わあ〜!美味しそう!このクッキー食べてもいい?
そのクッキーは食べちゃダメだよ!プレゼント用なんだ!
なんだ〜残念…。あれ、今みたいな質問はドイツ語でどう言うの?
dürfen を使う表現だね。今日はその勉強をしようか!
「許可」の意味でよく用いられる dürfen ですが、実は「禁止」「当然」「推量」など他の意味を持つのをご存知でしょうか?この記事ではひとつひとつ丁寧に解説していきます。
目次
話法の助動詞ってなんだっけ…
文の構成はどうすればよかったかな…
他にどんな助動詞の種類があったかな?
と思った方は、助動詞のキホンをまとめた記事がアップされているのでそちらの記事を参考にしてみてくださいね。
参考:ドイツ語7つの助動詞のキホンを押さえよう!意味と使い方まとめ
活用:現在形
ich | darf | wir | dürfen |
du | darfst | ihr | dürft |
er/sie/es | darf | sie/Sie | dürfen |
活用:過去形
ich | durfte | wir | durften |
du | durftest | ihr | durftet |
er/sie/es | durfte | sie/Sie | durften |
活用:過去分詞
gedurft (dürfen*1)
活用:接続法Ⅱ式
dürfte
過去時制について
過去に起こった出来事について話す際、通常は完了形を使うことが多いです。
しかし、話法の助動詞は話し言葉では過去形で使われることが多いので、過去形の活用をしっかり覚えておきましょう!
*1. 完了時制の過去分詞は、他の動詞の不定詞を伴う場合、gedurft ではなく不定形と同じ dürfen になります。例②のように言うこともできますが、実際はあまり使われません…。
例① Man hat hier fischen dürfen.
ここでは釣りが許されていた。
例② Ich habe etwas getan, was ich nicht gedurft habe.
私はしてはいけないことをしてしまった。
このクッキー食べてもいい?
ネコさんが男の子に言ったこの許可を求める質問は、助動詞 dürfen を使って、
Darf ich diese Kekse essen?
となります。
押さえよう!
Darf ich …? の形で、〜してもいい(ですか)?という表現になります。
Darf ich…? の darf を接続法Ⅱ式 dürfte を用いて Dürfte ich …? にするとより丁寧な表現になります。
では、もし男の子が、
うん、食べてもいいよ!
と言っていたら、
Ja, du darfst sie essen!
このように答えることができます。
(もしくは、Ja, du kannst sie essen! でも伝わります。)
※sie は die Kekse のことです。die Kekse と書いても問題ありませんが、同じ単語の繰り返しを避けるため人称代名詞を使用します。die Kekse は der/das Keks の複数形、essen + ◯◯[4格](〜を食べる)なので、複数形かつ4格の代名詞 sie となります。
dürfen と können の違い
können は「可能(能力)」と「可能性」の他に「許可」の意味も持ちます。
簡単にいうと、können が示す「許可」の意味は dürfen のそれに比べて弱いです。
〜してもいいかどうか、という許可を求めることを念頭に置くならば、können より dürfen の方が丁寧で具体性があると言われています。
können だとこのような返答をもらってしまうことがあるかも…!?
Kann ich diese Zeitung lesen?
この新聞を読んでもいいですか?
― Ich weiß nicht, ob du sie lesen kannst.
君がそれを読めるかどうかなんて僕は分からないよ。
そのクッキーは食べちゃダメだよ!
男の子は食べちゃダメ!と禁止していましたね。
このような禁止も、助動詞 dürfen を使って表現することができます。
先ほどの男の子のセリフはドイツ語で、
Nein, du darfst sie nicht essen!
となります。
押さえよう!
助動詞 dürfen と、否定詞(nicht / kein)を共に用いることで、〜してはいけないという禁止を表現します。
「〜してはいけない」と聞くと、ついつい「〜しなければいけない」という義務の意味を持つ müssen に否定詞を付けたくなってしまいますよね。
しかし müssen に否定詞を付けると、「〜する必要はない、しなくてもよい」という意味になります。
注意:dürfen と müssen の否定形の違い
許可や禁止以外にも、当然「〜してあたりまえだ、〜しておかしくない」という意味も持ちます。(否定形だと「〜は筋が通らない」と訳せます。)
Du darfst stolz auf deinen Sohn sein.
君が、君の息子を誇りに思うのは当然だ。
Das darf nicht wahr sein.
そんなのありえないよ。
許可や禁止の表現は dürfen を使えばいいんだね!それ以外の表現はないの?
いいところに気が付いたね。じゃあ dürfen の言い換え表現を見ていこうか!
特にB2やC1レベルといった中級~上級レベルになってくると、dürfen ばかり使うのではなく、様々な言い換え表現を使って表現することが求められます。
例文を参考に、dürfen の言い換えになるフレーズもしっかり押さえておきましょう!
erlaubt:許可されている = gestattet
die Genehmigung: 許可、認可
Man darf hier spielen.
→ Es ist erlaubt/gestattet, hier zu spielen.
ここで遊ぶことは許可されている。
Er darf sein Auto verkaufen.
→Er hat die Erlaubnis, sein Auto zu verkaufen.
彼は、彼の車を売ってもいい許可がある。
Man darf hier nicht rauchen.
→Es ist verboten, hier zu rauchen.
ここでの喫煙は禁止されている。
Man darf hier nicht schwimmen.
→Es ist nicht erlaubt, hier zu schwimmen.
ここで泳ぐことは許可されていない。
Ich darf nicht alleine ins Ausland gehen.
→Ich habe keine Erlaubnis, alleine ins Ausland zu gehen.
私は1人で海外へ行く許可を得ていない。
dürfen が接続法Ⅱ式の形で表現されている文は、「許可」や「禁止」とは違った意味を持つことがあります。「〜らしい」「〜のようだ」といった推量を表します。
Das dürfte möglich sein.
それは可能かもしれませんね。
Lisa dürfte drei Kinder haben.
リサは3人子どもがいるらしいよ。
Meine Freunde dürften schwimmen gegangen sein.
私の友達は泳ぎに行ったようだ。
推量を表現することができる助動詞は他にも können や müssen などがあります。
können が50%の確信度、müssen が100%の確信度とすると、dürfte(←※接続法Ⅱ式の形のみなので注意!)は、75%ほどの確信度になります。
話法の助動詞 dürfen について、最後に意味をまとめてみましょう。
dürfen
使い方をマスターするには、実際に書いたり話したりするのが1番です。伝えたい気持ちが大切!
間違いを恐れずに声に出してみましょう^ ^
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この記事を書いた人: Kaori
大学でドイツ語文学部(Germanistik)を専攻、卒業後ドイツで1年間語学留学しました。私もまだまだドイツ語を勉強中ですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
一緒にドイツ語を高めていきましょう♪
編集: komachi (Vollmondドイツ語講師)
内容・表現チェック: nico (Vollmondドイツ語講師)