大きく分けて3つの使われ方をします。
①主語として
Deutsch zu verstehen ist für mich schwierig.
ドイツ語を理解することは、私にとって難しいです。
このように、「 zu 不定詞 → 動詞 → …」という順番で使われることもありますが、
大体の場合は、次のように es に主語の代わりをしてもらって、 zu 不定詞を後ろに送ります。
Es ist für mich schwierig, Deutsch zu verstehen.
ドイツ語を理解することは、私にとって難しいです。
このときの es を形式主語と言います。
そうなんです。zu 不定詞句は、原則としてコンマで区切られるんです!
( Deutsch zu verstehen ist schwierig. のように、zu 不定詞句を文頭に置く場合はコンマは不要)
zu 不定詞句とは:
Deutsch zu verstehen のように、 zu + 不定詞の前に目的語などの要素があり、
1つの句(=まとまり)になったものを zu 不定詞句と呼びます。
ほかにも、述語や目的語として、「〜すること」の意味で使われます。
②述語として
Ihr Traum war, einmal mit ihrem Mann nach Österreich zu reisen.
彼女の夢は、いつか夫とともにオーストリアに旅行することであった。
③目的語として
Ich habe vor, in diesem Sommer meinen alten Freund zu besuchen.
この夏に私の昔からの友人を訪ねることを、私は予定しています。
おまけ:形式主語の省略
形式主語の es (と ist )は、くだけた会話では省略されることもあります。
wichtig zu lernen.
学ぶことは重要だ。
(本当は、 Es ist wichtig, zu lernen. )
名詞の後ろにくっついて「〜する(ための)」
zu 不定詞は、「〜する(ための)」という意味で、名詞の修飾語として使われることもあります。
Am Wochenende habe ich keine Zeit, Deutsch zu lernen.
ドイツ語を勉強する(ための)時間は週末ないなあ。
Ich habe keine Lust, mit dir ins Konzert zu gehen.
君と一緒にコンサートに行く気はないよ。
※ Lust :〜したいという気持ち
覚えておきたい zu 不定詞を使う表現
zu 不定詞は、動詞や前置詞と一緒に使われて様々な事柄を表現できます。
今回は、よく使うフレーズを5つだけ挙げておきますね♪
動詞と一緒に
aufhören + zu 不定詞句「〜することをやめる」
Man darf nie aufhören, immer etwas zu lernen.
いつも何かを学ぶことをやめてはいけない。
versuchen + zu 不定詞句「〜しようと頑張る、挑戦する」
Ich habe in den letzten drei Wochen versucht, um sechs Uhr aufzustehen.
私はここ最近の3週間、6時に起きようと頑張った。
erlauben + zu 不定詞句「〜することを許可する」
In vielen islamischen Ländern ist es nicht erlaubt, Schweinefleisch zu essen.
多くのイスラーム系の国々では、豚肉を食べることは許可されていない。(=食べてはいけない)
※ここは sein + erlaubt (過去分詞)で状態受動になっています◎
brauchen + nicht + zu 不定詞句「〜する必要はない」
Sie brauchen morgen nicht ins Büro zu gehen.
あなたは明日、オフィスに行く必要はありません。
先ほどもお伝えした通り、zu 不定詞を使うときは、文末の zu 不定詞句をコンマで区切るのが原則です。
しかし、 brauchen + nicht + zu 不定詞句の場合はコンマで区切らないというルールがあるので注意しましょう。
前置詞と一緒に
um + zu 不定詞句「〜するために」
Ich bin um 6 Uhr aufgestanden, um den Zug zu erreichen.
その列車に間に合うために、私は6時に起きました。
ohne + zu 不定詞句 「〜することなしに」
Sie ist nach Japan geflogen, ohne ihn zu sehen.
彼に会うことなく、彼女は日本へ行ってしまいました。
statt + zu 不定詞句「~する代わりに、~ではなくて」
Ich gehe zu Fuß, statt mit dem Zug zu fahren.
列車で行く代わりに、私は徒歩で行く。
zu 不定詞と、um + zu 不定詞の違い
これまで見てきた中で、
・名詞の後ろにくっついて「~する(ための)」という意味を表す zu 不定詞句
・「~するために」という意味を持つ um + zu 不定詞句
という、似たような内容を表す表現が2つ出てきました。
では、どうやって使い分ければ良いのでしょうか?
下の2つの文章を見てみてください。
Am Wochenende habe ich keine Zeit, Deutsch zu lernen.
Am Wochenende habe ich keine Zeit, um Deutsch zu lernen.
上の文では文末の zu 不定詞句が、直前の名詞「Zeit」を修飾し、「ドイツ語を勉強する(ための)時間(がない)」という意味になっています。
下の um + zu 不定詞句の文も「~するため」という日本語訳を考えると、上の文と同じで、一見意味が通っているように感じますよね。
しかし um + zu 不定詞句は「~するために」という目的を表すため、これでは、
「ドイツ語を勉強するために、週末私は時間がない」
という不自然な文章になってしまうのです。
よってこの場合、正しい表現は、上の um がつかない文になります。
um + zu 不定詞句を使う場合は、例えば以下のような例文だと意味が通ります。
Ich wohne in Deutschland, um Deutsch zu lernen.
ドイツ語を勉強するために、私はドイツに住んでいる。
この例文では「ドイツ語を勉強する」という目的があり、その目的のために「ドイツに住む」という行動を取っていることがわかります。
自然に聞こえますよね!
zu 不定詞の使い方まとめ
今回は、 zu 不定詞の使い方を紹介しました!
使い方がたくさんあって覚えるのは大変ですが、その分マスターできれば表現の幅がグッと広がるので、少しずつ頑張りましょう〜♪
- 通常の動詞、非分離動詞の場合:zu + 不定詞
- 分離動詞の場合:前綴り + zu + 動詞本体の不定詞 (※くっつけて一つの単語に)
zu 不定詞を使うときの注意
- 文末の zu 不定詞句は、原則コンマで区切る
- 主語として使うときは、形式主語の es を立てる
練習問題
最後に練習問題を用意したので、ぜひチャレンジしてみてください!
- 英語を理解することはとても重要だ。
- 彼の願いは、世界一周旅行をすることだ。( eine Weltreise machen )
- 私の母は、その本を読むことを私に勧めた。( empfehlen )
- 私は今日、私の部屋を掃除する気がない。( mein Zimmer aufräumen ※分離動詞)
- ここでタバコを吸うことは許可されていない。( rauchen )
- その試験に合格するために、彼女はたくさん勉強した。( die Prüfung bestehen )
- 彼はたくさん勉強することなく、その難しい試験に合格した。
- 私の父親は昨日の夜、ビールを飲む代わりに、コーラを飲んだ。(Cola trinken)
この記事を書いた人
凡さんす
大学4年生です。ライターしてます。来年秋から、英国エセックス大学の修士課程で中東の紛争の研究します。趣味でドイツ語を学び、勉強開始から3ヶ月で独検4級取得。
Twitter(@academicocktail):「読み手の頭を動かすツイート」してます。ジャンルは政治ニュース中心。
ブログ「学問のカクテル」:「勉強」が好きな方は気に入っていただけると思います。ジャンルは政治ニュース、哲学、大学院留学準備など。
お仕事の依頼はTwitterかenjoyscholarship@gmail.comまで!
編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)