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ドイツ語「非分離動詞」とは?分離動詞との違い&見分け方(練習問題付き)

更新日:

分離動詞のことはこの前の説明でよく分かったけれど、少し気になったことがあるんだ。

なになに?

verbringen(過ごす)や versprechen(約束する)は、見た目は分離動詞にそっくりなんだけれど、前つづりが分離しないみたいで・・・

「非分離動詞」のことだね。
確かに形は分離動詞に似ているけれど、使い方が少し違うから注意が必要なんだ。

この記事では、非分離動詞を分離動詞と比較しながら、違いや見分け方・使い方を一緒に確認していきましょう!

ドイツ語の動詞の種類

ドイツ語の動詞は、いくつかの種類に分類することができます。

例えば、ドイツ語を習い始めたときからよく使う gehen, kommen, fallen などの動詞は、おなじみですよね。

ですが、これらの動詞の前に何かがくっついた ausgehen, vorkommen, auffallen といった形の動詞もよく見かけると思います。

こうした aus, vor, auf のように、動詞の前にくっつくものを「前つづり」と呼びます。

また、前つづりの後に続く gehen, kommen, fallen などの動詞は「基礎動詞」と言います。

この「前つづり」+「基礎動詞」の組合せでできあがる動詞の中にはさらに、

  1. 別の記事で紹介した分離動詞
  2. 今回説明する非分離動詞

という2つの種類があります。

参考:ドイツ語の「分離動詞」って一体なに?基本の使い方をマスターしよう!

この2つ目の「非分離動詞」が、ネコさんが悩んでいる、verbringen や versprechen といった動詞です。

今回はこの非分離動詞について、分離動詞との違いや使い方の注意点についてご紹介します。

非分離動詞と分離動詞は何が違うの?

まず、分離動詞についておさらいしましょう!

分離動詞とは、「分離前つづり」「基礎動詞」からなる動詞のことで、文のメインの動詞として使われるときに分離するのが特徴です。(例:平叙文、命令文などのとき)

例えば、 vor | stellen という分離動詞は vor-(分離前つづり)+ stellen(基礎動詞)からなり、

Ich stelle mich vor.
自己紹介する。

というように、前つづりの vor- が基礎動詞の stellen から分離して文末に来ます。

しかし、似たような前つづりである ver- を使った versprechen や verbringen などの動詞は、形こそ似ているものの、

文のメインとして使われても vor | stellen のように分離することはありません。

Versprich mir, morgen zur Schule zu gehen.
明日は学校に行くと約束して。

Sonntags verbringe ich meistens Zeit mit meiner Familie.
毎週日曜日はたいてい、家族と過ごす。

これらは「非分離動詞」といって、「前つづり」+「基礎動詞」からなる点は分離動詞と同じですが、文中で分離しないのが特徴です。

この非分離動詞に使われる ver- などの前つづりのことを、「非分離前つづり」といいます。

アクセントの位置について:
分離動詞の場合は前つづりに、非分離動詞の場合は基礎動詞にアクセントが置かれることに注意しましょう。

分離動詞と非分離動詞の見分け方

さて、分離動詞と非分離動詞の違いについて説明しましたが、これらを見分けるポイントはズバリ、「前つづり」の部分に着目することです。

前つづりには、

  1. 分離動詞に使われるもの
  2. 非分離動詞に使われるもの
  3. 分離・非分離動詞両方に使われるもの

の3種類があります。

では、それぞれの形を見ていきましょう!

分離前つづり

分離前つづりは、前置詞(auf など)や副詞(zusammen など)由来のものが多いです。

①前置詞由来

ab-, an-, auf-, aus-, bei-, mit-, nach-, vor-, zu- など

例:auf | stehen(起きる)、 aus | gehen(外出する)、 vor | schlagen(提案する)、 zu | schließen(鍵で閉める)

②副詞由来

da-, ein-, fern-, fest-, fort-, her-, hin-, los-, weg-, zurück-, zusammen- など

例:ein | fallen(思いつく)、 fern | sehen(テレビを見る)、 her | stellen(製造する、生産する)、 los | gehen(出発する)、 zurück | gehen(帰る、戻る)

③その他(動詞・名詞由来など)

kennen-, statt-, teil- など

例:kennen | lernen(知り合う)、 statt | finden(開催される)、 teil | nehmen(参加する)

frühstücken(朝食をとる)、 langweilen(退屈させる)などの動詞は一見、分離動詞のようですが、 machen といった通常の動詞と使い方は変わりません。

よく使う動詞ですので、覚えておきましょう!

非分離前つづり

be-, emp-, ent-, er-, ge-, miss-, ver-, zer- など

例:besuchen(訪問する)、 empfehlen(勧める)、 gefallen(~の気に入る)、 verzichten(諦める)

分離・非分離の両方に使う前つづり

一部の前つづりは、分離前つづりとしても、非分離前つづりとしても使われます。

よって、同じ基礎動詞と結びつくことによって、同じ形の分離動詞・非分離動詞の両方が存在するケースもあります。

例えば umgehen という動詞には、以下の2つがあります。

・分離動詞の um | gehen(うわさなどが広まる)

・非分離動詞の umgehen(迂回する)

文中でこれらの動詞を見かけた場合、どちらの意味であるかは文脈や語形から判断することになります。

語形での判断については後述しますので、ここでは分離・非分類動詞の両方で使われる前つづりを見ていきましょう!

durch-, hinter-, über-, um-, unter-, voll-, wider-, wieder- など

例:
über | gehen(移行する)、 übergehen(無視する)
unter | kommen(泊まる)、 unterschätzen(過小評価する)
wieder | sehen(再会する)、wiederholen(繰り返す、反復する)

非分離動詞を使うときの注意点

非分離動詞の基本的な使い方は通常の動詞と同じですが、以下の場合には少し注意が必要です。

過去分詞を使うとき

完了形や受動態を作る場面で注意が必要です。

通常の動詞、例えば arbeiten の過去分詞形は gearbeitet と、語頭に「ge-」が付きますね。

ですが、非分離動詞の過去分詞形ではこの「ge-」をつけないのがポイントです。

例:Gestern hat Maria ihre Großeltern besucht.
昨日、マリアは祖父母を訪ねた。

対して、分離動詞の場合は「分離前つづり+基礎動詞の過去分詞」となるのが特徴でしたね。

例:Heute bin ich um 6 Uhr aufgestanden.
今日は6時に起きた。

先ほど紹介した um | gehen(うわさなどが広まる)と umgehen(迂回する)が過去分詞形になると、それぞれ umgegangenumgangen になります。

このように、分離動詞・非分離動詞を見分けるにあたって、過去分詞形で使われている場合にはその語形から判断できることがあります。

だから分離動詞と非分離動詞を区別することが大事なんだね!

覚えよう!

非分離動詞の過去分詞形 = 非分離前つづり + 基礎動詞の過去分詞形から ge- を除いた形

もっと詳しい説明や練習問題は以下リンク先で確認できます。
▶︎ドイツ語過去分詞の作り方【総まとめ】

vor | bereiten の基礎動詞 bereiten のように、第一音節(ここでいうと be の音)にアクセントがない動詞をもとに作られた分離動詞も、同様に ge- をつけません。

例:Für diese Veranstaltung haben wir uns gut vorbereitet.
このイベントのために、私たちはよく準備してきた。

このタイプの動詞はあまり数は多くないけれど、 vor | bereiten はよく使う動詞だから覚えておこう!

zu 不定詞のとき

um | gehen(うわさなどが広まる)と umgehen(迂回する)を例に、分離動詞・非分離動詞の zu 不定詞の作り方についても確認しておきましょう。

分離動詞で zu 不定詞を作ると、以下のように、「分離前つづり + zu + 基礎動詞」の形になりましたよね。

um | gehen → umzugehen

しかし、非分離動詞の場合は前つづりと基礎動詞が分離しないため、zu 不定詞の形は以下のようになります。

umgehen → zu umgehen

zu 不定詞の場合も先程の過去分詞形と同じように、語形から、分離動詞なのか・非分離動詞なのかを判断することができます。

分離・非分離動詞を使った zu 不定詞の文章を作るときには、zu の位置に注意が必要なので、こちらも併せて意識しておきましょう!

参考: zu 不定詞については、詳しくはこちらをご覧ください◎
便利だけど少し難しい「zu 不定詞」の使い方まとめ(練習問題付き)

練習問題

以下の文で、[ ]内の動詞を正しい形に直して、空欄を埋めてください。

分離動詞の切れ目を示す “|” は書いていないので、この記事を参考に、どれが分離動詞 / 非分離動詞かも合わせて考えてみましょう!

  1. Hast du schon dein Zimmer ( )?[ aufräumen(掃除する、片付ける)]
  2. Mir fällt es noch schwer, den Text vom Französischen ins Japanische( ).[ übersetzen(翻訳する)]
  3. Im Oktober hat die Zahl der Arbeitslosen ( ).[ zunehmen(増加する)]
  4. Sie ( ) ihre Tochter sehr.[ verwöhnen(甘やかす)]
  5. Nachdem Herr Müller das Gerät ( ) hatte, hat er dafür ein Patent ( ).[ erfinden(発明する)/ anmelden(申請する)]
  6. Es ist schon dunkel draußen. Ihr sollt nach Hause ( ).[ zurückgehen(帰る、戻る)]
  7. Wegen schlechten Wetters haben wir den Ausflug( ).[ unterbrechen(中断する)]

答えを見る

いかかでしたか?この記事を機会に、分離動詞と非分離動詞の使い分けをマスターしてくださいね!

基本の非分離動詞一覧

使い方が理解できてきたら、日常会話でよく使われる他の非分離動詞も覚えていきましょう!

非分離動詞意味
besuchen訪問する
bestehen合格する
beantworten答える
behalten保持する
empfehlen勧める
empfangen受け取る
empfinden感じる
entwickeln成長させる
entstehen起こる
entfernen取り除く
erklären説明する
erzählen物語る
erfinden発明する
erziehen育てる
erkennen認識する
gefallen~の気に入る
gehören〜のものである
gewinnen勝つ
genießen楽しむ
verstehen理解する
verbringen過ごす
versprechen約束する
verzichten諦める
zerstören破壊する
zerbrechen壊す
zerschlagen壊す

まとめ

この記事のポイントをまとめましたので、もう一度確認しておきましょう!

重要

  • 分離動詞、非分離動詞は、「前つづり」+「基礎動詞」の組合せでできあがる
  • 分離動詞、非分離動詞は、文中で分離するかどうかと、アクセントの位置が異なる
  • 「前つづり」に注目することで、分離動詞と非分離動詞を見分けることができる
  • 非分離動詞の過去分詞形は「前つづり + 基礎動詞の過去分詞形から ge- を除いた形」で作られる
  • 非分離動詞の zu 不定詞は「 zu + 非分離動詞そのままの形」で作られる

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執筆:Sora
編集:kosuzu(Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック:nico(Vollmondドイツ語講師)

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