独検1級に二度目のチャレンジで合格した私の試験対策法

皆さんはじめまして!

この度、独検1級の合格体験記+口頭試験対策を執筆させていただくことになりました、Vollmondドイツ語講師のTomoyaと申します。

最初に独検1級を受験したのは2020年の冬のことでした。

その際には特に対策をせず試験に臨んだのですが、一次試験で 56.00 点 / 100 満点(合格最低点 60.00 点)しか取ることができずに、不合格となってしまいました。

その悔しさをバネにして挑んだ2021年の冬の独検では一次試験に合格し、年が明けて2022年1月に行われた二次試験にも合格することができました!

この記事では、二回目の受験までどのように勉強したか、また二次試験に向けてどのような対策を行ったかを紹介できたらと思います。

自己紹介と1級の受験理由

私は関西の大学に通う大学3年生で、ドイツ語を専攻しながらVollmondで講師としてドイツ語を教えています。現在はノルウェーのベルゲンという港町に留学中で、ドイツ語とノルウェー語を中心に学んでいます!

私は高校2年生の時にドイツ語力ゼロの状態で1年間ドイツに留学することとなり、現地で学習を始めました。

日本語で書かれた参考書で独学し、それをギムナジウムで出来た友達との会話の中で使っていくことで習得していきましたが、我流であったために、基本的な格の変化さえも理解していない状態でした。

高校3年生になって留学から帰ってきた際に、せっかくなら学んだドイツ語の資格を得たいという思いから、2019年の冬に独検の準1級と2級を受験・合格し、大学入学試験の二次試験においてもドイツ語で2校ほどを受験しました。

独検準1級に合格した際に参考にした記事はこちら!

独検準一級・二次試験「写真描写」で使えるドイツ語とその対策法

大学に入学した後も日々ドイツ語の勉強を続け、自然と独検1級を目指すようになりました。1年生の冬に初めて1級を受けた際には、前述のようにわずか4点差で不合格になってしまい、大変落ち込みました。

2年生になってからも勉強を続け、7月にはゲーテC1に合格し、晴れてVollmondの講師になりましたが、それと同時に独検1級の難易度をゲーテC1と比較するためにも、もう一度受験しようと思いました。

独検1級とは?

ここでは、独検1級のレベルと問題構成について紹介します。

レベル

独検の公式HPによると、1級のレベルは以下の通りです。

  • 標準的なドイツ語を不自由なく使え,専門的なテーマに関して書かれた文章を理解し,それについて口頭で意見を述べることができる。
  • 複雑なテーマに関する話やインタビューの対話などの内容を正確に理解できる。複雑な日本語の文章をドイツ語に,ドイツ語の文章を日本語に訳すことができる。
  • 対象は,数年以上にわたって恒常的にドイツ語に接し,十分な運用能力を有する人。
  • 語彙制限なし

引用:独検公式ホームページより(各級のレベルと内容

公式ホームページでは、独検1級のレベルはCEFRのC1〜C2におよそ対応すると書かれていますが、難易度的にはゲーテC1と同じくらいであると推定されます。

また一次試験の合格最低点は、2014年以降、高くても 62.09 点、大抵の場合は 60.00 点 なので、この点数を超えることを目安に勉強しましょう

問題構成

問題は、次のような構成となっています。

一次試験

筆記(120分)
  1. 慣用表現(言い換え)
  2. 慣用表現(空欄補充)
  3. 長文読解(文の書き換え・文の解釈)と独文和訳
  4. 会話文の再構成
  5. 長文読解(内容の理解)
  6. 長文読解(表現の補充・文の書き換え)
  7. 和文独訳

筆記の試験時間は独検最長の120分になります。

集中力との戦いになるので、普段から勉強時間を少し長くしたり、独文和訳や和文独訳を気分転換に使いましょう。

聞き取り(約40分)
  1. 会話文の内容理解
  2. テキスト内容の理解

聞き取り試験も、準1級の35分より5分ほど長いですが、語彙の難易度の差を除けば、問題の構成は似ています

二次試験

口述試験(約13分)

試験形式

  • 試験の内容提示されたリストから一つのテーマを選び、それをめぐっての質疑応答

審査対象

  1. 発音とイントネーション
  2. 文章構成能力
  3. テーマに即して意見を述べる能力
  4. コミュニケーション能力

試験室に入り着席すると、テーマの書かれた紙が渡されます。与えられた3分間で、選んだテーマについて述べるべきことを考えますが、メモを取ることはできません。その後、ドイツ語で意見を述べ、それに関する質問がなされます

私のおすすめ勉強法

「完璧を目指さない」、というのが私の勉強法でした。

おそらく独検1級にチャレンジされる方は既に、独検準1級や他のドイツ語試験の受験経験があると思います。難易度の高い試験ほど、高得点を取ることは大変難しくなっていき、これは独検1級においても同様です。

一つ一つの単語や文法を自ら使えるアクティ語彙にすることは確かに大切ですが、読んで意味の理解できるパッシブ語彙を増やすことで、独検1級の長文読解に必要な語彙力を養うことができました。

アクティブ語彙パッシブ語彙
主な場面話す・書く読む・聞く
(読んで/聞いて)理解できる
(話す/書く際に)自分で使える/自然と出てくる×
補足: アクティブ語彙とパッシブ語彙

ここでは、使った参考書やサイト、二次試験の対策法について説明していきます!

使用した参考書

独検対策 準1級・1級問題集

日本国内で発売されている独検対策本の中で、1級を対象とした唯一の参考書です。

実際の過去問に沿った問題集で、これを最初に解くもよし、公式問題集を先に解いて難易度を確認した後に、この本で対策法を学ぶことも可能です。

しっかり身につく中級ドイツ語トレーニングブック

トレーニングブックの問題そのものではなく、コラムとして、前置詞を使った熟語表現や機能動詞が豊富に掲載されています。

また1級レベルの語彙力だけでなく、挑戦問題の文体の変換など、試験で役に立つ知識が多くあります。

ドイツ語積み増し360語

語彙レベルとしては準1級に相当すると考えられますが、中〜上級者向けの単語帳として必携の一冊です。

「和文独作にチャレンジ!」では、和文独訳に必要な能力を鍛えることができます。

その他

1級の特徴として、慣用表現やことわざの知識が必要となります。

ティムとヤンのドイツ語講座』『ドイツ語熟語辞典』『ドイツ・西欧ことわざ名句小辞典』などドイツ語のことわざを扱った本は多く存在します。自分に合った一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。

二次試験対策

独検準1級の二次試験が「写真描写」であるのに対して、1級では質疑応答形式の試験となります。

この形式はむしろゲーテC1のものに類似しており、同様の対策を行えば雰囲気を掴むことができると思います。

参考:ゲーテC1試験に使える表現

Goethe C1口頭試験・プレゼンに使えるドイツ語表現

独検1級の面接は、聞かれる質問がゲーテC1よりも具体的な傾向があります。

日頃からドイツ語圏のニュースに触れるだけでなく、日本国内の問題などにも注意し、これらをドイツ語で説明できる状態にしておくと安心かもしれません。

一次試験にも言えることですが、ドイツ語をドイツ語で理解するだけでなく、日本語をドイツ語に、ドイツ語を日本語にするトレーニングを定期的に行うことをおすすめします。

構成

問題を選ぶ時間を含めて3分間の準備時間が与えられていますが、その場で発表の構成を行うのは決して簡単ではありません。

前もって雛形を作っておけば、3分間を話す内容を考えるために有効活用できます。その中で雛形としておすすめしたいのは、アカデミック・ライティングの構成(序論→本論→結論)です。

導入

ゲーテC1の試験ではテーマが定められているのに対して、1級の試験では選択式ですので、どのテーマを選んだかを明確にする必要があります。

この際、配られた紙ではテーマが簡単に書かれているだけなことがありますのでパラフレーズする(他の言葉で言い換える)ことも必要になります。

(例)テーマ: Papierbücher vs. digitale Bücher

言い換えの例: Ich spreche heute zum Thema: Braucht man heutzutage wirklich Bücher aus Papier?

選択したテーマを明らかにしたら、次はそのテーマについての状況を述べ、自分の立場(Thesis Statement)を明らかにしましょう。

(例)Dank der Fortschritte der Technik können wir heute überall mit dem eigenen Handy digitale Bücher lesen, ohne schwere Papierbücher mitnehmen zu müssen. E-Bücher sind zugegeben umweltfreundlicher, aber ich bin der Meinung, dass wir dennoch Bücher aus Papier benötigen.

説明

導入を終えると次は理由と論拠を述べる必要があります。

メリット・デメリットを挙げ、データなどを示すことが望ましいのですが、即席の面接では難しいのも事実です。自らの考えを論拠として使いながら、立場を補強していきます

この際におすすめなのが逆の意見を一度補強した後に、自分の意見を述べることです。

(例)Vom Standpunkt des Klimaschutzes aus betrachtet sind digitale Bücher als Alternative zu Papierbüchern zugegebenermaßen hervorragend. Die Herstellung eines bisherigen Buches verursacht mehr CO2 als die Herstellung eines digitalen Buches.

Trotzdem haben die Bücher aus Papier einige Vorteile. Einer davon ist, dass wir beim Lesen den Duft neuer Blätter riechen können. Das Gefühl beim Berühren der Blätter ist auch nicht zu vergessen. Wenn man beispielsweise einen Roman aus Papier liest, fühlt man die Spannung beim Umblättern. Dieser Augenblick existiert nicht beim Lesen eines E-Books.

Ein anderer Vorteil ist das Hochgefühl, wenn man ein Papierbuch kauft und es ins Regal stellt. Auch nebeneinanderstehende Bücher in Bibliotheken und Buchhandlungen sind selbstverständlich schön anzusehen. Diese Schönheit können wir mit digitalen Büchern nicht genießen. Darüber hinaus kann man auf einer Webseite ein Buch nicht zufällig entdecken, das im Regal neben dem gesuchten Buch steht.

結論

意見の表明を終えた後には結論として、再度自分の立場を明らかとするといいでしょう。

(例)Zusammenfassend möchte ich sagen, dass wir heutzutage noch Bücher aus Papier brauchen.

質問・退室

一通りの発表を終えると、試験官から質問をされます。このパートでは発表の深掘りや、関連するテーマなどについて聞かれることとなります。

質問の意味が分からなかった場合には、聞き直しても問題はありません。しっかりと自分の意見を貫きましょう

他の語学検定のように姿勢や挨拶を気にする必要はないとは思いますが、退室時に例えば Schönen Tag noch! などを言ってみても良いと思います。

最後に

以上が私の試験対策法です。

独検準1級に合格したら次は1級を、と考える人も多いと思います。

その際に大事なのは、新しいことを吸収しながら自分の勉強法を補強していくということです。

準1級に合格できるということは、しっかりとした自己流の勉強法が確立しているとも言えます。あくまで私の勉強法は一例であり、取捨選択はみなさん自身の判断によるものであることを忘れないでください。

みなさんの1級合格を願っています!

Vielen Dank, Tomoya先生!これからもVollmondで色々な生徒さんを一緒にサポートしていこうね♩

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Lesen/Hören 対策にはプライベートコース、Sprechen 対策には会話コース、Schreiben 対策にはテキストコースがおすすめです。

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